J-POPに負けない洋楽の作り方とは?! テイラー・スウィフトとマルーン5【Chart insight of insight】
今さら言うことでもないが、日本の音楽マーケットは独特で、J-POPが8割ほどのシェアを占めている。よって、洋楽のヒットがなかなか作り難く、しかもどんどん洋楽離れが進んでいるという。実際、レコード会社の洋楽部門は縮小気味だし、コンサート来日における集客も大型フェス以外では苦戦している。よって、チャートの上位に洋楽ヒットが上ってくるということも少ない。
とはいえ、そのなかでも健闘しているアーティストや楽曲は少なからず存在する。Hot100で今週初登場で11位にチャートインしたテイラー・スウィフトの新曲「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ~私にこんなマネ、させるなんて」は、そのお手本となる一曲かもしれない(【表1】)。この曲は先行配信しているとはいえ、11月リリースの新作アルバム収録曲のためフィジカルのCD売上は加算されていない。よって、セールスのポイントでは25位にとどまっている(紫の点)。しかし、ラジオのオンエア回数に関しては一気に3位まで上がっており(緑の点)、加えて動画再生数でも5位という好成績(赤の点)。言い換えれば、テイラーのようにプロモーションはラジオでのオンエアに注力し、話題性のあるMVを拡散できれば、チャート上位を狙えるということだ。もちろん、これはテイラーだからできたということかもしれないが、これからのヒット作りのヒントになるのではないだろうか。
同じ観点で見てみると、Hot100の28位にランクインしたマルーン5の「ホワット・ラヴァーズ・ドゥ feat.シィザ」も要注目(【表2】)。この曲は、ラジオのオンエア回数で2位を記録している(緑のグラフ)。こちらも配信のみのリリースのため、セールスのポイントは45位とそれほど高くはない(紫のグラフ)。しかも、動画再生数は圏外のため、ほぼラジオのポイントによるチャートインといえる。
このように、売れないといわれる洋楽もまだまだ可能性はある。ラジオや動画再生を押さえるだけでなく、ストリーミング再生でもバズが起これば、大ヒットにつながるかもしれないのだ。Text:栗本斉
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