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”産後創業”で自分らしいキャリアを築く女性たちに、「働き方改革」のヒントを聞いてみた

 

昨年8月に発足した第2次安倍内閣で「働き方改革担当大臣」という新ポストができて以来、「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになりました。その大きな目的は「経済再生」です。人口の減少に伴って労働力が減る上に、育児や介護で労働現場から必要な人材が流出してしまうことが課題とされ、共働き世帯も当たり前となってきた昨今では、あわせて女性の働き方にも注目が集まっています。

 

新入社員で、男女関係なく同じタイミングでキャリアのスタートを切ったはずなのに、途中で発生する“クエスト”は、女性の方が多くあります。しかも、自身のキャリアと切っても切り離せない関係にあるのがポイントです。

 

結婚ひとつとっても、「共働き」「専業主婦」どちらを選ぶのか、結婚したらしたで、子どもは「生む」のか「生まない」のか、さらに、「生む」としたらいつなのか、それが自分の昇進時期とかぶったらどうするのか、などなど。

 

圧倒的に男性社員より選択肢が多いのが事実ですから、悩む回数も多くなりますよね。

 

そんな中、アパレルやコスメなどのブランドを、しかも産後に立ち上げた女性たち4人が合同で展示販売会を開くというので、一体どうしてその働き方を選んだのか、女性の働き方改革に何かヒントはないか、お話をうかがってきました。

 

4人に共通しているのが、皆「元会社員」であること。これは、「もう、やってられるかー!」 という事態があって、会社を辞めてきたのかもしれない、結局働き方改革なんて進まないのでは? と、邪推たっぷりにお邪魔しましたが、見えてきたのは「女性が働きづらい会社」は、他の社員にとっても働きづらい会社なのでは? ということでした。

 

 

ファッションブランド「Ayuwa(アユワ)」 代表 渡部雪絵さん

金融機関や報道機関で忙しく働く中、コーディネート不要で、一枚でサラッと着られるワンピースにとても助けられました。やっぱり、忙しくてもオシャレは忘れたくないですよね。機能的でエレガンスなワンピースを提案するブランドとして、昨年春にリリースしました。

 

シューズブランド「lelys*(ルリス)」 代表 豊島愛華さん

ずっと営業職をしてきて、私自身も営業支援で創業しました。長年外回りをする中で、歩きやすくてオシャレな靴をずっとずっと探していたのですが、本当に、ずっと巡り合えなかったんです。だから、営業職女性としての自分の理想を、靴に全部詰めました。

 

コスメブランド「Bio Medi(ビオ メディ)」 代表 岡本鏡子さん

化粧品メーカーで、8年に渡って企画立案から製造、販売まで携わってきました。出産後に時短勤務をしていたのですが、本当に自分が作りたかった商品を育てていきたいと思い、退職して昨年の夏に、思い切って起業しました。

 

バッグブランド「Riz Crutch(リズ クラッチ)」 代表 小野梨奈さん

私は、女性向けのウェブメディアを運営する会社で、編集の仕事をしていました。その後独立し、フリーランスで働くお母さんに役立つメディア「Rhythmoon(リズムーン)」の運営を初めて11年になります。長く編集の仕事をしていると、ペンやメモ帳、ボイスレコーダーなど、こまごましたものを持ち歩くことが本当に多くて。編集者やライター目線でお仕事用バッグを作りました。

 

そして、このイベントのPRを担当されている井上千絵さんも、産後に独立し事業を開始されたとのことで、お話を聞かせていただきました。

 

_聞けば皆さん、小さいお子さんがいらっしゃるのだとか?

 

豊島:はい。実は皆、産後にブランドを立ち上げたんです。私は、lelys*(ルリス)の立ち上げと自分の出産がちょうどかぶっていました。

 

_お子さんと一緒にブランドも生んだわけですね! 育児をしながらブランドをスタートするのは大変だったんじゃないですか?

 

豊島:そうですね、大変じゃなかったとは言いませんが、「生み出す」という意味では、どちらも私にとってはとても大事なことです。子どもを授かりながら仕事を続けたり、育児をしながら商談に向かうなどしてきましたが、どんな点が大変なのか、やっぱり男性経営者には分からないじゃないですか。ダメという意味ではなく、こればっかりは経験できないから仕方ないと思います。今、息子は10ヶ月になりますが、私がこうして体験を積んでいるところなので、働きながら子どもを産み育てることについてなら「こんな準備をしておいたらいいよ」等、だいたい答えられますよ! 

 

_自らが実験台になってロールモデルを作っているのですね。岡本さんは、会社で産休・育休、時短制度を使っての勤務経験がおありなんですよね?

 

岡本:はい、でも時間が短くなったから仕事も減ったかというと、実は仕事量は変わらなかったんですよ。となると、短い時間の中で終わらせようと工夫するじゃないですか。ところが勤務時間は短いから、仕事量は変わらないのに給料が減るんです。それで、勤めることに夢を見い出せず、辞めていく人は多かったように思います。

 

_岡本さんも、それで独立されたんですか?

