ランボルギーニ限定モデル210万円のimpecは果たして値段に見合った商品なのか
昨年のツール・ド・フランスを見事に制したカデル・エヴァンスが駆ったマシンimpec。
スイスに専用の機械を設けて作っているBMCが本気を注いだ一台です。
そんなimpecがタイトル通りスポーツカーで名だたるランボルギーニから限定モデルが発売されることになりました。
限定カラーということもあり、その価格は210万円。
でも待てよ。
impecってそんなに高かったけ?
という疑問を抱いたのでパーツ構成を調べてみました。
まずBMCから一般発売されているimpecの仕様はこちらです。
今回ランボルギーニから発売されるものはシマノのデュラエースDi2がついた一番左の高いモデルですね。
これだけで価格は115万円です。
ですが写真を見比べてみるとわかりますが、目立ったところではホイールがまず大きく異なります。
通常のimpecはこちら
イーストンのパーツを使い仕上げられており、ホイールはアップチャージ無しのデフォルトでEC90SL クリンチャーモデルが採用されています。
ですがランボルギーニimpecには
真っ黒なヌードカーボン仕様でリムハイトも38mmのEC90SLに比べてちょっとだけ高いものとなっています。
さらにこちらの写真を見てみましょう。
見る人が見れば分かります。 この質感。 マヴィックのコスミックカーボンです。
エアロスポークを採用しており、スポークの組み方、カーボンの質感から言ってもマヴィックのコスミックカーボンを限定カラーで作成したことが伺えます。
ですがここで出てくるのはコスミックカーボンの種類です。
現在コスミックカーボンは
コスミックカーボン 80
コスミックカーボン アルチメイト
コスミックカーボン SLR
コスミックカーボン SR
コスミック
コスミックカーボン SL
とややこしいことに6種類存在します。
そこで特徴をそれぞれ見比べた結果、
・ハイトは50mm相当
・スポークはエアロだが、アルチメイト用のハブ近くが膨らんでいるものではない。
・ブレーキ面はアルミではなくカーボン。
・ハブの形状がSR SLR アルチメイトの3タイプに採用されているもの。
SRはブレーキ面がアルミ
アルチメイトはスポークの形状とハイトが40mmと違いがある。
以上のことからコスミックカーボンSLRと思えます。
こちらのホイールは283500円です。
これは通常のimpecに52500円のアップチャージで変更が可能なホイールです。
また細部をみた結果、ステムの形状はimpecに採用されている特徴的な形をしたイーストンのEC90がそのまま採用されており、
サドルもまたフィジークのアリオネと通常のimpecと同様であり、シートポストもBMCオリジナルシートポストです。
ハンドルも恐らく同様にイーストンのEC90SLXが採用されているものと思われます。
調べてみるとサドル、ハンドル、ハイプロファイルカーボンリムホイールはハンドメイドのオリジナルと訳されているサイトを見かけましたが、
このサドルはどうみてもフィジークのアリオネですし、ホイールはマヴィックのコスミックカーボンSLRです。
つまりオリジナルなのは全体的にカラーリングだけであり、パーツは既存のimpecとまったく一緒です。
日本円にするとパーツ構成は120万7500円です。
ですが今回の味噌はオリジナルカラーで各パーツを作らせたというところでしょうか。
限定カラーを少量生産で作るにはお金もかかるので、その分が30万相当上乗せされるとしましょう。
残った60万円はランボルギーニというブランド名に対する代金です。
どちらにせよ、このバイクは実際に乗るためのものではなく、お金持ち向けの観賞用の床の間バイクです。
これを買う人はお金持ちなので、60万ぐらいはした金だと使える方ではないでしょうか。
でもフェラーリ協力でフェラーリ独自カーボン提供して作ったコルナゴのCF8(180万円)に比べたら独自感がものすごく薄い一台な気がします。
開発には一切携わっていないランボルギーニがランボルギーニの名を冠したバイクをこれみよがしに出すのは疑問に思うわけです。
やっていることは3万円のフェラーリとかハマーとかランボルギーニって書いてあるだけのメイド イン 胡散臭い国のどこかで作られた自転車とまったく一緒です。
メルセデス・ベンツもスコットと協力しFOILという傑作フレームを出しました。
どうせやるなら技術提供をした一台を出して欲しいな と心から思います。
あと販売が自転車のプロショップではなく、ランボルギーニのカーディーラーというのは如何なものかと。
アフターサービスやポジション出しはどうなるのか。 飾る自転車とはいえそれぐらいはしていただきたいです。
まぁ、買えませんけど
※この記事はGAGAZINEさんよりご寄稿いただいたものです
ウェブサイト: http://gaagle.jp/gagazine/
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