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「理想の人は、自然に出会った人!」の罠 by ぱぷりこ

「理想の人は、自然に出会った人!」の罠 by ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』ぱぷりこです。よく婚活・恋活相談を受ける時、私は「ゆるふわ言葉と形容詞は爆破せよ!」と主張しています。なぜなら、考えているようで何も考えていないから。

特に「どんな人が好みなの?」「どういう人と恋愛して結婚したいの?」という質問への答えは、ゆるふわ言葉と形容詞のオンパレードになりがち。

本連載では、「どんな人が好み?」への回答によく見られる「あいまい・ゆるふわ表現の罠」を分析します。

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本日のゆるふわ表現「自然に出会った人」

「自然に出会った人と付き合って結婚したい」

婚活や恋活が普及した現在でも、「自然に出会った人と結婚したい」という出会いオーガニック信仰は根強いです。確かに、「不自然な出会い」よりは「自然な出会い」のほうが、語感がいいし、無農薬さがあふれていて健康によさそうだし、大自然の息吹を感じながらサスティナブルな共生社会を築いていけそうです。

自然に出会った人

= 受け身の自分に「恥ずかしくない恋愛」を提供する人

しかし「自然」とはだいぶ曖昧な言葉です。「自然に出会う」とは具体的にどのようなことでしょうか?

「えー普通の人と同じだよー。職場の人とかと出会って3年ぐらい付き合って、プロポーズされて結婚したい」

「婚活アプリとか怖いし、出会いを人に言えないのは嫌だから、自然な出会いがいいな」

「うーん、正直、婚活とかしてる人って、普通に出会えなかった負け組って感じがするから拒否感がある。他の友だちはみんな自然に出会ってるから、私も自然な出会いがいい」

注意深く見てみると、「自然な出会い」という1つの言葉の中に、自分の「理想の恋愛条件」をがっつりと盛り込んでいることがわかります。

まず、出会い方に条件があります。「職場や学校など同じコミュニティ内での出会い」「友人の紹介」といった、いわゆる「昔からある出会い方」に限定しています。

このように出会い方を限定しているのは「望ましくない出会い方」を想定しているからです。ここでいう「不自然な出会い」とは、恋活や婚活といった行動です。よって「恋活・婚活など”自然でない出会い”はイヤだ」という条件が追加されます。

なぜ「不自然な出会い」がイヤなのでしょうか? 実際にやってみてイヤな思いをしたことがあるからイヤだ、というならわかるのですが、「不自然な出会いがイヤ」と言っている人はそもそも婚活や恋活をしたことがない人が多いです。

「やったことがないけどイヤだ」という背景には「婚活や恋活は恥ずかしい」「恋愛できない人間がしょうがなくやるもので、仲間に入りたくない」「他の人と違う出会い方はしたくない」という願望があります。

ここから、「自分が考える”普通の恋愛”から外れたくない」という条件も浮かび上がります。

さらにさらに、「女の自分が受け身でいられる」という条件も盛り込まれていることがあります。「婚活・恋活がイヤだ」という人は「普通でない出会い方がイヤだ」というだけでなく「自分から動きたくない、受け身でいたい」という願望を持っていることが多いのです。

「普通の恋愛」を「婚活や恋活といった恥ずかしい出会い方ではなく、誰にでも言えるきちんとした出会い方をして、告白されて、プロポーズされて、結婚」といった「昔の少女マンガみたいな恋愛パターン」と考えている場合、「女の自分が受け身でいられる」という条件が付加されます。

