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RIZE、日本武道館で20周年の爆雷を鳴らす

結成20周年を迎えているRIZEが、12月20日、単独としては自己初となる日本武道館公演を開催した。数多くの所縁深いゲストを随所に交えつつ、過去さまざまな時代の楽曲を網羅しながら展開されたこの夜のライブは、アンコールも含めて全29曲、約2時間半にも及んだ。
12月20日@日本武道館 (okmusic UP's)

ひとつ強調しておきたいのは、今回の公演がいわゆるアニヴァーサリー・ライブではありつつも、歴史の総括ばかりに焦点が絞られたものではなく、あくまで現在進行形であり続けているRIZEの“今”が軸になっていたということだ。オープニングに据えられたのが“帰ってきたサンダーボルト”だという事実がまず象徴的だった。去る9月にリリースされた最新アルバム『THUNDERBOLT〜帰ってきたサンダーボルト〜』の幕開けを飾っていたこの楽曲は、いわゆるバンド・サウンドを伴わないJESSE(Vo.)の独演によるもの。20年の紆余曲折を経ての、改めての所信表明のようでもあるこの曲で彼が場内のすべての視線を集めるなか、メンバーたちは配置につき、曲が着地に至った次の瞬間、研ぎ澄まされたシンプルなリフを繰り出す。なんと2000年に世に放たれた彼らのデビュー・アルバム、『ROOKEY』に収録されていた「MUSIC」だ(同時にこの曲は彼らの3rdシングルでもある)。双方の楽曲の誕生時期には17年以上もの開きがあるはずなのに、そこに妙な温度差は感じられない。しかも彼らは過剰に成熟ぶりを見せつけようとするのではなく、むしろ本質的には何も変わっていないこと、デビュー当時から“今”に通ずるものを追求していたのだということを、無言のうちにその演奏ぶりから伝えていた。炎をふんだんに用いながら3曲目の「Light Your Fire」が炸裂する頃には、スタンディング形式のフロアのみならず、武道館全体が極上の熱を伴った一体感に包まれていた。

バンドのこれまでの歴史を彩ってきたさまざまな楽曲が連射されるなか、ライブ中盤では、かつて彼らがコラボレーションを果たしてきた同志たちを続けざまにステージに招きながら、掟破りともいえる競演が次々と実現。市原隼人との「LAUGH IT OUT」、Def Techとの「VIBRATION」、ラッパ我リヤとの「Break your self」、そしてZeebraとの「I CAN’T LIVE WITHOUT MY RADIO」。この曲はかつてRIZEとZEEBRAが、全国のFMラジオ局による“ラジオの良さを見直そう”といった意図のキャンペーン実施に伴い共作し、電波の上でしか聴くことができなかった幻のチューン。しかも両者は同キャンペーンの目玉企画として行なわれた『FM FESTIVAL 01』のステージでこの曲を共演している。それが2001年12月25日、同じ日本武道館でのことだった。そもそもRIZEの結成自体の発端が、1997年にこの場所で行なわれた新宿LOFTの20周年記念ライブのステージにJESSEと金子ノブアキ(Dr.)が立ったことにある。この武道館という場所は、実はこれまでにもそうしたRIZEにとっての重要局面を見守ってきたのだ。

豪華ゲストとのコラボレーションはまだまだ終わらず、FIRE BALLを招きながらまさかの新曲を初披露したかと思えば、E.D.O.との共演による“火事と喧嘩は江戸の華”も炸裂。そうした躍動感あふれる展開のなかで、JESSEがアコースティック・ギターを奏でながら歌った“missing you”のせつなさも心に染みた。しかもその場で彼は、再婚と男児誕生をステージ上から報告。場内はそれまでの熱気とは違った温かな空気に包まれた。「heiwa」を歌った際に彼が口にした「何が良くて何が良くないのかなんてわかんない。子供たちにはもっとわかんない。だから、手助けしたい」という言葉には、デビュー当時の彼にはなかった父親の視線が感じられた。加えて、盟友Pay money To my Painに対する「俺たちを強くしてくれたのはP.T.P。あいつらを背負って一生、生きていく」といった彼の心情吐露には、観る者の心を揺さぶるものがあった。

ライブ本編の締め括りを飾ったのは、初期からの看板曲のひとつである“カミナリ”。この曲ではJESSEがオーディエンスのなかから指名してラップ・パートを歌わせることが恒例になっているが、武道館という会場では「ステージから自分が下りることも、水を撒くことも、客席から誰かをステージに上げることも厳禁」であるとのことで、彼はそうした規制に対する鬱憤を口にしつつも「今日は俺が歌わしてもらうぜ!」と言って、まさしく元祖によるオリジナル・ヴァージョンを披露。ライブハウスでのRIZEをずっと見慣れてきたファンにとっては、むしろもそれも新鮮だったに違いない。

その後、メンバーたちが去ったステージの左右の花道には計18本もののぼりが立ち、まるで相撲場所のごとき様相に。最後に登場したのはP.T.Pのもので、それを立てに現れたのは他ならぬ同バンドのメンバーたち。これまた心温まる場面だった。そしてアンコールに応えて登場した彼らが「Get the Mic」で観衆をひとつに束ねると、続いては多くの人たちにとってこのバンドを知る切っ掛けとなったはずの「Why I’m Me」が爆裂。この曲の冒頭には「3 years ago/やると決めたぜ」という歌詞があるが、JESSEはこの夜、その部分を「20 years ago」と変えて歌っていた。20年前にやると決めたことを、現在のRIZEは有言実行できているのである。そして最後の最後に演奏されたのは「NAME」。激情の洪水のごとき時間の流れの最後に据えられたこの曲の力で、場内にはピースフルな空気が充満し、笑顔が伝染した。

ステージを去る間際、JESSEはRio(Gt.)、KenKen(Ba.)、そして20年間ずっと歩みを共にしてきた金子ノブアキに感謝の言葉を述べ、さらにはファンやスタッフにも謝意を表し、「俺ら、一生この旗を下げるつもりはねえからよ!ついてきてくれ!」と宣言。次の瞬間「ありがとう!」の声が発されると同時に大量の銀テープが宙を舞い、この記念すべき祭りの夜は幕を閉じた。こうして20年前の約束を果たしたRIZEは、未来を約束しながら武道館のステージを降りた。そんな彼らの“次”の一歩を楽しみにしていたいところである。

text by 増田勇一

Photo by RIZE IS BACK OFFICIAL

【セットリスト 】

01. 帰ってきたサンダーボルト

02. MUSIC

03. Light Your Fire

04. Good Day

05. NOTORIOUS

06. ONE SHOT

07. ZERO

08. KAMI

09. ピンクスパイダー

10. LAUGH IT OUT (GUEST:市原隼人)

11. JAPONICAN

12. VIBRATION (GUEST:Def Tech)

13. Break your self (GUEST:ラッパ我リヤ)

14. I CAN’T LIVE WITHOUT MY RADIO (GUEST:Zeebra)

15. 新曲 (GUEST:FIRE BALL)

16. SILVER

17. TKC

18. 火事と喧嘩は江戸の華 (GUEST:E.D.O.)

19. missing you

20. In or Out

21. heiwa

22. Stand Up

23. PARTY HOUSE

24. 日本刀

25. Gun Shot

26. カミナリ

EN1. Get the Mic

EN2. Why I’m Me

EN3. NAME
 (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's) (okmusic UP's)

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