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やったことないことが出来るところへ行ってみる。「CASH」デザイナー河原香奈子の仕事観|株式会社バンク 河原香奈子

2017年6月にリリースし、初日に3億円以上が現金化され話題となった手持ちのアイテムが現金に変わるアプリ「CASH」。デザインを手掛けた株式会社バンクの河原さんに、これまでのキャリアとデザイナーとしての仕事観についてお話をお伺いしました。

 

デザイナーとして最初のキャリアは、出版社からスタート。

――本日はよろしくお願いいたします。河原さんは、もともと大学でWebデザインを学ばれていらっしゃたのでしょうか。

そうです。情報デザイン学科というところで、広い意味でのサービスのデザインを学んでいました。当時はまだ世の中にスマートフォンも無かったんですけど、「未来はこういうデバイスが出てくるだろう」という想像で、色々なサービスの企画を作ったりしてました。

株式会社バンク 河原香奈子さん(デザイナー) 

 

――想像のデバイスでサービスデザイン、とても面白そうです。卒業後は、出版社へご就職されたとお伺いしました。最初の就職先として、出版社のデザイナーを選択されたのはどうしてでしょうか。

その出版社が出している書籍がすごく好きだったんです。当時、その出版社ではこれからは紙だけじゃなく、Webマガジンも展開していきたいということで、新しく部署を作る話があり、自分の好きな領域で新しいことができるのは面白そうだなと思って入社しました。出版社時代はデザイナーが社内に私一人で、自由度も高くてすごく勉強になりました。ただ、数年経過したときに「もっといろいろなものを作り、表現の幅を広げたい」と思って、それが経験できるWeb制作会社に転職しました。

 

――制作会社では、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

Webデザインの仕事なのですが、クライアントさんの業種は幅広かったですね。そこでは基本的に1人1案件担当するんですけど、企業の担当者の方とミーティング、見積書の作成、納品、請求まで1人で全部やっていましたね。単純に降りてきた仕事をするのではなくて、お金のことも含めて一連の流れを経験できたのは良かったです。

 

――デザイナーの方が一連の業務をご担当されるのは珍しいですね。出版社時代とは、どのような点に一番違いを感じられましたか。

そうですね。出版社では自社のサービスだったので、ある程度自由に自分の裁量でできることが多かったですね。制作会社では、クライアントさんがいるので信頼関係を築くことをすごく大事にしていました。例えば、レスポンスを素早くすることなどですね。信頼関係を築くために、社会人3年目の私でもできることはなんだろうって思って。最善のアウトプットをするのは当然なんですけど、レスポンスを早くすることはスキル関係なくできるので、そういう努力をしていました。

 

「STORES.jp」の世界観に感動し、株式会社ブラケットへ入社。

――制作会社を経て、「STORES.jp」を運営する株式会社ブラケットへご入社されたんですよね。どのような理由があったのでしょうか。

制作会社に3年ほど在籍し一通りの流れを経験できてきたので、そろそろ新しいことに挑戦したいなと思っていたんです。あと、その制作会社ではクライアントワークだけじゃなく、自社でメディアを運営していたりイベントの開催もしていたのですね。そこで、自分たちでつくることの面白さを感じていて、サービスを根本の部分から作って、どんどん育てていくことをしたいなと考えていました。そのときにちょうど「STORES.jp」というサービスが出てきて、すごく感動したんです。デザインもそうですし、目指している世界観にも。見ていて、とにかくわくわくしたんです。「どういう人が作っているんだろう?」と思い、まずは話を聞きにいって、そのまま入社しました。

※「STORES.jp」は、最短2分で誰でも簡単にオンラインストアががつくれるWebサービス。

 

――「STORES.jp」の世界観に惹かれてご入社されたのですね。制作会社から、スタートアップの事業会社と新しい環境でのチャレンジに不安はなかったですか。

それは、かなりありました!私は7人目の社員で、サービスのローンチのときには外部のデザイナーさんにお願いしていたので、デザイナーの社員は私が1人目でした。それなのに、まずどのようにに仕事を進めたらいいのか分からなくて、戸惑ってしまいましたね。クライアントさんがいる場合は、最終的にクライアントさんが「OKです」と言ってくれればそれで終わりじゃないですか。でも、サービスって終わりも完成もなくて、「これがOKというのは誰がどういう風に決定するんだろう?」というところから、全然分からない状態でしたね。

 

――そこからデザイナーとして成長されるには、どのようなご経験があったのでしょうか。

何かものすごく「これで成長できた」という経験があるわけではないんですけれど、ありがたいことに4年弱ぐらい「STORES.jp」に携わることができ、その成長の過程を見続けることができました。そこまで、長い時間をかけてひとつのサービスに携われることって貴重なんじゃないかなと思います。振り返ると、色々と学びがありますね。

「どう打ち返すか」が制作会社の面白さ。「育てる」が事業会社で身につく力。

――制作会社と事業会社の両方のご経験が今の河原さんを形成されているものだと思うのですが、身につけられる力の違いはどのようなところにありますか。

あくまで私個人の話になりますが、制作会社だと色々作れる楽しみはありますね。自分の好き嫌いや得手不得手に関わらず、とにかくあらゆるジャンルの仕事ができます。そこに対して、自分なりにどう打ち返すかが面白さだと感じていましたね。デザイナーとしては、表現の幅や仕事のスピード感が身につけられたと思っています。

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