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和室は都会の非日常!? 仕事モードをOFFにできる和室暮らしを取材してみた

四六時中神経を張り詰めて接客を行う彼には自分のスイッチを完全OFFにできる空間が必要だった

プロフィール

名前=ヨシダアキヒロさん
職業=美容師
居住形態=1人
居住地=東京都
和室の広さ=6畳・4.5畳
築年数=40年
間取り=3K
家賃=14万円
建物=8階建てRCマンション職場は気を抜けない戦場。常に最高のパフォーマンスを

引き戸を開けると、亀がいた。広大な畳の上を揚々と、けっこうな速度で歩いている。飼い主のヨシダさんによると、これは「固定観念を超えた亀」とのこと……ちょっと不思議なことを言う。

ヨシダさんの職業は美容師。都内にある大手美容室に勤めた後、晴れて独立し、長年の夢だった自身のヘアサロン「PiNCH HAIR」をオープンした。完全個室制で新規来店は紹介か口コミのみ、24時間年中無休という、こだわりの店だ。内装も個性的で、テーマは「ボタニカル」。

壁という壁を蔦が這い、観葉植物に溢れた癒やしの空間となっている。実は店のテーマはもう一つあって、それが「亀」。自宅にいた亀はただ飼っているのではなく、店のキャラクターでもあったのだ。

「美容やデザイン、インテリアなどへの感度が高い方に好評をいただいています。お客様には、いつも100%の感動を持ち帰っていただくのが私のポリシー。そのためには私自身が常に最高のパフォーマンスを発揮できる状態でいる必要があると考えます」

愛亀ジャニーにとっても10畳を超える和室はさぞ快適な空間になっていることだろう

彼にとって職場は少しも気を抜けない、いわば戦いの場。その代わり、職場以外で仕事のことは考えない。オンとオフをはっきり切り替えることで集中力を高める。オフの時間を作ることのできる空間こそが和室だった。

この部屋に引っ越してきたのは約2年前。美容師としてもう一歩前進するためには心機一転し、周囲の環境をガラッと変えるべきと感じていた時だ。それまで住んでいた洋室の対極にあり、オンオフの切り替えをより明確にできる空間。

日常生活では出合わない風景であることも大切だった。それら全ての条件を満たせる空間は、もはや和室しかない。都心で生活していると、畳の上を歩く機会など
まずないからだ。

彼の実家が畳敷きだったのも、和室を選んだ理由の一つ。「自宅に畳があるだけで、物事をシンプルに考えていた子どもの頃の気持ちに戻ることができました」と語る。転居がもたらした効果は想像以上だったようだ。

いくつも物件を内見した後、この部屋に決めたのは「部屋の雰囲気と窓から見える風景が合っていたから」。歴史を経て飴色になった柱や畳の存在、窓から見えるレトロな景色が、都会にいることを忘れさせてくれた。

襖を取り払ったことで畳のスペースが10畳以上に蛍光灯はDIYでオレンジ色に塗っている

入居後、手を加えたのは襖を取り去り、広々した一つの空間にしたこと。インテリアは部屋本来のテイストを活かしシンプルに仕立てつつも、よく見るとちゃぶ台や波形の鏡、レトロなカプセルトイなど、個性的なアイテムが並ぶ。

蛍光灯は自身でオレンジ色に塗り、カーテンレールにはカーテンの代わりにペンダントライトがぶら下げてあった。和室に多肉植物の鉢植えを置く発想も斬新だ。

「ヘアアーティストの仕事には、誰も思いつかないような、新しいアイデアを生み出すことが求められます。そのためにはインスピレーションを高め、あらゆる固定観念を取り払うことが大切。なので和室だからこうあるべき、という考えは排除し、直感的に好きな物だけを置くようにしました」

和室だから古くさい、というのも固定観念。それならかっこいい和室を作ればいい、というのがヨシダ流の発想だ。

自分で塗装した照明のオレンジ色の光がなじむ

実は前述の亀も、同じ考えのもとに育てられている。彼によると、水槽の中で、人工の餌を与え育てた亀は、人間が望む亀の姿にしか育たない。

自由に歩かせ、自然由来の食べ物を与えることで、亀が本来あるべき姿に育つという。ユニークな考え方だが、居心地の良い和空間と健やかに育つ亀を見ると、不思議な説得力があった。

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文=田端邦彦
写真=阿部昌也

※「CHINTAI首都圏版2017年2月2日号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています。
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