【藤原和博×西野亮廣の未来講座②】「お金」とは何か

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お金の話を避けて通るな

西野:

クラウドファンディング、みんな知っているってことでいいよね?

 

その前に、学校が何を教えてくれないかを把握しておいたほうがよくて、お金のこと全然教えてもらっていないと思うんだよね。

 

なんとなくお金ってなんか汚い、と思ってない?

 

これがヤバいと思っていて、お金音痴になったらヤバいと思うんですよ。

 

なぜなら社会に出たら必要だから。

 

 

25歳でつかんだ栄達、だったが…

さっきいろんな企画があがっていましたけど、企画を実現するときにお金は必要なのに汚いものとして敬遠しているのがヤバいと思っていて。

 

お金をどうやってつくるか、どうやって使うか、

まずはなんで自分がお金のことをきっちり考えようと思ったかをお話します。

 

遡ると、20歳のときに「はねるのトびら」がスタートして、25歳のときにゴールデンにあがって視聴率も20%を超えて、売れた感覚がありました。

 

冠番組もいくつも持って、朝はおはスタ、昼はいいとも出て、夕方はグルメ番組や自分たちのロケやって、夜は音楽番組、はねトびやって、各局で番組持って、大阪では漫才やってという風に、こうなりたいなって自分に25のときに行けたんだけども、なんか確かに生活はよくなったし、ちやほやされるようになったし、収入も増えたし、いろんなものが揃ったんだけど、スターにはなっていなかったんです。

 

芸能界の順番が変わっていなかった。

 

この山を登ったら景色が開けると思ったけど、結局登ってみたらそこにあったのはたけしさん、さんまさん、タモリさんの背中だった。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

風は瞬間最大風速は吹いているし、この上ない状況まで行っているのに突き抜けてないということは、この分野では突き抜ける才能がないんだと思ったんです。

 

僕の目標は、ウォルト・ディズニーを倒すことだから、たけしさんを超す前に躓いている場合じゃないと思って、どうしたもんかな、と。

 

それで早々にテレビから軸足を抜いて、相方の梶原くん、吉本の方やテレビ局の人みんな呼んで、25歳のときにテレビやめるって話をしました。

 

それで空いた時間でなんかしなきゃなと思って、しかも先輩方がやっていないことをやらないと逆転はない。

 

何しようかなぁ、と考えていたときにタモリさんに呼び出されて、「お前、絵描けよって」。

 

それからですよ、絵を描くの(笑)。

 

大人が子どもをナメすぎている

絵を描けと言われたけど、絵が得意なわけでも、美術専攻でも、趣味で描いていたわけでもないんだけど、たまたま絵本の話になったの。

 

絵本はおもしろくないよねって、タモさんと。

 

何というか、大人が子どもをナメすぎているって話をしていて。

 

僕の絵ってすごい細かいんですよね。

 

それで親御さんによく聞かれるんです「これ子ども向けですか」「何歳児向けですか」って。

 

僕ももしかしたら使ったことがあるかもしれないけど、よくよく考えたら随分ひどい言葉だよね。

 

それって、自分よりも理解力の低いこの子でも理解できますかってことだよね?

 

かなりの偏見を孕んだ言葉。

 

それは言っちゃだめ。

 

そもそも僕ら子どものころって、そんな子どもだったっけ?

 

僕は4人兄弟で家はあまり裕福じゃなくて、幼稚園のときにお正月に親戚中まわってお年玉をもらうんだけど、「母ちゃんに渡して家計の足しにして」というのはわかるんだけどさ、そんなことしたら誰が傷つくって、母ちゃんだよね。

 

子どもに気を遣わせているって。

 

で、どうしようかといろいろ考えて、「母ちゃんこれ預かっといて」って言って忘れる。

 

誰も傷つけずお金を渡すことができる。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

小学校1年生のときのこともよく覚えていて、西野家では年に1回外食するんだけど、父ちゃんは好きなもの食えって言うんだけどさ、食えるわけないよね。

 

ステーキだって2000円もするしさ、4人兄弟で行ったら結構な金額になるでしょ。

 

