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アレルギーは命の危機に直結する持病です!誰もが気を付け合える為に

 ネット上で「アレルギー持ちの1歳児が見知らぬ高齢者に手渡されたお菓子でアレルギーを発症した」という事例が大きな話題となっています。以前にもアレルギーやアナフィラキシーショックについて解説していますが、今回の事例を通して再度アレルギーについて考えていきたいと思います。(梓川みいな / 正看護師)

【さらに詳しい元の記事はこちら】

 今回話題となっているのは、卵アレルギーがある1歳の男児に善意のつもりでお菓子(どらやき)を渡し食べさせてしまい、結果アレルギーの症状が出てしまったという事例。

 作家の師走トオルさんの投稿した、
「本日、母親から見えないところで一歳の息子にどらやきを一欠片食べさせた70歳ほどの見知らぬ高齢者の方へ。卵アレルギーの息子はそれから2度噴水のように嘔吐し、今もかゆみと下痢に悩まされております。何卒、アレルギーは簡単に子供を殺せることをご理解ください・・・。」
というツイートが、今回話題の発端となっています。

本日、母親から見えないところで一歳の息子にどらやきを一欠片食べさせた70歳ほどの見知らぬ高齢者の方へ。卵アレルギーの息子はそれから2度噴水のように嘔吐し、今もかゆみと下痢に悩まされております。何卒、アレルギーは簡単に子供を殺せることをご理解ください・・・。

— 師走トオル@ノベルゼロ『無法の弁護人』 (@SiwasuToru) March 6, 2018

 現在は息子さんの症状も落ち着いているそうですが、卵を含む食品を口にしてしまうとアレルギー症状が出てしまうので日々の食事やおやつなどには慎重になっているとのこと。また、このツイートには様々な声が寄せられており、あちこちで議論ともなっています。

 師走さんによると、この出来事は師走さんの奥様の体験。場所は沢山の幼児や高齢者など訪れている、あるコミュニティーセンターでのことでした。目の前で、別の幼児が段差から落ちるアクシデントがあり、ほんのわずか目を離したすきにそれは起こりました。ふと気づくと、息子さんが何かもぐもぐ。どうやら目の前にいた高齢の方が、何かをあげてしまったようす。すぐに何を渡したのか確認したところ、どら焼きを渡された事が判明したという流れだったそうです。

■救急外来にもよく訪れる「親以外に食べ物をもらってアレルギーを起こした子供」

 お菓子を渡した人は全く悪意のない行動であったと思います。よちよち歩きの幼児を見て可愛さのあまり何かあげたくなるというのもよくある事です。しかし、今回の事例では「アレルギーがあった事を知らずに」「善意のつもり」で結果として「重大な症状を引き起こしてしまう原因となった」わけで、悪意や故意による事件ではありません。

 しかし、アレルギーに対する知識や意識が薄いとこの件と同じ問題は何回でも起こりえます。
では少しでもこの様な事故を減らすためにはどうしたら良いのか、リプライでも様々な意見が飛び交っています。

 アレルギーは風邪や骨折とは違い、時間がたてば治るとか慣れれば治るという類のものではありません。小児のアトピーや乳幼児期のアレルギーの中には成長とともに抵抗力がついて症状が出なくなる事もありますが、基本的にはアレルギーがある場合、その原因となるものを除去する必要があります。

 症状の程度も様々ですが、ソバや落花生、サバなどは激しい症状が出る事が非常に多く命にかかわります。それ以外の食物が原因のアレルギーも嘔吐や下痢、発熱、全身の激しい蕁麻疹などで入院治療が必要な状態になる場合もあります。

 筆者の看護師仲間で救急外来に勤務している者がいますが、やはりアレルギーで時間外に来院してくる小児は多くおり、親以外の人から食べ物をもらって症状が出現している子供が実に多いという事です。

■勝手な判断での「慣らすため」は危険

 親自身は子供のアレルギーを把握していたにもかかわらず、親族宅でトイレに行っている間に親以外の人にアレルギーの原因を含むお菓子を与えられたというのも時折みられます。「慣らすために食べさせてみた」という言葉をよく聞きますが、慣らそうとして食べさせては絶対にダメです。アレルギーの治療として経過を良く観察しながら少しずつ原因物質を与える方法は確かにあります。が、それは救命設備の整った病院でアレルギーの専門医が常駐している状態で入院しながら行う方法なので、専門医以外は絶対にやってはいけない方法である事と認識してください。

 食物アレルギーは様々な種類で起こり、一つが原因の場合もあれば複数の食物が原因の場合もあります。そして市販のお菓子や加工食品などには様々なアレルギーの原因物質が含まれていますがアレルギーについての認識が薄いと今回の様な事故に繋がります。

■最近では「アレルギーマーク」の登場も

 見た目ではアレルギーがあるかどうかなんて分からないので、自衛のためにも不特定多数の人がいる場所に自分でアレルギーがある事を申告できない子供などを連れていく時に有効なのが、食物アレルギーがある事を表示するマークを携行する事。

 現在、アレルギーの支援団体は全国に幾つも存在していますが、その中で個人や団体でアレルギーサインの缶バッジや名札プレート、モノや体のどこかに貼れるテープやステッカーなどを販売しているサイトもあります。また、2018年2月には食物アレルギー児向けのおでかけ情報サイトを運営している「アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT」が、アレルギーマークの無償ダウンロードも開始しました。こうした活動はまだまだ周知が行き渡っていないのが現状ですが、自主的にアレルギーがある事を発信していく事は周囲への理解の助けとなります。

 災害時にアレルギー物質を含む食品を口にせざるを得ない状況となる事を防ぐためにも、こうした周囲への分かりやすいアピールは有用と考えます。アレルギー対策がとられた防災食品は少しずつ増えてきています。今後はアレルギーの有無にかかわらずすべての人に行き渡っても安心な備蓄食品に切り替えていっている自治体も増えてきています。

 しかし、個々人のアレルギーに対する意識の改革はまだまだ必要である事が多く、より多くの周知が必要。特にアレルギーに対して馴染みが薄い人にはあまりピンとこない場合もありますが、テレビのワイドショーなど様々な媒体で権威のある教授などが発言する事でより多くの人が納得するのではないでしょうか。

 何気ない善意のつもりが原因となった今回のアレルギー発症の一件は、加害者にも被害者にもならない為のヒントを多く含んでいます。世界中のあちこちに潜んでいると思われる同様の事例がより少なくなる為にも、より多くの周知が必要であると思います。

<記事化協力>
師走トオルさん(@SiwasuToru)

<参考サイト>
一般社団法人エーエルサイン
アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT
アスモスマイル
文具道

<画像>
アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT「アレルギーマーク」プレスリリースより

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