受け身の自分に

理想の恋愛を提供する人を求めると陥りがちな

このように、「自然に出会った人」を「受け身の自分に、恥ずかしくない恋愛=理想の恋愛を提供する人」」という意味で使っている場合、下記の罠に陥る可能性があります。

・ずっと出会いがない

・出会える人数が減る

・出会っても付き合えない

・「結婚したいな」と思いつつ数年が経過する

・周りが結婚するのを見て焦り、闇落ちしやすくなる

「自然な出会い」を求める人がかかる罠の共通点は「恋愛が始まる可能性をみずからつぶしにかかっている」ことです。

まず「出会い方」に条件をつける時点で、出会える絶対数が確実に減ります。

これはメーカーが「うちは自分の商品を絶対にオンラインでは売らない。店舗販売のみに絞る」と言うことと似ています。流通経路を絞ることにより明確なメリットがあるならともかく、もしかしたらオンライン顧客のほうに商品にマッチする顧客がいる可能性だってあります。絞るメリットがないのに販路を絞るのは合理的ではありません。

それは恋愛でも同じです。恋愛では、出会い方よりも「自分にマッチングするかどうか」が圧倒的に重要です。出会い方を絞って出会う数を減らすメリットはありません。

かつ、「受け身の自分を口説いてくれる人」となると、さらに候補者が減ります。今は男性も女性も受け身なので、ひと昔前のように「口説くのは男性の役割」とぶん投げていると、いつまで経っても恋愛が進展しません。

受け身でも黙っていても男性から告白されるモテ体質ならともかく、「自然な出会い」を求める人の多くは特にモテるタイプではありません。このタイプが「受け身の自分を口説いてくれる人が普通の人」と思って待っていると、あっというまに数年が吹き飛ぶことがままあります。

数年が経過すると、さらに罠が待ち構えています。「自然な出会いがいい、普通の出会いがいい」と考える人は、「他人と違う」ことを嫌います。周囲の友人たちが結婚しているのに自分は結婚していない、となると焦り、「なんで自分は彼女たちのようにできないんだ」と自己嫌悪におちいります。

しかし、出会い方や恋愛の始め方に条件が多すぎるので、やはり恋愛を始められず、さらに周りと自分を比較して落ち込み、闇落ちする危険が高まります。

結論:自然にしていて出会えているかどうか、現実を見よう

「自然に出会った人がいい」というゆるふわ言葉の恐ろしいところは、「恋愛に対する条件が多すぎるため、難易度が高いにもかかわらず、本人が無自覚なので状況が改善されにくい」ことです。

「自然な出会い」というと難易度がそれほど高いようには見えませんが、実際は、出会い方にも口説かれ方にも条件があります。しかも「自分から動いたり努力をしなくてもいい」という条件もあります。

つまりは「私を理想のやり方でおもてなしして恋愛を提供して」と言っていることと同じなのですが、「自然な出会いがいい」という人は自分がそこまで自分がおもてなしされたがりだとは自覚していません。

そのため問題点を見つけられず、状況も改善しないまま数年が経過……という恐ろしい罠にはまりやすくなります。

罠にはまるのを防ぐには、自分の「自然な状態での出会い」をきっちり見直す必要があります。

自分が望む「自然な出会い」と、「実際に生活していて出会いがあるかどうか」はまったくの別物です。普通に生活していて、「自然な出会い」と呼べる出会いが十分にあるなら「自然な出会いがいい」という条件をつけていてもいいでしょう。

しかし、「自然な出会い」と呼べる出会いがないなら、「自然な出会いがいい」というゆるふわ表現は捨てて、「理想の出会い方ができる人がいない」と現実に即した表現に変えましょう。

そのうえで「このまま理想の出会い方をする人を待つ」か、「自分の生活ややり方を変える」「理想を変える」か、選択をすればいいと思います。

ゆるふわ表現を使っていると、現実を見つめることができにくくなります。

自分が「自然に出会った人がいい」という言葉にどれだけの条件を詰め込んでいるか、自分の現状で「自然な出会い」を見つけられるのか、きっちり棚卸しすることをオススメします。 前回の記事:「理想の人は、情熱的に口説いてくれる人!」の罠 by ぱぷりこ

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著者:ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』を書くインターネットの妖精&外資OL。恋愛市場で観測した百鬼夜行を供養中。チャームポイントは筆圧。

ブログ:『妖怪男ウォッチ』

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Twitter:https://twitter.com/papupapuriko?lang=ja

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