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管理入院中に同室になったちょっと困った妊婦さん。私はただ安静に過ごしたい…

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私は双子を妊娠し、5ヶ月から生産期1日目で出産するまで大部屋で入院していました。入院中は妊娠中期、後期、出産直前、産後と4回部屋が変わったのですが、一番初めの部屋にいた時、ちょっと迷惑な妊婦さんと同室になりました。

よく妊娠雑誌に『入院中に同室になったお母さんと仲良くなって、子供が大きくなっても一緒に遊んでいます!』と書いてあるのを読んでいましたが、私が入院していた病院は大きな総合病院。

生死がかかわるシビアな病気な方が多く、それで精一杯なためか、お互い仲良く話をするなんてほぼありませんでした。

みんなベッドのカーテンを締め切り、その日1日の検査の予定をこなす・・・そんな感じです。私もベッドのカーテンを締め切り、その中で読書をしたりインターネットをしたりして、マイペースに過ごしていました。

幸い「寂しい!人と話したい!」という欲求もなかったので、上げ膳据え膳、毎日エコー検査と1日3回の心音確認で双子の無事がわかる生活というのは、家でやきもきしているよりもずっと安心感がありました。 関連記事:切迫早産で約90日の入院生活。大部屋で生活を共にした妊婦さんたちと励ましあった

私が入院して1週間後、向かいのベッドに新しい入院患者さんが来ました。看護師さんがいなくなった後、私のベッドの外で「すいませ〜ん」と声をかけてくるのでカーテンを開けると同い年くらいで人懐っこいような印象の女性・Aさんが立っていました。

回診はどういうものなのか?シャワー浴は何時からなのか?など聞かれ、(確かにここの病院説明が足りないからな・・・)と思いつつ、知っている範囲でお話ししました。

するといつの間にか雑談へと発展。出身地、赤ちゃんの様子、なぜ入院したのかなど、結構デリケートな話にまで及んできます。

私は特に秘密にしたいこともなかったので、入院は双子特有の病気が発症しそうなので経過観察中なのと聞かれるまま答えていましたが、どうやら出身地が同じ地方内だったということに親しみが持たれたらしく「友達になろうね!」と携帯番号を交換することになってしまいました。まあ携帯番号を交換したからといって、時々メールするだけだろうと思い、その時は深く考えていませんでした。

Aさんは人と話したいタイプのようで、シーンとしていた病棟内で声がすると思ったら、必ずAさん。どうやら他の患者さんにも話しかけているようです。洗面所で一緒になった時に声をかけるようなのですが、私のベッドに来て、「個室の人と仲良くなったんだけど、個室見せてくれるって!一緒に行こう!」と誘われました。(えぇ・・・あんまり興味ないな・・・)と思ったので、体がだるいから寝ていると断ると悲しそうな顔をされました。

やがてAさんは、産後のお母さん部屋にも入り込み、「赤ちゃん抱っこしてもらった〜」とニコニコ。一緒に行こうよと言われても、人の赤ちゃんを抱っこするのは怖いし、そもそも産後のお母さんは忙しいから遠慮した方がいいのでは?と思い断り続けました。私も適当に合わせれば良かったのかもしれませんが、あまりにも断り続けたからか、Aさんがその夜爆発しました。 関連記事:切迫早産で緊急入院。3週間の入院生活で感じたメリット、デメリット

消灯した後、私の携帯が光りました。見るとAさんからのメール。向かいのベッドにいるのにメール・・・しかもなぜ消灯直後に・・・と思いつつ見てみると長文でした。要約すると『自分と仲良くする気はあるのか?カーテン閉めっぱなしはやめろ』との事でした。

これは面倒なことになったなと思い、『入院しているからなるべく安静に過ごしたい。読みたい本もあるので、そっちばかりになってあまり出歩いていないけれど、声をかけてくれることは感謝している』というように返しました。するとカーテンがガバッと開き、みると号泣するAさんが立っています。えぇ!!とびっくりです。

「知らない土地に引っ越してきて、みんな言葉が違うし寂しくて!〇〇〇ちゃんは同郷でしょ?(正確には同じ地方なだけで違います)仲良くしてよ〜」と。

落ち着いて落ち着いて、となだめていると、やがて話が変わっていき「私、まだ妊娠初期なのに妊娠高血圧になっちゃって・・・赤ちゃん死んじゃったらどうしよう!」とますます涙が止まりません。

私だけでは手が負えないと看護師さんを呼び、二人で対応すると、私のことがどうとかよりも、彼女はともかく赤ちゃんが心配で心配で・・・なにかあったらどうしようという恐怖でテンションがおかしくなってしまった様でした。

その夜は私は先に寝かせてもらいましたが、看護師さんが夜中までAさんの話を優しく聞いては慰め続けてくれました。そのおかげかAさんも少し落ち着いたようでした。

それからのAさんはあいからず友達の輪を広げて過ごしていましたが、私は以前のように誘われることも少なくなり、平和が戻ったとちょっとホッとしていました。Aさんはその後2週間ほどで退院したのですが、退院時に「今陣痛室にいるお母さんに産後の赤ちゃんを抱かせてもらうって約束したから、彼女が産み終わるまで退院しません!」と言って、本当に粘り、実際に抱っこしてから退院しました。

やはりちょっと変わった人だったなと思った次第です。

彼女の退院後連絡は取っていませんが、無事元気な赤ちゃんを出産されているといいなと思います。

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著者:シオモミ

年齢:36歳

子どもの年齢:3歳1か月の双子

一卵性双子男児の育児にあたふた過ごしていたものの、幼稚園というゴールが見えてきて気持ちが軽くなっている。好きなものはマンガ、映画、本、アニメ、お酒。この一杯のために生きている系で、家にビールサーバーを置くのが夢。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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