『マンハント』ジョン・ウー監督に聞く「福山雅治考案のアクション」「日中韓人気俳優を起用した理由」

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『レッドクリフ』『男たちの挽歌』シリーズの名匠ジョン・ウー監督が、中国人俳優チャン・ハンユーと福山雅治を主演に迎えた、映画『マンハント』。ジョン・ウーらしいハードでスリルあふれるアクションと、ハラハラドキドキな展開が魅力のサスペンスです。

ガジェット通信では、ジョン・ウー監督ご本人にインタビューを敢行。映画について、福山雅治さんのアクションぶりなど色々とお話を伺ってきました。

【ストーリー】
逃げる弁護士。追う刑事。魂の出会い。撃ち抜け、この世界。
実直な国際弁護士ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)が目を覚ますと、女の死体が横たわっていた。現場の状況証拠は彼が犯人だと示しており、突如として殺人事件に巻き込まれてしまう。何者かにハメられたことに気づき逃走するドゥ・チウ。真実こそが正義と信じる刑事の矢村(福山雅治)は独自の捜査で彼を追っていく。鍵を握るのは謎の美女・真由美(チー・ウェイ)。ドゥ・チウに近づくほど、この事件に違和感を覚え次第に見解を変えていく矢村。そしてついにドゥ・チウを捕えた矢村は警察への引き渡しをやめ、共に真実の追及を決意する。身分や国籍を超えた“強く熱い絆”が芽生えた2人の追われながらの真相究明。
果たして事件の裏にはどんな陰謀が隠れているのか。

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――本作で、日中韓の人気俳優をそれぞれ起用した理由を教えてください。

ジョン・ウー監督:私はもともと国際色豊かな作品が好きで、お互いの良いところや仕事の仕方を吸収出来る貴重な機会だと思っています。特に日本の方々の一生懸命仕事に取り組んでいる姿は勉強になりました。私はアメリカでも仕事をしていますが、レベルの高さは変わりません。あと、製作陣には、台湾や香港の方も参加してくださっていて、大変国際的な作品になったことを嬉しく思っています。

私は日本映画が大好きで、日本で映画が撮りたい、日本映画を撮りたいという夢をずっともっていたんですね。なので、長年の夢が叶ったのです。

――映画を拝見した時に「これを日本で撮影したんだ」ととても驚きました。現在の日本には撮影に関する様々な制約があるので。

ジョン・ウー監督:交通量が多く、人の行き来が多い場所で撮影出来ない事が大変でした。でも、ロケ地となった大阪の役所の皆さんが強力なサポートをしてくださり、私たちも話し合いながら臨機応変に対応していました。水上バイクのチェイスシーンがありますが、あれは最初カーチェイスの予定だったのです。しかし、川の上ならば撮影許可がとれたので、変更しました。

そうやって変更して良かったという事もあります。銃について調べている時に、日本の警察は一丁の拳銃に5発しか弾を入れられないという事を知りました。なので、映画の中では弾切れで人の銃を奪うシーンを入れました。また、そのおかげでポスターにある様に、一丁の銃を2人で打つというシーンが撮れたので良かったです。

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――福山雅治さんと、國村隼さんが活躍されていますがお2人の魅力を改めて教えてください。

ジョン・ウー監督:福山さんは親しみやすい方で、会っても友達の様な雰囲気を持つ方です。彼は歌の中でも愛や平和など人類にむけたメッセージを綴っているので、彼が演じた刑事は原作の中では冷たい男ですが、それとは違う優しさを持ったキャラクターを演じてもらいました。そして、オファーを出したら、脚本を読む前なのにすぐにOKを出してくださったんです。

國村さんは25年来の友人です。映画『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』(1992年)に友情出演してくださったんです。今回もまた撮影でご一緒できて感無量でした。

――福山さんはかなりのアクションに挑戦していますね。

ジョン・ウー監督:素晴らしかったです。刀のシーンは福山さんからの提案で、非常に上手に使いこなしていましたね。

――全編にわたって大迫力のアクションシーンが散りばめられていますが、監督が「人対人」のアクションにこだわっている理由はなぜですか?

ジョン・ウー監督:アクションのためのアクションでは無くて、アクションを通じて、色々なストーリー、感情を表現出来ると思います。アクションをミュージカルの様に美しく撮る事が出来ると僕は思っているのです。アクションを行っている俳優さん、スタントマンさんに敬意を持っていて、世間のバレエダンサーと同じくらい、敬意を持つべき職業だと思っています。

――そんな監督のアクションシーンに影響を受けているクリエイターさんはたくさんいると思います。

ジョン・ウー監督:観客をひきつけるストーリー展開がまず大切だと思います。そして、エンディングになるとスカッとした気持ちになること。今回の映画を撮影した時、ヒッチコックのスタイルを取り入れたいと思っていました。自分の無実の罪をはらす為に、様々な困難を乗り越えていく部分をヒッチコックの名作から学びました。

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――本作、ジョン・ウー監督作品初となる女性の殺し屋が登場しますが、女性ならではのアクションシーンで工夫した点はどんな事でしょうか?

ジョン・ウー監督:女性のアクションシーンは初めてでしたが、最初から自信があったんです。よく「ジョン・ウーは男性しか撮れない」と言われていますが、今回出来ることを見せつけられたかなと(笑)。脚本にも助けられましたし、役者の方も素晴らしい演技をしてくれました。女性を撮る時も男性を撮る時と同じ様に、まずは演技。その次にアクションにこだわろうと、女性ならではのかっこいいカメラアングルを心がけています。

『マンハント』2月9日(金)より公開!
主演:チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン
友情出演:國村隼
特別出演:竹中直人、倉田保昭、斎藤工
共演:アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO、トクナガクニハル、矢島健一、田中圭、ジョーナカムラ、吉沢悠
監督:ジョン・ウー
撮影監督:石坂拓郎『るろうに剣心』、美術監督:種田陽平『三度目の殺人』、音楽:岩代太郎『レッドクリフ』、アクション振付:園村健介『GANTZ』、衣装デザイン:小川久美子『キル・ビル』 
原作 西村寿行『君よ憤怒の河を渉れ』/徳間書店刊 および 株式会社KADOKAWAの同名映画

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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