でも安いのでいいよって言いたかったけど、それを言ったら父ちゃんが傷つくよね。

 

だから肉よりも野菜のほうが好きってことにしてさ。

 

そうしたら誰も傷つかずに、父ちゃんの財布も傷つかずに済む。

 

これでいいだろうと。

 

そういう話をすると子どもの頃からしっかりしていたんですねって、言われるんだけど、でも考えてみたらみんなもそうだと思うけど。

 

幼稚園のときを振り返ってみると、あっちのグループに入ったらいじめられるからこっちにいようとか、結構今の自分たちがしていることを幼稚園のうちからやっていたの。

 

つまり僕たちは姿形はかわったけど中身はさして変わっていない。

 

それが大人になったときになんかわからないけど、すっぽり忘れちゃって。

 

子どもというのはこういうものが好きで、丸いものが好きで、カラフルなものが好きで、とかよくわからないマーケティングで、“子ども向け”といって大人が発動する。

 

それが顕著に出ているのが絵本。

 

小学生のころ、プラモデル屋によく行ってたんだけど、パッケージをよく見ていたの。

 

戦艦とか戦闘機とかよく書き込まれた写真みたいなやつね。

 

超すげー!って。

 

それで家ではラピュタとかナウシカとかを見ていて。

 

ジブリの作品はすごいでしょ、書き込みが。

 

宮崎駿すげー!って。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

なのに絵本になった途端に、ゆるキャラみたいな世界になっちゃうでしょ(笑)。

 

お父さんお母さん、学校の先生が“子どもはこういうのが好きでしょ”って、勧めてくるけどそれが嫌だった。

 

そんなわけはない。

 

そもそも絵に対象年齢なんてない。

 

富士山に興味がある3歳児もいれば、興味のないおじいちゃんおばあちゃんもいるでしょう。

 

よくわかんないけど絵本だけは、なんか子ども向けってなって僕たちに回ってきた。

 

タモさんと話していてここを突破しよう、僕たちが面白いと思うことを子どもたちに届けようってなった。

 

それはおもろいな!と。

 

翌日には芸人辞めて、絵本作家になるって決めたんです。

 

5年の歳月をかけるも、マイナス97万部!?

絵本を出すことは決めたんだけど、その前に一応出すからにはこのクオリティに達していないと出さないという最低目標を決めたんです。

 

地球上のプロの絵本作家全員に勝つ、勝たないものは出さないと。

 

まずプロに勝たないと芸人が片手間にやったと言われたときに、何も言えなくなるしね。

 

どうやったら勝てるかな、と考えて自分が勝っているところで戦おうと。

 

まず画力は負けている。

 

出版のコネもノウハウもツテもない、基本的に負けていることだらけだったんだけど、ひとつだけ、時間なら勝っているな、と。

 

ひとつの作品を作るのにかけることができる時間。

 

プロの絵本作家さんは売り上げで生計を立てて、ご家族を養われているわけだから、短いスパンでポンポン出していかないといけない。

 

その点僕は絵本の売り上げが収益の柱ではないから、極端な話、ひとつの作品に10年かけることだってできる。

 

これが専業と兼業の違いで、プロは実はあまり時間をかけることができない。

 

普通の絵本は17、8ページだけど、100ページくらいに設定して、どう急いでも時間がかかるようにかかるように作り方をデザインしたんです。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

この作り方をすると3年4年かかるという作り方を選んだ。

 

その時点でプロには作ることはできないんです。

 

それはセンスや才能ではなくて、物理的に作ることができないから、この時点で勝ちじゃん!と思った。

 

まだ1mmも描いていないんだけど、地球上の絵本作家に勝ったと思った。

 

理論上は。

 

それから描いた。

 

1冊目なんかは5年かかったんだけど、描いてみたら意外や意外、絵が上手いのよ(笑)。

 

俺すげーと思って、これは大変なことになる、世界中がひっくり返るんじゃないか、100万部とか売れるんじゃないかと思ったんです。

 

5年もかけた超大作だし。

 

そして世に出したら3万部しか売れなかった。

 

絵本は5000部、1万部でヒットって言われるくらい市場が小さいから、3万部でもヒットなんだけど、自分からするとマイナス97万。

 

ウォルト・ディズニーを倒すってい言っていたのに、3万部じゃ話にならない。

 

これは何かの間違いだと思った。

 

売れないわけはないと思ったのに。

 

だって世界中の絵本作家には勝ってるんだよ?

