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[劔樹人さん&犬山紙子さん夫婦対談 第1回目]「育児をしてみて、どうですか?」フリーランス夫婦、ツーオペ育児の悲喜交々

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2014年に結婚、2017年1月に女の子を出産した犬山紙子さんと劔樹人さん。今年6月には、「私、子ども欲しいかもしれない。妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました」(平凡社)、「今日も妻のくつ下は-片方ない-妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)を同じタイミングで出版しました。第1回目は、子育てリアル体験で感じたこと、育児、家事、仕事の役割分担などについてお話を伺いました。

妻の手足口病で地獄を見た!ツーオペ夫婦の盲点

――――犬山さんはご自身の妊娠中に、著書「私、子ども欲しいかもしれない。妊娠・出産・育児の“どうしよう”をとことん考えてみました」で、妊娠から育児までのさまざまなケースを綿密に取材されていましたが、実際に育児をやってみてどうですか?

犬山紙子(以下犬山):想像していたより精神的にはラクですね。うちはフリーランス夫婦なので、夫と私とツーオペで育児・家事をこなしているというのもありますが。でも、体力的な面では、先日地獄を見ました。正確には私ではなく夫なのですが。

劔樹人(以下劔):子どもがかかった手足口病に彼女が感染しちゃったんです。一方が体調を崩すともう一方が育児も家事も病人の世話も仕事も何もかもこなさなきゃいけない…。

子どもも保育園にいけないし、あのときは正直、病気になった方がマシなんじゃないかと思いましたね。それくらい辛かった。でも、ワンオペで頑張っているお母さん達は病気になっても逃げ場がないんですよね。普通の体力、気力じゃ無理ですよ。僕は彼女が倒れて、育児の本当の大変さを実感しました。

犬山:でも、感染を完全に防ぐって無理だってわかりまして。そもそも潜伏期間がある病気が多いし、今うちの子どもは、顔面に「ブーッ!」って唾噴射遊びにハマってるんですよ。マスクしても奪いとってやるんです。こんなん、いくら除菌したって無理ゲーですよ(笑)。

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:防護服着てお世話しなくちゃいけない。

犬山:子どもの病気を防ぎたくても防げないという状況。子どもが3歳くらいになるまではその葛藤と戦い続けるのかな…。

――――育児、家事の割合は、出産前に想定していたイメージと変わりましたか?

犬山:出産前は私と夫の役割分担をシステマチックに割り振りするイメージだったのですが、お互い仕事が不定期だし、地方に行くことも多いので、自然とツーオペになりました。あと、やってみたら子育ては想像以上に面白い!

:主夫として家事を担当してきたので、育児もできないことはないようにしたいなと思っていたんですよ。むしろ彼女ができないことがあって僕の方ができる。それで優位に立ちたいという気持ちがあった。

犬山:あ、でも、お風呂は夫担当ですね。私の手が小さいせいか、つるつる滑るので「この子溺れさせちゃう!」と本気でビビってしまって。でも最近は首も座って腰もしっかりしてきたので私もやらないと。

:「今度やってるとこ見せてね」とか言うんですけど、いざ「やるよ」って言うと「ちょっと寝る」とか言って全然見てくれない。

犬山:「今が休めるチャンス!」って寝ちゃうんですよ。

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:お風呂も試行錯誤の末、何の準備をしないでも服のまま適当に連れてって風呂場で脱がせて入れるというやり方を開発したのですが、そろそろダメかな。育児ってパターンに慣れた頃に次のステージがやってくる。風呂もそろそろ新方式を考えないと…。寝かしつけもこの間まで腕枕抱っこで寝てくれていたのにもうダメ。

犬山:私は沿い乳で寝かしつけできるけど、夫の場合は通用しないですね。

:非常に拒絶されますね。もう。何していいかわからない。

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犬山:これからマットを敷いて、危険防止の柵をつけて、そしてコーナークッションを家具の角に貼る…。インテリアの見栄えは全て台無しになりますね(笑)。

円満家族のためにコミュニケーションは怠らない

――――ツーオペを維持するために気をつけていることはありますか?

:僕は育児でも家事でもそのままなんとなくやってしまう方なのですが、彼女は凄く慎重なタイプ。「石橋をそんなに叩くか?」というくらい叩きまくりますね。妊娠中から、潜在意識レベルで刷り込まれていました。「私がこういう感情になるときはこんな状態だから仕方ないと思えとか」。

犬山:産後クライシスについて夫に説明したんです(笑)。結婚する前から「赤すぐみんなの体験記」を見て脳内で育児シミュレーションとかしていたので、妊娠が判ってからは常に夫の先回りをして策を講じるというか…。

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:僕の育児へ関わり度合いもパラメーターで決めていたよね。1日のこれくらいの量を…とか。

犬山:ゲーマーなのでつい割り振っちゃうんです(笑)

:しかも、僕が言わないことまで聞き出そうとする。その執拗さも凄いんです。

犬山:家族という形を続けるとなるとコミュニケーションをする努力が必要だと思うんですよね。「自分はこれだけやるから、あなたもこれを担当してほしい」というのも、ちゃんと口にしないと相手に伝わらない。相手に遠慮して言いたいことが言えない状況が続くと、お互いの心が離れ、修復が難しくなると思うんです。そのための努力が、執拗だと受け取られてしまった(笑)。

:元々、僕は会社員時代、上司にも報告できないタイプだったので、仲良くする努力って不自然のような事にように思ったけれど、良好な関係を築くためには必要なことだと思うようになりました。彼女の執拗さのおかげですね。

劔 樹人 つるぎ みきと

漫画家、主夫、ミュージシャン。新潟県出身。「神聖かまってちゃん」のマネージャーとして活躍。著書に「あの頃。男子かしまし物語」(イースト・プレス)「高校生のブルース」(太田出版)、「今日も妻のくつ下は-片方ない-妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)など。

犬山紙子 いぬやま かみこ

イラストエッセイスト、作家、タレント。2011年トホホな生態を持つ美女たちを描いた「負け美女」(マガジンハウス)で作家デビュー。雑誌連載のほか、テレビやラジオのコメンテーターなどマルチに活躍中。著書「言ってはいけないクソバイス」、「私、子ども欲しいかもしれない。妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました」(平凡社)など。

※プロフィールは記事掲載時点の情報です。

イラスト/劔 樹人 編集/綱川晶子 写真/西邑泰和

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