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「デジゲー博2017レポート」個人ゲームクリエイターの評価経済としてのVALU ひさしApp氏インタビュー

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インディーゲームやスマートフォンでのアプリ製作など、個人でも活躍できる場が隆盛していることで数多くのクリエイターが参入していることは、App StoreやSteamで日々膨大にリリースされるコンテンツ群を眺めればよくわかるだろう。

しかしこれほど多くのクリエイターが市場に参入している現実が見える一方、では実際にどのようにして制作したコンテンツを広め、マネタイズをして生活していくのかといった現状の分析や戦略的な方法は、実はそれほど知られてはいない。

こうした現実について個人クリエイターでありながらも、クリエイターとして活動し続けることに関してを支援や知見を広める活動を行う人物は少なからずいる。たとえば『Back in 1995』で知られる一條貴彰氏はインディーゲームクリエイターだけではなく、各所でどう個人クリエイターが制作を続けていけるかの発言や活動を続けている。もうひとりはアプリ制作者でありつつ、個人クリエイターをとりまく状況について深い分析を行っているひさしApp氏である。Kindleにていかに個人クリエイターが自作で生活していくかの知見を実体験からまとめた書籍を出版し、高い評価を得ている。

今回はデジゲー博2017にて自著を販売していたいたひさしApp氏にインタビューさせていただいた。個人クリエイターがいかに生きていくかという内容を、昨今話題となっているSNSサービスVALUを中心にして紹介する。
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ひさしApp氏(画像はVALUより)

スマートフォン向け自作ゲーム開発者。Twitterアカウントの名前に「分析好き」とも記しているように、その分析力と実践力は学生時代から発揮される。ネットとコミケの傾向を分析し、半年で壁サークル化に成功。Flashゲームで出店する。その後、Webゲーム会社、コンソールゲーム会社、ソーシャルゲーム会社を経て独立。それらの実体験からKindleにて『自作ゲーライフ』シリーズなどの電子書籍を出版。

その実践的な内容は高い評価を得て、今年6月にはKindleで出版していた『自作ゲーライフ』に書き下ろしを加えた書籍版『バカ売れアプリ生活』が出版される。今回のデジゲー博では代表作の『自作ゲーライフ』に加え、新作として『Bitcoinライフ』を販売。こちらは個人クリエイターにとってのビットコインや、昨今話題となったVALUについての内容をまとめている。

 
 
―出版された作品を見ると、かなり早い段階で個人クリエイターがどう生き残るかを自覚的に考えて行動している印象があります。

ひさしApp氏(以下、敬称略):
私もその本の執筆など色々やっちゃってるんですけど、最初からそれで生活できるようになったわけではないんですよ。兼業でやりながら、受託をやりながらシフトしていったという経緯をあの本に書いています。

 
―今は専業で生活している?

ひさしApp:
専業でもありつつ、本を書いたりもしています。そこでいろんな出会いがあり、ご縁が広がって一緒にやらせていただいたりとか。まだわからないですけど VALUや仮想通貨っていうのも出てきてるのでその辺も追いつつ、(個人クリエイターとしては)どんなふうに生活スタイルを変えていくのがいいのかなーって言いながら模索している途中です。

 
―個人クリエイターがどうやって生活しているのか?という疑問を言語化している点は興味深かったです。また、昨今で話題となっているVALUなどを個人クリエイターがどう使うのかというのも気になっていまして。

ひさしApp:
VALUに関しては実体験に基づいて、現実的なお話の他にやっぱりSNSなのでコミュニケーションを重視しています。 VALUってビットコインなのでお金に裏打ちされたものが動くんですけども、SNSとしてコミュニケーションする側面があることで心と心って言うか、気持ちの交流があるんですよね。それをないがしろにしてお金で見てしまうとうまくいかない。というよりも、交流することを気にした方が楽しくなるっていう話もしています。

 
―VALUに関しては個人の株式というよりも、どちらかと言うとコミュニケーションツールとして利用している形でしょうか。

ひさしApp:
そうですね。それでまた出会いはもちろんですけども、リアルでオフ会に何回も参加する機会を得たり、場合によってそこで出会った人とコラボレーションすることもあります。というのも、VALUは繋がりが結構深いのでそうしたことがやりやすいと思います。

