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『メモリーズ・ドント・ダイ』トリー・レーンズ(Album Review)

『メモリーズ・ドント・ダイ』トリー・レーンズ(Album Review)

 2015年のデビュー曲「Say It」が、いきなりHOT100で23位、ラップ・チャート10位、R&Bチャート5位を記録し、2016年に同曲収録のデビュー・アルバム『I Told You』が全米4位のヒットとなったトリー・レーンズ。翌2017年は、本作からの3rdシングル「Luv」が、【第59回グラミー賞】で<最優秀R&Bソング賞>にノミネートされ、その後も「Real Thing」や「I Sip」など、質の高い楽曲を送りだしている。

 本作『メモリーズ・ドント・ダイ』は、前述のデビュー作から1年半振り、通算2作目のスタジオ・アルバム。シンプルなモノクロのジャケットだった前作とは対照的に、パステルカラーの背景をバックに、様々な色の風船が周囲を囲んでいるという、女子力の高いアートにまず目を奪われる。「トリーはいったい、どこに向かうんだ……?」と不安になるようなカバーだが、アルバムのクオリティは前作に負けずとも劣らないので、ご安心を。

 トリー・レーンズの強みは、シンガーとラッパーの二刀流をこなすことができること。例えば、90年代風の「Benevolent」や、ワン・ダイレクションの「You & I」(2014年)がサンプリングされている「Hate to Say」、銃の音が鳴り響くハードコア・ヒップホップ「B.B.W.W x Fake Show」では、本職のラッパーより上手い見事な高速ラップを披露している。

 その一方で、機械的な高音とつぶやくような低音の高低差を利用した「4 Me」や、ハイトーンを効果的に浮き上がらせる「48 Floors」、美しいピアノの音とヘヴィなサウンドが絡み合うネオソウル・チューン「Happiness x Tell Me」など、包容力に溢れたボーカルが十分に引きだされた作品もある。歌っているのは同じアーティストなのに、どうしてここまで声色を変えられるのか……“感心”という言葉では全く足りない。柔らかいボーカル・パートと、攻撃的なラップの二役を見事に使い分けるタイプの「Old Friends x New Foes」も素晴らしいし、独特な息遣いの「Shooters」や、野太い声をトラックに乗せる「Don’t Die」も、トリー・レーンズでしか表現できない。

 フューチャーとコラボしたメロウ・チューン「Real Thing」や、ウィズ・カリファ参加の「Hillside」、同郷のラッパーNavと相性良く掛け合う「Dance for Me」、奇抜なビジュアルで人気を博している女性シンガー=パロマ・フォードと、ラッパーのファボラスが加わった「Connection」等、新旧入り混じったフィーチャリング・ゲストの使い方も見事。スティングの「Shape of My Heart」(1993年)使いのメロウ「Pieces」には、懐かしい50セントの名前も……。

 インパクト抜群のダンスホール調の「Skrt Skrt」や、リゾート感漂うトロピカル・チューン「Hypnotized」など、基本に忠実、超オーソドックスなブラック・ミュージック満載だったデビュー・アルバムにはなかったタイプの楽曲にもチャレンジしていて、バラエティにも富んでいる。好き嫌いは分かれるかもしれないが、“駄作”とは言わせない。

 プロデュースは、キャムロンやロイド・バンクス等の中堅ラッパーを手掛けてきたエイブラハム・オレラナ、ナズ~ミーク・ミルなど実力派の作品に携わるC-Sick、人気アーティストからオファー殺到のベニー・ブランコ、セレーナ・ゴメスやザ・ウィークエンドの作品で人気沸騰中のカシミヤ・キャット、デビュー作『I Told You』にも5曲を提供したハッピー・ペレス等がクレジットされている。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『メモリーズ・ドント・ダイ』
トリー・レーンズ
2018/3/2 RELEASE

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