 

岡本:それも理由の一部ですが、実は起業を思い立ったのは、「リスクが同じ、もしくは無い」って気づいたからなんです。いろいろな化粧品を世に出していくことは楽しい仕事でもありましたが、時短を理由に給料が下がったままなのと、起業して売上を立てていくことって、前者はやっぱり引け目を感じちゃいますが、後者は「やるしかない」ですからね(笑)ひとつのブランドを、長く育ててファンを作っていきたいという思いはずっとあったし、商品の開発方法は分かっていましたから。どっちも「やるしかない」なら、リスクのない方を選んでもいいなと思えたので、起業しました。

 

_化粧品会社でのご経験をそのまま生かせる起業だったんですね。小野さんは、モノづくりは初めてだったんですよね?

 

小野:私は、作りたいものがもともとあった、というよりは、長く編集者として仕事をしていて気づいた、「あったらいいな」を形にしました。最初は本当に、どこから着手していいのか分からなくて…。手探りでしたが、ひとつひとつ、生地を選ぶところからこだわりました。

 

_小野さんはずっとフリーランスで活動されていたのだとか?

 

小野:前職の、ウェブメディアを運営する会社から独立してフリーランスになりました。編集の仕事はとても充実していましたが、やっぱり忙しかったですね。若い会社だったので、いろいろと制度を整えるのはこれから、という段階でしたから、働きながら子どもを産んで育てられたかな…? 

 

私、実は「起業するぞ!」と思って独立した、というより、フリーランスって働き方はどんなものなのかな? と、あまり先入観なく始めたんです。でも、周りにはフリーランスで働くお母さんがいなくて…。それで、mixi(ミクシィ)で、同じ悩みを持っている人はいないかとグループを作ったら、思いの外多かったので、それじゃあそういうお母さんたち向けのメディアを作ろう! と思って、11年継続してきました。その間に子どもを3人生みましたから、リアリティを持って届けられたんじゃないかな、と思います。

 

_フリーランスの働き方改革って、誰がやってくれるわけでもなく自分でやらないといけないですもんね。ある意味、政府の政策に先駆けて自ら取り組んでいらしたんですね。井上さんはテレビ局にいらしたとのことですが、忙しかったのではないですか?

 

井上:報道や宣伝・広報、あわせて10年程務めました。忙しい現場ではありましたが、テレビの仕事が本当に大好きだったので、結婚や出産というターニングポイントがなければ、ずっと働いていたかもしれないです(笑)昼夜関係ない現場で出世していくには、仕事以外の比重をものすごく減らすか、無くすか、ぐらいしか無かったですね。

 

_私も、いわゆるマスコミ業界にいるわけですが、女性でバリバリ出世している人って、やっぱり仕事一筋な人が多い気がします。

 

井上さん:何を優先して選ぶのかは、本当に人それぞれですよね。私の場合は、出産を機に、育児の時間・仕事の時間・プライベートの時間と、どうバランスを取ったらいいのか、すごく悩んで、その結果、自分で退職を選びました。

 

_仕組みが整うのは、もう少し先かもしれないですね。では、女性が会社で活躍するためのポイントって何だと思われますか?

 

渡部:私は、「納得感」と「賞賛」じゃないかと思うんです。例えば時短勤務であっても、成果を出した社員には報酬や役職を付与する、などです。制度を使う側も、さも当然かのように利用する態度でいれば、それはやっぱり周りの人たちが納得しないですよね。だから今、目の前にある仕事に一生懸命取り組むことが大事だと思うんです。

 

_会社も周りも、評価せざるを得ない状況を作り出すんですね。

 

渡部:国の政策もあって、とりわけ大手企業では「女性管理職を何%に!」 なんて目標もありますが、国が言うからやるんじゃなくて、きちんと成果を出す人じゃないと、一緒に働く男性側だって納得できないですよね。

 

あとは、せっかく「結婚」「妊娠」「出産」を経験したのだから、「ママ目線」を最大限に生かせるポジションに置く、というのも、重要な経営戦略だと思います。

 

以前、食品会社のエピソードで、もともとあった商品を、育休明けの女性が担当したら売り上げが爆発的に伸びた、という記事を読みました。顧客ターゲットを「忙しいママ」に変えたそうなんですが、それって働く女性目線だったからこそ気づけたと思うし、同じ境遇のママたちが共感したと思うんです。今こそ、地に足を付けた女性活躍が必要ではないでしょうか。

 

週刊東洋経済 2017年7/1号

Fujisan.co.jpより

_なんだかお話をうかがっているうちに気付きましたが、「女性が働きやすい」現場って、結局、誰にとっても働きやすい現場なのかもしれないですね。

 

渡部:はい、言ってて思ったんですが、別に女性に限った話じゃないですね(笑)

 

数多ある選択肢の中から、会社や今の状況・自分の優先したいこと・やりたいことを、悩みながらも自ら選び、その選択に責任を持って取り組む皆さんの姿は、とてもたくましく見えました。

 

制度ありきではなく、そもそも今おかれた環境でできることを一生懸命やって、それでも会社との方向性が異なれば、別の選択肢を選びにいくことをすればよいみたいです。

 

女性は“クエスト”が多くて大変だなぁと思いましたが、選択肢がたくさんあることが多様化を創出しており、ある意味自由なのかもしれないと感じました。

 

現在、4社は合同で、忙しい女性も楽にキレイを実現できる「ラク美プロジェクト」を立ち上げ、期間限定の実店舗運営に向けたクラウドファンディングに挑戦中です。気になった方はぜひチェックしてみてください。

 

働く女性に「ラクして美しく」を届けたい! 産後モノづくり起業の4人が初プロジェクト

出典:https://camp-fire.jp/projects/view/34416

 

<文・写真 鴨島 妙実>

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