ただ逆に落とし穴って言うか、矛盾点としてはVALUって簡単に説明すると一人一人を株にしますよね。 株っていうのは投機とかトレードなど、要は心があまり絡まない状態でお金を動かす行為です。でもクリエイター支援っていうのは全く真逆なので、お金と交流の矛盾があり、それをどうにか超えていくところではあるんですよね。

―クラウドファンディングなどが個人クリエイターや企画への気持ちに近い支援の方法だと思うのですが、VALUはそのあたりの出資者との距離感はいかがでしょうか。最近ではYouTuberのヒカル氏が事件を起こしたというのもありました。

ひさしApp:
(ヒカル氏の事件について)あれは(投機やトレードとしての)お金への思いが高まって、ちょっと許せないと思う人が出てきたのが一因としてあると思います。VALUで結構繋がりが深くなるけれど、例えば炎上や、自分が安く売られるみたいなことへのショックというか。

 
―VALUで個人の価値がはっきりと金銭として現れるのはかなりきついものがありそうですね…

ひさしApp:
VALUを利用している漫画家の鈴木みそさんがマンガにされたりしていたんですけども、要は自分が投げ売りされるというか…クリエイターの人は自分を本質的には高く見てもらいたいはずなので、それ前提でやれるかどうかっていうのは人によって若干向き不向きがあるので、時代の追いつき具合などが必要だと思いますね。

 
―『Bitcoinライフ』には興味深い見出しが数多く並んでいますね。中でも「VALUはなぜ社会復帰システムと言えるのか?」という見出しには意外性を感じるというか。

ひさしApp:
これはVALUで起きている現実社会から見た逆転現象として、例えば低賃金ってよく言われるアニメーターの人などが、VALU内ではお金をもらいやすいんですね。支援としてわかりやすい対象として。もしかすると投機対象として見られてるかもしれないんですけども。面白い結論としてはアニメーターが富豪化して他の人のVALU を買うっていう、普通の社会からみたら逆転現象が起きてるというのが評価経済的に面白いと言うか、ここは特筆しても良いという点だと思います。

 
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「Bitcoinライフ」紹介 ひさしAPP氏がVALUを半年ほどやってみて、100人を超えるVALUER(自分の株主。ちなみに著名人である堀江貴文氏がおよそ140人、鈴木みそ氏がおよそ130人)をいかに維持しているかをまとめたほか、ビットコインを分析し1日100万円を超える収益を得るまでを自分の実体験から綴った書籍。

―ここまでのお話を伺っていても、やはり状況分析が巧みですね。

ひさしApp:
私自身はそれで普通の生活ができているかな…くらいなのであまり偉そうなことは言えないんですが、いきなり「大富豪の人がパトロンになる」みたいな夢の話よりは、いろいろやってその中で自分に合った生き方やマネタイズを見つけていくのがいいかな、と思って書いてます。

 
―これからの方向としても状況分析をしつつ自作ゲームを作り続けるということを考えていらっしゃるのでしょうか。

ひさしApp:
そうですね、それもちょっとやりつつというのと、あとこれは完全に個人的な話なんですけども、私はノウハウ(の公開)とかセミナーとかをやって、結構ガチトークって言うか自分の中のものをさらけ出しちゃって、それによってつまり私が私であることの優位性は結構なくなっちゃうっていうところとのせめぎ合いをしながら次どう動こうかなっていうところがあるので、色々その辺も考えながら作りたいものとか発信したいものを作っていきたいと考えてます。

 
―これだけの分析ができるとその他にコンサルなどの展開も行ってるのでしょうか。

ひさしApp:
それはすでに行っていますね。本を書いてから個人や法人問わず20人近くの人にお話をいただいて、幸いなことにその次の仕事に繋がりそうな話をいただいています。基本的にはとにかくやってみよう!ということが多いです。

 
―本日はありがとうございました。

ひさしApp氏のKindle出版作品はこちら。
VALUのページはこちら。

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