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なんでも食べられることよりも、食べる楽しみを。偏食との付き合い方 by なないお

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前回のエピソード:支援学級か普通学級か。発達障害児の就学、わが家が決め手にしたポイントとは by なないお

食べものの好き嫌いがあるお子さんは多いと思います。

親としてはできるだけいろんなものを食べられるようになってほしい、偏食は治してあげたいと思ってしまいますよね。

発達障害を持っていると、極端な偏食がある場合があります。よく耳にするのが「白いものしか食べない」「どんぶりなどなにかが混ざると食べられない」

これは発達障害の特性である感覚過敏やこだわりなどが影響するようです。

あまりにも極端な場合、健康や成長に影響がでてしまう可能性もあるので、栄養の偏りを防ぐために食べる工夫が必要になってくると思います。

しかし好き嫌いを治すことに躍起になってしまうと、食べること自体が苦痛になってしまいます。そうなると大きな後遺症がでてしまうというお話をしたいと思います。

30年近く拒食と過食を繰り返してきた私

うちの子供たちは発達障害がありますが、なぜか偏食はほとんどなくたいていの物を食べることができます。

実は親の私が子供の頃からかなりの偏食で、アラフィフになった今でも食べられないものがたくさんあります。子供たちをみていると似ているところも多く、私自身も発達障害の特性は多く持っており(未診断です)おそらく味覚過敏があるのではと思っています。

母はそんな私の偏食を治そうと色々がんばってくれたのですが、それがかえって食べること自体を苦痛にし、30年近く拒食と過食を繰り返すようになってしまいました。

小さい頃の私は野菜のほとんどが嫌いで、特に苦手だったにんじん、ピーマン、茄子、辛い物、チーズなどは口に入れることも非常に苦痛でした。

わが家の夕飯は大皿におかずを盛ることがなく、それぞれ小皿に自分のおかずが取り分けられていました。基本、嫌いなものでも一つは自分の小皿に入っており、それを食べるまで許してはもらえない毎日でした。

小学校の5年生ごろ、突然夕食前になるとおなかが痛くなったり頭が痛くなったりと体調を崩すようになりました。自分では夕食がストレスとは全く気付いておらず本当に痛くなるのです。

毎日続く夕食前の体調不良でなにかの病気ではないかとあちこちの病院に連れていかれました。私の体はどこも異常はなく、最終的には大学病院で「おそらく精神的なもの、食事は大皿で好きな物を食べさせてください」ということになりました。

それからは嫌いなものを家で強要されることはなくなり、夕食前の体調不良はぱたっと止まったのですが、その頃から拒食と過食が始まりました。小さい頃から染み付いた食べるのが辛いという感覚をなかなか払拭することが出来なかったのだと思います。

食べられない時期はおなかが空いたという感覚が全くなくなり、夏休みなどは給食もないため一月で10キロ以上体重が落ちてしまいます。思春期でしたのでその時期が過ぎれば反動でかなりの量を食べ一気に太る。痩せているときと太っているときでは20キロの体重差が出ていました。

その当時は時期がくればまた食べられるようになるとあまり深くは考えていなかったのですが、それが大人になっても続き、食べられない時期の体調不良が仕事にも影響がでてしまうためになんとかしなければと、無理やり食べようとしては気持ち悪くなって吐いてしまうを繰り返していました。食べたくないものを食べるのは本当に辛いです。

年をとってから拒食と過食のスパンも徐々に短くなり程度も軽くなってきて、40代に入ってからはほぼ体重も安定しています。

でも実質30年近く「食べること」に苦しんできました。今でも空腹感はあってもなにも食べたくないことが時々あります。

強要で食べられるようになったものはひとつもなかった

今でも、ピーマン、にんじん、辛い物、チーズなどは食べることができません。でも他の野菜はたいていのものが食べられるようになりました。

子供の味覚は大人よりも苦味が強く感じるようになっているらしく、大きくなることで自然と食べられるようになったものも多いです。しかしどうしても食べられないものは、何度練習しても食べられるようにはなりませんでした。辛い物は少量のわさびが食べられるようになったくらいで、中辛のカレーですら一口食べただけで口の中が1時間は痛い状況です。

発達障害に限らず、人の感覚は大きく個人差があります。感覚過敏と呼ばれるものだと慣れることはなかなか難しいのです。野菜の食感が「まるでガラスを食べているようだ」とおっしゃる方もいます。私も食べられないものは匂い味食感、とても食べものとして受け付けられません。

練習や調理の工夫、大きくなって食べられるようになるものはあります。ただ強要で食べられるようになったものは私はひとつもありませんでした。

自分の経験をふまえて、子供たちには好きな物を食べさせて食べることを楽しんでもらいたい!と意気込んでいましたが、出てきた子供は何でも喜んで食べるのでちょっと拍子抜けしております。離乳食だけは二人ともなぜか市販品を一切たべてくれず泣く泣く全て手作りしましたが・・。

なんでも食べられるのはとてもいいことですし羨ましいと思うことも多いです。偏食があると外食でもいろいろ制限ができてしまいます。

食べることは人間の生きる基本です。それを出来るだけ「楽しいもの、気持ちのよいもの」と思えることが「食育」の大前提なのではないかと思います。そこを見失ってしまって長年しんどい思いをしてきました。

私の周りには全く野菜を食べないまま大人になった人が何人かいます。50を越えても大きな病気もせずばりばり働いていらっしゃいますが、今でも全く野菜と名のつく物は食べないそうです。

私よりもずっと健康そうで栄養バランスとはなんだろう・・と時々考えてしまいます。 関連エピソード:子どもの好き嫌いが多い=ダメなママ?子どもの味覚について思うこと by 園田花ヨウ

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著者:なないお

年齢:49歳

子どもの年齢:娘11歳、息子9歳

発達障害を持つ子供たち二人を育てるシングルマザー。乳がんを患い治療中。頭の中をTwitterに垂れ流しながら復活の呪文をとなえています。

娘:明るくスパイシーなアクセル全開系女子。ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群。

息子:おだやかで刺激に弱いダジャレ数学少年。自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)

ブログ【うちの子流~発達障害と生きる】URL:http://nanaio.hatenablog.com/

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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