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「”街の物語”が紡がれたホテルを」21歳ホテルプロデューサーが話す”ストーリージェニックな宿”の真意

龍崎翔子さん

先日、Twitterを眺めていたら、とあるツイートが話題になっているのが目に止まった。

https://twitter.com/shokoryuzaki/status/952940847489736704

温泉にこもって卒論をかける「卒論執筆パック」…? キーボードを叩く手が止まったら温泉でリフレッシュできる上、なんだか大作家になった気分も味わえそうだ。面白そう!

ただ残念なことに、自分が大学生だったのはすでに10年近く前の話だ。

関係ないな……と諦めてしばらくのち、今度はこんなツイートが流れてきた。

https://twitter.com/shokoryuzaki/status/954319806857035776

「卒論は書かないけど湯ごもりしたい」…まさに自分のことだ!「大人の」とキャンペーン名についているところもニクい。大人だって湯ごもりしたいのだ。

この痒いところに手が届く上に、時機を逃さない企画力。ツイート主はただ者ではないはず……と調べてみて驚いた。ツイート主の龍崎翔子さんはなんとまだ21歳!

おまけに旅先での出会いに価値を置いた「ソーシャルホテル」や、都会な喧騒を離れ自分のための時間を過ごす「chillな温泉旅館」など、新感覚のホテルや旅館を5軒もプロデュースしているという。龍崎さんがどんなことを考えてるのか、とっても気になるな……。

龍崎翔子さん

というわけで今回、龍崎翔子さんにインタビューできることになりました!

しかも取材場所は、龍崎さんがプロデュースし、2月にリニューアルオープンしたばかりの「THE RYOKAN TOKYO」@湯河原温泉!

龍崎さんが思う旅の魅力やこれからの旅館のあり方、 そして、彼女の語る「ストーリージェニック」の意味を、とことん聞いてみたいと思います!

ホテルと旅館の新しいあり方を提案したい

龍崎翔子さん

ーーまず、龍崎さんが掲げる「ソーシャルホテル」というのはどういう意味なんでしょう?

私は旅を感動的にしてくれるのは新しい出会いや予想外の出来事など、いい意味での予定不調和だと思っています。だから、私たちの手がける宿ではバーやラウンジのような共有スペースを充実させて、宿泊するお客さん同士のコミュニケーションが生まれる導線を作ることで、新しいモノやヒトとの自然な出会いのあるホテルを目指しています。

ーーなるほど。そうやってホテルや旅館の新しいあり方を提案されているのがすごく面白いと思っているのですが、今日いる「THE RYOKAN TOKYO」はどんなコンセプトなんですか?「THE RYOKAN TOKYO」の部屋「THE RYOKAN TOKYO」の部屋。和のあたたかさがぎゅっと詰まっている。

多くの文豪が逗留したという湯河原の街の空気感を織り込んで、「CHILLな温泉旅館」というコンセプトを掲げています。「癒し」のあり方が多様化している今、より私たちにとってネイティブな癒し(=CHILL)を提供する温泉宿でありたいと思っていて。観光や宴会ではなく、「湯ごもり」を楽しんでいただきたいですね。

ーー「湯ごもり」というのは面白いですね。あまり気取らないニュアンスを感じます。

いい意味で生活の延長みたいな「ラフな温泉旅館」を作りたいな、という気持ちがあります。日本の温泉旅館って、ラグジュアリー化が進んでいて「特別な1日」を提供することが温泉旅館の価値であるように思われてしまいがちですが、それでは敷居が高くなり市場が縮小してしまう。

日本には温泉文化が根付いているので、ハレの日だけではなく生活の延長、つまりケとしても、旅館に来る機会を増やしたいんです。かつて文豪が執筆に集中するために温泉宿に泊まっていたように、作業に集中したり自分と向き合う時間を作ったりするために温泉を利用していただきたい。ライターさん向けの「原稿執筆パック」や大学生向けの「卒論執筆パック」のようなキャンペーンも、そうした提案の一つです。カフェ&バー「Gensen Cafe」「THE RYOKAN TOKYO」にあるカフェ&バー「Gensen Cafe」

ーーSNSでも話題になっていましたよね。「温泉で缶詰」って文豪がするイメージだったのですが、我々も原稿や卒論のために気軽にしていいんだ、と驚きました。

経営的な話をすると、旅館って閑散期や平日の稼働率が下がってしまうんです。なので、ただの観光需要をターゲットにすると経営的に厳しくなりますが、それ以外の温泉の新しい使い方を社会に提案したい、と思いまして。私たちの提案がうまくいって新しい温泉の使い方が広まることで、他の旅館さんにも真似してもらえると嬉しいですね。

ーー卒論や原稿作業のための「湯ごもり」って、現代の「湯治」といえるかもしれませんね。

はい。「THE RYOKAN TOKYO」では現代の湯治カルチャーを復活させたい、と思っています。

土地の空気感を表現したい

龍崎翔子さん

ーー今回、龍崎さんに1番に聞いてみたかったのが、単純に「龍崎さんはどんな旅をしているんだろう?」ということなんです。

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