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【住む街ガイド】小説『笑う警官』の舞台・札幌は、多彩な表情を持つ平和な街だった

小説『笑う警官』『警察庁から来た男』(佐々木譲・著)の舞台・札幌。都会であり大自然も広がる多彩な表情が描かれる平和な街で、彼らの息づかいを感じてみた笑う警官 佐々木譲・著 741円 角川春樹事務所

笑う警官
佐々木譲・著 741円 角川春樹事務所警察庁から来た男 佐々木譲・著 679円 角川春樹事務所

警察庁から来た男
佐々木譲・著 679円 角川春樹事務所『笑う警官』『警察庁から来た男』のあらすじ

警察組織の不祥事を内から暴く痛快シリーズの2作。
容疑者と目されたかつての相棒・津久井巡査部長。潔白を証明したい警部補の佐伯が、仲間とともに事件の真相を追う道警シリーズ第一段『笑う警官』。
シリーズ第二段の『警察庁から来た男』では第一段に登場する面々に警察庁から来たキャリア監察官の藤川が加わり、新しい事件の真相に迫る。チームの一体感、読ませる展開にぐっとくること間違いなし!ただの観光地じゃない! 都会*自然が生んだ住みよい街

碁盤の目のように規則正しく区画された街並み。札幌市街の道は実にわかりやすい。JR札幌駅南口を下り、駅前通りを真っ直ぐ進めば大通公園だ。佐々木譲による「道警シリーズ」ではこの札幌を舞台に、主人公の警部補率いる有志チームと腐敗した警察組織内部のスリリングな攻防が描かれた。

シリーズ第一作である『笑う警官』では序盤から中盤にかけて棋譜を読むように淡々とストーリーが進み、実際に起きた事件をベースにした物語であることを強調、緊迫感を増幅させた。

そしてクライマックスでは道警本部や北海道議会議事堂など実在する場所を舞台に敵味方入り乱れ、情報が錯綜するスピード感あふれる展開に……。実際にその場を訪れると、狭いエリア内で物語が展開されていたことがわかる。一秒、数mの攻防を想像し、思わず手に汗が滲んだ。

道外に住む者にとって札幌と言えば、大通公園周辺やススキノなどの都市部・繁華街を想像しがちだが、これほど多彩でコントラスト豊かな表情を持つ街は日本の地方都市で他に例がない。大都市圏周辺の住宅街には約195万人が暮らし、市の西部・南部には支笏洞爺国立公園をはじめとする北海道ならではの大自然が広がっている。

暮らしやすいだけでなく、いかにも小説や映画の舞台に適したロケーションだ。紛れもない豪雪地帯だが、それも札幌が持つ表情の一つであり、「さっぽろ雪まつり」など大雪を逆手に取った名物を生み出した。作中では事件が勃発するが、実際はいたって平和な街である。観光名所でもあり札幌の街のシンボルのひとつ、時計台 観光名所でもあり札幌の街のシンボルのひとつ、時計台札幌駅周辺のスポットMAP 札幌駅周辺のスポットMAP小説に登場するスポットを歩いてみよう!スポット①:大通公園大通公園。札幌市街を東西に走る「大通」の車線中央を公園とした憩いのスペースだ 大通公園。札幌市街を東西に走る「大通」の車線中央を公園とした憩いのスペースだ大通公園は官公庁街に近いことから作中にも度々登場する

大通公園は官公庁街に近いことから作中にも度々登場する

大通公園は道路とビル群に囲まれた都市のど真ん中にありながら、約4700本もの樹木と花壇、芝生によって緑豊かに彩られ、四季の変化を感じられるのが魅力。「さっぽろ雪まつり」など季節ごとに開催されるイベントの会場になることでも有名だ。

●住所:北海道札幌市中央区大通西7丁目
●アクセス:地下鉄東西線・南北線・東豊線大通駅から徒歩1分スポット②:狸小路商店街狸小路というのは札幌の古くからの庶民的な商店街

狸小路というのは札幌の古くからの庶民的な商店街商店街のそこかしこでマスコットの狸を見つけることができる 商店街のそこかしこでマスコットの狸を見つけることができる「狸小路」と命名された起源は不明だとか

「狸小路」と命名された起源は不明だとか

約200軒もの店舗が軒を連ねる札幌市最古の全蓋アーケード付き商店街。アーケードは西1~7丁目まで約900mにも及ぶ。『笑う警官』の中では商店街の外れにある寂れた雑居ビル(架空)に、主人公達が集まる秘密本部が置かれた。駅前通に近い東側から商店街に入る今風の店舗が目立ち、「こんなにぎやかな場所に秘密本部?」と思うが、西に行くほど徐々に鄙びた雰囲気になり、昔ながらの商店街といった景色に……。

●住所:北海道札幌市中央区南2・3条西 1~7丁目
●アクセス:市電都心線狸小路駅から徒歩1分スポット③:幌平橋アーチ橋部分からは眼下を流れる豊平川周辺の景色を眺められる幌平橋

アーチ橋部分からは眼下を流れる豊平川周辺の景色を眺められる幌平橋橋の上に橋があるようにも見える不思議なビジュアルの建造物だ

橋の上に橋があるようにも見える不思議なビジュアルの建造物だ

橋の上に橋があるようにも見える不思議なビジュアルの幌平橋。『警察庁から来た男』では、佐伯の名推理が幌平橋の上で繰り広げられた。作品では車内で推理が行われたが、考えごとをするにふさわしく静かで見晴らしのいい橋だ。

●住所:北海道札幌市中央区南15条西4丁目
●アクセス:地下鉄南北線幌平橋から徒歩1分札幌をますます好きになる イチオシスポット札幌 新倉屋狸小路にある甘味処、新倉屋。懐かしい喫茶で作品に思いを馳せよう

狸小路にある甘味処、新倉屋。懐かしい喫茶で作品に思いを馳せようもちもちの食感がおいしい「くるみ餅」

もちもちの食感がおいしい「くるみ餅」

狸小路商店街6丁目にある甘味処。1階がお菓子販売コーナー、2階は昭和な雰囲気漂う喫茶店になっていて、「花園だんご」をはじめとする和・洋菓子などが食べられる。地元民御用達の落ち着いた雰囲気は、打ち合わせしたり、作戦を立てたりするのにもピッタリ!?

●住所:北海道札幌市中央区南2条西6丁目 狸小路6丁目北
●アクセス:都心線狸小路駅から徒歩5分
●TEL:011-281-5191
●営業時間:9:00~19:30
●定休日:なし
●URL:http://www.niikuraya.co.jp/札幌の暮らしやすさについて

札幌駅周辺は緑も多く、少し歩けば狸小路商店街やそのほか商業施設などが立ち並ぶ都心的エリアへとつながる。大通公園は幅広い世代の男女が集まる憩いの場となっている。規則正しく区画された道は、土地勘がなくてもすぐに覚えることができるので便利。食事やお酒にも事欠かないエリアなので、住みよい街といえるだろう。

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文=田端邦彦(アクストリー)
写真=古本麻由未
イラスト=さとうみゆき

※「CHINTAI2017年9月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
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