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『ラブ・サイモン』サウンドトラック(Album Review)

『ラブ・サイモン』サウンドトラック(Album Review)

 2018年3月16日に公開された映画『ラブ・サイモン』は、ニック・ロビンソン演じるサイモンがゲイであることを隠していたが、同級生のマーティンにバレて脅迫されたり、ネットで知り合った高校生に恋していていくという、現代を象徴したような青春ラブ・ストーリー。ニックの他には、ベン・アフレックの元妻で女優のジェニファー・ガーナーや、ファーギーの元夫で俳優のジョシュ・デュアメル、セレーナ・ゴメスが製作総指揮を務めたドラマ『13の理由』でブレイクしたキャサリン・ラングフォード等が出演している。

 映画公開同日にリリースされたサウンドトラックは、2011年リリースのシングル「ウィー・アー・ヤング」の大ヒットで知られるロックバンド=fun.(ファン)のギタリスト、ジャック・アントノフが担当。彼のソロ・プロジェクトであるブリーチャーズは、本作に以下4曲を提供している。

 先行シングルとして1月に発表した「アルフィーズ・ソング」は、誰もが親しめるスタンダードなポップ・チューン。制作陣には、カミラ・カベロやビヨンセ、ドレイク等トップ・シンガーを手掛けるイルジー・ジューバーと、ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズの名前もクレジットされている。サブタイトルにもある“典型的なラブソングではない”と歌う切ない歌詞も聴きどころ。疾走感ある「ローラーコースター」や、ファンの作品に近い「キーピング・ア・シークレット」~「ワイルド・ハート」も、斬新さには欠けるがいい曲。

 ジャック・アントノフ名義では、メジャー・レイザーの「リーン・オン」(2015年)でブレイクしたデンマーク出身のポップ・シンガー=ムーとのコラボ曲「ネバー・フォール・イン・ラブ」も収録されている。80年代アイドルが歌っていたようなシンセ・ポップで、お世辞にもカッコイイ曲とは言えないが、映画のコンセプトには見事にハマっている。トロイ・シヴァンによる激甘メロウ「ストロベリー&シガレッツ」や、NYブルックリン注目のドリームポップ・バンド=ハーツ(HAERTS)による「ウィングス」も、アメリカの青春映画で使われそうな、まさに“王道”だ。

 アルバム・リリースの1か月前に解禁された「ラブ・ライズ」は、R&Bシンガーのカリードと、フィフス・ハーモニーのノーマニ・コーディによるデュエット曲。自己主張するノーマニのボーカル・パートが特にすばらしく、両者の音楽性とマッチしたヒップホップ的なサウンドプロダクションも文句なし。女優としても活躍するテイラー・パークスと、ジャミール・シャマスというミゲル等の楽曲を担当したソングライターが曲を手掛けた。

 英マンチェスター出身の4人組ロック・バンド=The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)による「ラブ・ミー」や、エイミー・シャークの「シンク・イン」といった個性的なナンバーもあり、サントラ盤ならではのバラエティに富んだ色んな楽曲が楽しめる。使われどころは不明だが、ジャクソン5の「想い出のクリスマス」(1970年)や、故ホイットニー・ヒューストンの全米No.1ヒット「すてきなSomebody」1987年)、大御所ソウル・シンガー、ブレントン・ウッドの「ウーガム・ブーガム・ソング」(1967年)といった過去のヒット曲も収録されている。

Text:本家一成

◎リリース情報
『ラブ・サイモン』
サウンドトラック
2018/3/16 RELEASE

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