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自分の目はふし穴。ありがたき他者の視点 『クィア・アイ』

Queer Eye

「ダサい」「ありえない」と容赦なく捨てられていく服や家具。見ている私がダメ出しされている気分になる。うう。

 

顔を隠すように髭や髪を長く伸ばした人。

自分を守るように腕を組む人。

こうあるべきという責任感と罪悪感に苦しむ人。

変えられる立場の人たちは あまりきれいな体型でなかったり シャイで口下手だったり「こうあらねば」ってがんばりすぎて余裕がなくなっていたり。
そのひとりひとりとファブ・ファイブのメンバーが話して、少しずつ心がほぐれていく。

 

身だしなみは自分だけじゃなくて周りの人を大切にすることでもある、と説くエピソードがあった。

自信がないときは「自分を大切にする」ことができない。

自分をケアする気力もないし、自分にはその価値がないと思ってしまう。

でも身だしなみを整えるのは恥ずかしがることじゃない。

 

あなたはここが良いからもっと見えるようにしよう、あなたの体はこういう服のほうがきれいに見える。そうやって元の良さを活かしていく。

似合う色や形の服装は自分の個性を引き立たせる。戸惑いながらも新しい髪型や服装に挑戦する男性を、ファブ・ファイブも友人たちも褒める褒める褒める。

 

台所では簡単に楽しめる料理をする。

長続きしなさそうな ややこしいものじゃなくて、手軽にとりかかれるものを一緒につくって味見して、オレにもできるじゃんって小さな成功体験をさせる。料理の楽しさを知ってほしいんだな、と嬉しそうな料理担当の笑顔を見て思う。

 

部屋は壁の色を塗り替えられたり新しい家具が入ったりもするけれど、同じ部屋なのに こんなに変わるの!って驚きは、同じ人でも髪型や服装次第で印象がずいぶん変わるのと同じでわくわくする。

 

最初こそ服や部屋に辛辣なことを言われるけど、ひとりひとりの個性やその人が大切にしているものは尊重する。

男性の話を聴くファブ・ファイブの表情はとてもやさしい。その慈愛に満ちた頷きを見ていると ぼろぼろ泣けてくる。

 

あなたはこういうところが良い、あなたは目を見てくれるようになったね、話してくれてありがとう、みんなあなたが大好きだよ。

ファブ・ファイブが口にする言葉が私にも染みる。

 

あとは自分でコーディネートしてね、大人なんだから料理くらい自分でしなきゃ、子ども達に自分で片付けることを覚えさせようとか、自主性も重んじる。

 

自分を受け入れること、自信を持つこと、自分ひとりで抱え込まないこと。その過程を観ているこちらがセラピーを受けているような感覚。

自分を好きになるとか自己肯定とか今まであまりピンとこなかったけど、「クィア・アイ」を観て なんとなくこういうことなのかなと思えた。

 

なんで自信を持てないのかな? なんでそう考えているのかな? それ自分の意思かな? そうしなきゃって誰かの価値観を背負い込んでるだけだったりしないかな?

変えられる男性の心情を掘り下げるだけじゃなく、変えに来たファブ・ファイブにも変化が起こる。もちろん観ている私にも。

 

部屋を片付けて、清潔にして、自分の特徴に合う格好をして、自分はここにいていいんだってまずは自分自身に気づかせる。
自分を許すことは自分を甘やかすことじゃない。
卑屈になる必要はない。

否定していた自分を自分でいきなり認めることは難しいから、せめて「クィア・アイ」を通してひとりでも楽な気持ちになれる人が増えるといいな。
 
※Netflixオリジナル作品『クィア・アイ』独占配信中
 
【予告編】

 
【視聴リンク】
https://www.netflix.com/title/80160037

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