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災害時にいち早く通信を 羽田航空基地で行われた第三管区海上保安本部と通信事業者3社合同訓練とは?

近年、大規模地震や集中豪雨などの自然災害が相次ぐ日本では、災害時の通信の重要性がますます高まっている。こうした社会的な要請を受けて、「災害時における通信の確保のための相互協力に関する協定」をもとにした通信キャリア3社(株式会社NTTドコモ、KDDI 株式会社、ソフトバンク株式会社)と海上保安庁との合同訓練が、2017年12月に羽田航空基地内で実施された。


第三管区海上保安本部の羽田航空基地。白い庁舎が青空に映える

訓練は、「第三管区海上保安本部が有するヘリコプターやジェット機による、通信障害復旧のための資器材および対応要員の輸送を検証する」というもの。被災地は陸路からの機材運搬が困難な離島、航空機で可搬型基地局等の通信機材を運ぶという設定で、どう積載するかを検証するというわけだ。

ちなみに可搬型基地局とは、基地局がない場所でも通信を可能にするユニットをセットにした、持ち運び可能な臨時の基地局のこと。今回のような航空機を使用した訓練は第三管区海上保安本部とKDDIでは「初の試み」みとなる。その1日に密着取材した。

「座学」で航空機の輸送ルールと機体について学ぶ

訓練は「座学」からはじまる。KDDIを含む通信キャリア3社の訓練参加者、約40名が勢揃い、羽田航空基地職員から航空機の概要や航空機運用の基礎知識やルール、訓練に使用する2機の説明を受ける。


座学の内容は主に航空機による輸送のルールと訓練に使用する航空機の解説だ

各機体の危険域やドアの寸法、内部のシートポジションや最大積載量などが説明されたが、訓練参加者も初めて知る情報で、「思ったより狭いですね」「なかなか厳しいな」などという声が。真剣にメモを取る音が室内に響く。

ガルフⅤ「うみわし」とスーパーピューマ332「うみたか」登場!

座学が終わったところで格納庫へ移動し、本日使用する機体の見学と機材の搬入へ。固定翼の大型ジェット、ガルフⅤ「うみわし」は、「長距離海難等に対応しており」、各国の政府機関においても重用されている機体である。


ガルフⅤ「うみわし」

回転翼のスーパーピューマ332「うみたか」は、中型のヘリコプターで、洋上における吊上げ救助等に対応している。


スーパーピューマ332「うみたか」

目前に迫る航空機は想像以上に大きく迫力満点。ヘリもジェットも手を伸ばせば触れるほど間近で見られるのだ。


2Fから見たガルフV。後方から見ても、流線形の美しいフォルムに圧倒される

搬入する可搬型基地局の機材はケーブル類、伝送機器、パラボラアンテナなど、3社でほぼ同じ。だが、機材の量や梱包の仕方に違いあって面白い。たとえば、KDDIでは機材を細かく分けており、数は多いが運びやすい。


可搬型基地局設置のために必要な資機材を搬入する。総重量は、約100kgにも及ぶ


こちらが可搬型基地局の組立て前の部品


ちなみに、別のときのものだが組立て後はこのようになる


3社の機材。右からNTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの順に並んでいる

各社の機材チェックを終えたところで、海上保安官から梱包について注意が。というのも、実は航空機内部は、軽量で剛性があるが、集中荷重に弱いハニカムサンドイッチパネルが使用されている。極端に言えば、「ハイヒールでも穴が開く可能性もある」のだそう。そのため、ボルトや出っ張りといった凸部分はすべてクッション材などで梱包しないと、機体を破損する恐れがあるのだ。


海上保安官や航空基地職員に機材の内容を説明し、危険物や不要物がないかチェックを受ける

ほかにも、「ガムテープは水に濡れると剥がれるので、結束バンドがオススメ」「現地の人が見たときに、中身がすぐわかるようにしておくとよい」「エアーキャップを巻くのもよいが、毛布をクッション材に使うと救援時などにも応用できる」などのアドバイスが。

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