 

頭の中では。

 

そして2作目を描いた。

 

『ジップ&キャンディ』っていって、クリスマスに起こる奇跡の物語で、しかも発売時期がクリスマスにぶつかったんですよ。

 

これは大変なことが起こる、恋人同士がクリスマスのプレゼントの定番にするんじゃないかって。

 

だけどまた3万部しか売れなかったの。

 

基本的に僕の作品、3万しか売れないのよ。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

あれ?

 

これは間違いじゃないぞ。

 

これは実力だと思った。

 

1作目はたまたまスベっただけだと思ったら、このままずっといっちゃうか、それどころか右肩さがりになるなって思った。

 

この時点で、5、6年経ってるわけ。

 

そうすると同期の芸人とかがテレビで出て来るの。

 

ウーマンラッシュアワー、平成ノブシコブシ、南海キャンディーズ、NON STYLEとか同期がみんな活躍している。

 

で、西野はテレビで見ないよねって世間はなっている。

 

ウォルト・ディズニーを倒すって言ったのに遠のいてんじゃん。

 

このときにようやく気付いたんです。

 

作品というのはお客さんの手に届かないと作品としてカウントされないということに。

 

ぼくがかけた5年間、6年間は世間的には何もしていないと同義。

 

これはヤバい。

 

ものってやっぱり売らないと作ったことにならない。

 

作るだけ作って、お客さんの手に届くまでの動線を吉本や出版社の人に任せていたけど、これは育児放棄だと思ったんですね。

 

人は、思い出にはお金をかける

これはやっちゃだめだ。

 

お客さんの手に届くまでの動線が作れていない作品はもはや未完成である。

 

そういう認識で売らなきゃいけないと思って、そのときからお金のこととか流通のこととかを考えるようになりました。

 

じゃあなんでこれまで考えてこなかったかっていうと、多分、今のみんなと同じ感覚だと思う。

 

お金の話をするのを何となく敬遠して。

 

お金のことはよくわかりませんって言ったほうが職人然としてかっこいいしね。

 

そうやって育てられたし。

 

小学校から高校卒業するまできっちり洗脳されてきたから。

 

お金の話をしないと作品届かないんだから、3作目から売るということを真剣に考えた。

 

いい作品を作るのは当たり前。

 

それからどうやったら売れるのだろうとすごい考えた。

 

ひとつはお金の話じゃないんだけど、確実に本を売る方法を見つけた。

 

自分がものを売る立場になって、自分が何を買って何を買わないかきっちり分けたんです。

 

CDは買わない、本も買っても月に2、3冊。

 

作品ってあまり買ってないな、って。

 

作品は売れないものにカテゴライズした。

 

で、水は買うし、牛乳、パン、米は買うし、高くてもテレビは買うしエアコンも冷蔵庫も買う、つまり生活必需品は当たり前だけど買うなと。

 

売れるものと売れないもののわかりやすい線引きは、生きていく上で必要であるか否か。

 

米は必要であるから売れる。

 

僕の絵本なんか生きていく上でさして必要でないからそれは売れにくいよな(笑)。

 

作品っていうのは生きていく上で必要ではないけど、世の中の作品がすべて売れていないなら話はここで終わるんだけど、売れている作品があるでしょ?

 

僕のことでいうと、シンガポールのマーライオンの置物、買っちゃったんだよ。

 

いる?

 

あれ(笑)。

 

いらないよね、でも買っちゃったんだよ。

 

宮島に行ったときも「宮島」って漢字で書かれたペナント、あれ買っちゃったんだよね。

 

これまで生活してきた中でそろそろペナント欲しいなって思ったことある?

