ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

「やりたいことが見つからない…」そんな中で、私はこうして“未経験”の世界へ飛び込んだ――初代日本女子プロボクシングバンタム級王者・吉田実代の仕事論

──では吉田さんにとってボクシングとは?

ひと言で言うと生きがいですね。自分のすべてを懸けて、全力で取り組めるもの。生きていく上での希望でもあります。f:id:kashiemi:20171107141504j:plain

中学卒業後、ひとり暮らし

──なぜ格闘技の世界に飛び込んだのか。これまでの歩みを教えてください。中学・高校生の頃はどんな生徒でしたか?

ひと言でいうとやんちゃでしたね。と言っても悪いことをしてたわけじゃないですよ(笑)。鹿児島の中学を卒業後は通信制の高校で勉強しつつひたすら働いていました。親が経営する会社で事務仕事を手伝ったり、バーでアルバイトしたり。

──なぜ普通の高校に行かなかったのですか?

中学の頃から一刻も早く自立したいと思っていたからです。そのためにはお金が必要だから、すでに中学時代からお金を貯めていました。もっとお金を稼ぐために中学を卒業したら働きたいと思っていたので、高校に行こうという気も起きなくて。

親には頼りたくなかったんですよね。自分の夢が見つかった時、反対されたらお金を出してもらえないから。でも自分で貯めたお金なら誰にも文句を言われずにやりたいことができますよね。そういう思いがすごくありました。精神的にも自立しようと、中学卒業後はマンションでひとり暮らしをしていました。

やりたいことで自立したいとは思っていたのですが、その肝心のやりたいことがなかなか見つからなくて。ダンスはずっとやっていたのですが、これは違うなと。このままの人生じゃ嫌だな、自分を変えたい、全力で打ち込むものがほしいと悶々としていました。

20歳でハワイに格闘技留学

──格闘技の世界に飛び込んだきっかけは?

このままぬるま湯のような生活は絶対嫌だと思って、とにかく20歳になったら誰も自分を知らない海外に1人で行こうと決めたんです。それでやりたいことをインターネット検索していたある日、「ハワイでの格闘技留学」が目に止まりました。その瞬間、これだ!と思ったんです。それまでの格闘技なんて一度もやったことなかったんですけどね。

──なぜ格闘技未経験なのにやってみたいと?

中学時代ソフトボールをやっててスポーツが好きだったのと、兄が総合格闘技をやってたり、私自身もK-1などが好きでよく見ていたので、格闘技は割と身近な存在だったんです。

──ではこれという決定的な出来事があったわけでもなく?

そうですね。直感ですね。f:id:kashiemi:20171107141525j:plain

──いきなりの海外で不安はなかったですか?

むしろ東京だと知り合いが多いので、本気で打ち込みたいことが見つかったとしても、甘えが生じてまた流されるかもしれない、そうなったらそれまでの人生と同じだから海外の方がいいと思って、海外留学も視野に入れていたんです。英語は喋れなかったのですが、ハワイなら1人でも大丈夫だろうと思って、20歳の時にハワイに渡って、HMCという、多くのプロ格闘家を輩出しているジムに格闘技留学したんです。

──習っていた格闘技は?

HMCは総合、柔術、ボクシング、キックボクシングなど、いろんな格闘技を教えるジムだったのですが、私はキックボクシングを習いました。

実際にやってみるとすごく楽しくてずっとやりたいと思ったし、ジムのトレーナーからも素質があると褒められました。

──どういう点が楽しかったのですか?

サンドバックを蹴ったり打ったり、スパーリングをしたりと練習そのものが全部楽しかったです。身体一つで相手と戦うことにも魅力を感じました。

今までソフトボールやダンスなどいろいろやってきましたが、キックボクシングは時間があっという間に過ぎて、一番夢中になれましたね。

留学期間は3ヶ月間だったのですがかなり早いスピードで上達したと思います。すでにこの時点で格闘家として生きていきたいと思いました。そんなある日、ジムの会長が今、日本で格闘技が流行ってると教えてくれたので帰国したらプロの格闘家になろうと決意したんです。f:id:kashiemi:20171107141551j:plain

初めてのリングはキックボクシング

──帰国後は?

上京してキックボクシングの名門であるTARGETジムに入門して、まずはアマチュアのキックボクサーとして活動を開始しました。このジムでも才能あるかもしれないと認められたので、いけるかもと思っていました。

──初めてキックボクシングの試合のリングに上がった時はどんな感じでしたか?

興行主が自分が所属していたジムだったので、そういう意味でのプレッシャーはありましたが、戦うこと自体に関しては緊張や恐怖感はなかったですね。

試合に勝った時はもちろんうれしかったし、やっぱりこの世界は自分に向いてる、結構上まで目指せるかもと思いました。

総合格闘技でプロデビュー

──その後、アマチュアの試合では計4戦して、3勝(1KO)1敗。その翌年(2009年)、総合格闘技の名門・マッハ道場に移籍して、3ヵ月後に女子総合格闘技の試合に出場しています。これがプロデビューとなったわけですが、キックボクシングじゃなくて総合格闘技でプロデビューした理由は?

そのままキックボクシングでプロになってもよかったんですが、それより先にたまたま総合格闘技のマッハ道場からからプロデビューの話が来たというだけです。マッハ道場からでもキックボクシングの試合に出られますしね。特に総合格闘技の方をやりたかったというわけではないんですよ。

──パンチとキックしかないキックボクシングとそれらに加えて投げも関節も寝技もある総合格闘技って全然違いますよね。戦ってみてどうでしたか?

全然違いましたね。時間がなかったので総合の戦い方を必死に覚えましたが3ヶ月ではいかんともしがたくて。特に難しかったのが寝技です。デビュー戦ではマウントを取っても何もできなくて判定で負けちゃいました。寝技があると判定でなかなか勝てないんですよ。総合はやはり寝技がうまくないとダメで、柔道やアマレスの経験がないからきつかったですね。

──プロとアマの違いという意味ではどうでしたか?

アマチュアの試合は安全重視でヘッドギアやすね当てなどの防具も装着しなきゃいけないし、グローブも大きいのですが、プロはもちろん防具なし、グローブも小さくて軽いので同じ競技でも全く別物ですね。私はヘッドギアがあると相手が見えづらくて攻撃しにくいし、グローブが大きいと威力も半減するので、プロの試合の方が戦いやすいし、向いていると思っていました。

総合格闘技でプロデビューを果たした吉田さん。しかし彼女は総合格闘技の世界で絶頂期を迎えながら、突然「引退」をしてしまいます。次回はその背景や心境に迫ります。乞うご期待!

文・撮影(試合):山下久猛 撮影:守谷美峰 協力:EBISU K’s BOX

関連記事リンク(外部サイト)

「この人誰だっけ?」という時に、デキる人は“田中角栄式”を使っていた!
楽ちんなのにオシャレ!おススメ通勤スニーカー4選
狙うのは時代の「半歩先」、1歩先では遠すぎるんです。ーー訪日客に人気「お寺ステイ」の仕掛け人に聞く

前のページ 1 2
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

山寺宏一&高木渉で『ポプテピピック』

GetNews girl / GetNews boy