 

ないでしょ、でも買っちゃったんだよ。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

本はあまり売れないんだけど、演劇のパンフレットって劇場のロビーで超売れているの。

 

演劇のパンフレットって20ページとかペラペラで4000円くらいするのに売れている。

 

なぜか。

 

僕たちは作品にはお金を出さないけど、思い出にはお金を出すんだよね。

 

つまりお土産って、なんか買っちゃってる。

 

スマホが出てきていろんな仕事がなくなっているのに、お土産屋さんってめちゃ元気やんか?

 

(笑)。

 

お土産屋さんってなんで潰れないんだろ。

 

なぜ僕らはお土産を買っちゃうんだろう、って考えたときに、それはその時の思い出を思い出すのに必要な装置であるから。

 

例えば楽しかったシンガポールの思い出とか、すごく感動させてくれた演劇とか、お土産は本だとかCDとか作品側にカテゴライズされるのではなく、水や米やパンだとか冷蔵庫のように生活必需品なんだ。

 

だから売れるんだ。

 

お土産は生きていく上で必要なんだ。

 

これだ!それなら自分の作品をお土産化しちゃえばいい。

 

お土産をお土産化するには何が必要かっていったらその前の体験だよね。

 

体験が前にないとお土産は成立しないからね。

 

僕はそのとき絵本を3作描いていたから原画が150枚くらいありました。

 

これを無料で貸し出して全国誰でも原画展を無料でやってくださいという風にした。

 

長崎では中学生の女の子、広島ではサラリーマンの方が、名古屋では中学生の男の子、横浜ではOLさんが、札幌では町長さんが全国各地で西野亮廣原画展をやってくれて。

 

その代わり、無料で貸し出す代わりに出口で絵本を売らせてくださいねって言ったら超売れた。

 

本が本として売れたのでなく、絵本原画展のお土産として売れた。

 

この仕組みさえ作ってしまえば、僕の原画展をやめない限り、僕の本はずーっと売れ続けるよね。

 

こうすると、理論上100万部売れるじゃん?

 

あとはそれが5年かかるのか、アイデアをかけあわせて1年で達成するのかだけのこと。

 

理論上、僕の絵本がヒットしないというのはなくなった。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

ちなみに本は出したら2週間くらい平置きで、3週くらいで棚差し、4週くらいで消えていくのが通例で、この期間で売ってくださいっていうルールがあってね。

 

でも本だよ?

 

ピーマンやナスじゃないんだから。

 

腐らないんだからさ、賞味期限もないし。

 

絵本は5年後も10年後も価値は下がらないのに八百屋みたいにこの期間で売ってくださいっていうのはよくわかんなくて、それは本屋の都合だから、5年後も10年後も売れる場所をデザインする必要があったの。

 

本丸は原画展のお土産であって、本屋さんで売れたらラッキーくらいに思ってる。

 

これがひとつね。

 

これが売る方法のひとつ。

 

全部にトレースできると思う。

 

人は体験に流れているから、フェスだとかね。

 

2つ目はやっとお金の話、クラウドファンディングの話しです。

 

『えんとつ町のプペル」を描こうとしたとき、最初は1人で描き始めたんです。

 

でもあるとき、そもそもなんで絵本て1人で作ることになっているんだろう、と思ったんですよね。

 

たとえば映画だったら分業制だよね。

 

監督がいて役者さんがいて、音響さんだとかいろんな方がいてそれぞれの得意分野を持ち寄って一つの作品を作るでしょ。

 

会社組織もそうだよね、社長がいて秘書がいて部長がいて。

 

『ONE PIECE』だって、尾田栄一郎さんが1人で作っているわけじゃないでしょ?

 

背景を描く人がいたり。

 

世の中のほとんどのものが分業制で回ってるのに、絵本だけはなぜか1人でつくることに決まっている。

 

空を描く仕事、建物を描く仕事とキャラクターをデザインする仕事、色をつける仕事、それぞれ微妙に業務内容が違う。

 

つまり、空を描かせたら誰にも負けないって人もいるだろうし、空は描けないけど魅力的なキャラクターは描けますよっていう人もいるだろうしね。

 

だったらそれぞれのプロフェッショナルが集まって、超分業制で絵本作ったらとんでもない絵本ができるんじゃないか。

 

誰も見たことない絵本ができるはず。

 

でも、問題は、こんなアイデア誰だって思いついているはずなんだけど、このアイデアは実現されていないってこと。

 

実現されていないには何か理由がある。

 

理由は何か。

 

答えは結構簡単で、お金だったんです。

 

絵本は市場が小さいからそもそも売上が見込めない。

 

だから制作費を潤沢にかけることができず、スタッフさんに払う給料も用意できないから、1人で作るしかないんです。

 

こういう理由で絵本はずっと1人で作られてきたんです。

 

であれば、お金さえ用意してしまえば、超分業制の、誰も見たことのない絵本ができるんじゃないか。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

それでトライしたのがクラウドファンディングでした。

 

お金は、信用を数値化したものである

2回のクラウドファンディングでのべ1万人の方に支援していただきました。

 

5600万円集まって、それで『えんとつ町のプペル」を作った。

 

これまでトータル4回やっているんだけど合計は1億円を超えたかな。

 

すごいよね。

 

カンパだけで1億円だよ?

 

だけどね、ここでひとつだけ言っておきたい。

 

クラウドファンディングは決して“金のなる木”じゃないってこと。

 

クラウドファンディングのサイトを見てもらえればわかると思うけど、同じような企画でも100万円集まっている人と、1円も集まっていない人がいる。

 

この違いってなんだろね。

 

これには何か理由がある。

 

クラウドファンディングを今後やるんであれば、絶対に把握しておかなければ

ならないのはまず“お金って何だろう”ということと“クラウドファンディングって何なのか”という説明ができないと、クラウドファンディングで勝つことはできないです。

 

お金の説明は、多分ほとんどの人はできないと思う。

 

学校の先生も結構きついと思うんだよね。

 

結論からいうと、「お金は信用を数値化したもの」であるということ。

 

どういうことかというと、友だちにホームレスがいるんだけど、彼の存在がお金の説明をするのに便利。

 

コタニっていうんだけど、コタニは1日を50円で売っているのね。

 

1日だよ?

 

超ブラック企業だよね。

 

でもコタニはそのブラック企業の社長だからいいの。

 

本当に何でもしてくれる。

 

iPhone買いたいから並んでくれと言ったら、1週間並んでくれて。

 

1週間っていっても350円だからね(笑)。

 

たとえば君がさ、庭の草むしりでコタニを買ったとするよね。

 

すごい一生懸命やるんだよ、朝から。

 

君は何だか申し訳ないと思って昼ごはんをご馳走すると思うの。

 

で、コタニは食べ終わるとまた草むしりするのね、夜まで。

 

さすがにギャグで買ってみたものの、30過ぎた人に50円で朝から晩まで草むしりさせて、相当申し訳ないって思って、夜もご馳走するよね?

 

多分。

 

結局、コタニにそれなりにお金を使ってるんだけど、買った人の心に何が残るかというと、

本当にありがとうね、という気持ち。

 

コタニって誰からもものすごい感謝されるのね。

 

値段設定は50円だから、これが1万円だったらこれくらいして当たり前でしょって、話は終わってしまうのだけど。

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

ところがそのコタニが結婚したんだよね。

 

そうしたらコタニが結婚式挙げてあげたいって言うのね。

 

自分はいいのだけど、自分みたいなホームレスと結婚してくれた奥さんにはいい思いさせてあげたいって。

 

でも、お金がないんですって(笑)。

 

そりゃそうだよね、1カ月マックスで働いても1500円だからね。

 

どうする?

 

ってなって、クラウドファンディングでお金集めようとなったわけ。

 

「浅草の花やしきを借り切ってホームレスがド派手に結婚式する」というクラウドファンディングを1口4000円で立ち上げたの。

 

2週間か3週間くらいで250万くらい集まって。

 

名もなき、知名度もないホームレスに誰が支援したのか。

 

4000円で250万だからすごい数の人が支援しているよね。

 

ほとんどが、これまでコタニを50円で買った人たちだったんだよ。

 

これまでの感謝がお金になった瞬間。

 

コタニはお金持ちではないけど、信用持ちだったんだよね。

 

信用の面積がむちゃくちゃ広いから、僕らに比べて。

 

クラウドファンディングのように信用をお金に変える装置が出てきたときにいつでもお金を作ることができる。

 

ここで知っておきたいことは、クラウドファンディングは信用をお金化するための両替機であるということ。

 

それさえ知っておけばクラウドファンディングで勝つために何をするか。

 

答えはひとつだよね。

 

信用を取りにいくこと。

 

これからの時代は信用持ちが勝つ。

 

クラウドファンディングであれ、オンラインサロンであれ信用があればいつでもお金が作れる。

 

じゃあ、その信用を取るにはどうしたらいいか?

 

ジジくさいこと言うけど、嘘ついちゃだめだよね。

 

嘘ついたらどんどん信用は離れていくから。

 

でも嘘って、感情でつくわけじゃないじゃない?

 

誰だって嘘はつきたくないんだから。

 

じゃあなんで僕らは嘘をつくかといったら、環境がつかせているの。

 

つまり、嘘つかなければいけない環境に追いやられているということ。

 

嘘をつかなきゃいけない環境に身を投じないということだよね。

 

嘘をつかないといけない場面に身を置かないこと

先ほど、クラウドファンディングで僕が1億円集めた話をしました。

 

“お前、それ有名人だからだろ”と思われているけど、調べてもらったらわかるけどタレントとクラウドファンディングって超相性悪い。

 

クラウドファンディングをやってるタレントさんも結構いらっしゃるんだけど、ほぼほぼ負けている。

 

だから知名度と集まるお金は比例しない。

 

じゃあなんで、タレントさんはクラウドファンディングに弱いか。

 

タレントさんの給料の出元を考えるとわかりやすい。

 

スポンサーさんがいて、番組に制作費を出して、この制作費の一部がタレントさんの給料になっている。

 

だからタレントっていうのは、とにかく好感度を求めなきゃいけない。

 

たとえばグルメ番組でまずい料理が出てきても「おいしい!」って言わなきゃいけない。

 

まずいなんて言ったら好感度下がるしね。

 

どれだけまずかろうがおいしいって言わなきゃいけない。

 

おいしいばっかりじゃないんだよ!でも、テレビでタレントが「マズっ!」って言っているの見たことないでしょ?

 

【21世紀型スキル総合コース 第2回】藤原和博×西野亮廣による「お金」とは何か

 

10年前はよかった。

 

視聴者は食べているものがおいしいかどうかわからなかったから。

 

でも、今はこの料理がうまいかまずいかはネットで調べればすぐわかるし、twitterのタイムラインで「あいつ嘘ついている」ってつぶやかれる。

 

この状態でタレントはずーっと好感度を求めなきゃいけないんだけど、いずれ嘘をつかなければいけない場面が出てくる。

 

これをやった先に何があるかというと、認知を得ることはできる。

 

だけど人気タレントにはなれない。

 

認知と人気、そこは明らかに違う。

 

ただ知られている人と信用されてちゃんとファンをつかんでいる人。

 

認知はあっても信用があるわけではないので、クラウドファンディングでは勝てない。

 

なので収録中ディレクターにムカついて帰ったりするんだけど、そういうことをするとオンラインサロンのメンバーが増えるんだよね。

 

嘘をつかないってことは、意思表明するってことだからね。

 

本音をちゃんと言えば、どんどん信用は膨れ上がっていく。

 

でも、信用を取りにいくと言ってもわからないと思うの。

 

だからここにいる全員、夏休みの間、1人1つでいいからクラウドファンディングやってみて。

 

何でもいい、10万円集めるでも5万でもいい。

 

温泉に行きたいでもいい、そのときにわかると思う。

 

なんで同じような企画でお金の集まりに差があるのかとか、どうやったらささるのかとか。

 

行動したほうが早いと思うから。

 

それぞれのクラウドファンディングを考えて、全員やってみてください。

 

とにかくやってみて、お金の本質を知ったほうがいい。

 

クラウドファンディング、がんばって。

 

投稿【藤原和博×西野亮廣の未来講座②】「お金」とは何かは【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信の最初に登場しました。

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