家の中で掃除したことのない場所ってある?今日からできる、汚れをためないお手入れのコツとは
日ごろの掃除や大掃除でも、今までにほとんど手をつけたことのない場所があるとしたら、もはや自分の手には負えないかも……。そこでお掃除のプロに相談。家の中で掃除されにくい場所と、手遅れになる前に自分でできる対策をアドバイスしてもらいました。
みんなが気になっている、ベタベタのレンジフードと隠れ汚れが多い浴室
何年も住んでいるのに、ほとんど掃除をしたことがない場所。あなたの家にはありませんか? 恥ずかしながら筆者は、掃除を怠ったために苦い思いをしたことが何度もあります。
「苦い経験 その1」は、浴室の鏡。今の家に住んで2年ほどたったある日、浴室の鏡一面に白いウロコ状の汚れがこびりついているのを発見! 焦ってあの手この手を試したけれど、元通りのキレイな鏡には戻りませんでした。
「苦い経験 その2」は、24時間換気システムの給気口。機密性の高いマンションは計画的な換気を行うためにそんなシステムがあって、壁に空気を取り込む穴があることは知っていました。でも、ほとんど気にせず暮らすこと数年、気がついたときには給気口の周囲が真っ黒に! 壁の黒ずみを見ると心が痛みます……。
実はほかにも、「掃除をしなければ」と思いながら手をつけていない場所がいくつか。気になる場所があるのは筆者だけではないはず。ということで、ダスキン広報の古屋さんに聞いてみました。
――ハウスクリーニングに訪問して、汚れのひどさに驚くことはありますか?
「何年も掃除をされていなくて、汚れがシミのレベルまで行ってしまっているケースはあります。まれなケースですが、ハウスクリーニングで対応できない場合は、材質や部材の交換をおすすめすることもあります。またエアコンクリーニングでは、内部のホコリやカビのために洗浄水が真っ黒になり、こんなに汚れていたのかと驚く方もいますね」(ダスキン・古屋さん 以下同)
――家の中で掃除されにくい場所はどこでしょう?
「当社が行った“ダスキン2016年末大掃除 実施意向調査”によると、年末に最も掃除したい場所は、レンジフード・換気扇が第1位、窓・網戸が第2位、浴室が3位でした。昨年は台風が多かったことから、例年以上に窓・網戸の掃除意識が高い結果でしたが、上位の顔ぶれは毎年ほぼ同じです」【画像1】年末に大掃除したい場所はレンジフード・換気扇という回答が圧倒的に多い「ダスキン2016年末大掃除 実施意向調査」より(画像提供/ダスキン)
「また、当社HPに掲載しているハウスクリーニングの人気ランキングを見ると、夏場はエアコンクリーニングの依頼が増えますが、年間を通じて上位にランクインしているのがレンジフードクリーニングと浴室クリーニング。年末大掃除の動向とも重なり、みなさんが気になっている場所ですね。
汚れは気になるけれど、億劫(おっくう)だったり、掃除のやり方が分からなかったり、手に負えなかったり。結果、年末にまとめてやろう、プロに頼もうという選択になるのでしょう」
――確かに、油汚れが手強いレンジフードは掃除を敬遠しがち。でも浴室は、よく掃除されている場所では?
「浴室は、隠れ汚れが多いんです。ご存じのように、浴室の汚れの代表格がカビ。酸素、皮脂などの栄養分や、温度、湿度が生育条件になるため、梅雨時から湿度と気温が高まってくると急激に発生し、秋には浴室中がかなり汚れた状態に。窓のヘリ、風呂フタの裏、排水口、洗面器やシャンプーボトルの裏などは、目が届かないがゆえにカビ汚れが放置されがちです」【画像2】風呂ふたや洗面器など汚れに気が付きやすいものから、換気口や浴槽エプロンの内部など汚れに気が付きにくいものまで、浴室内には隠れカビ汚れがたくさん(イラスト/SUUMOジャーナル編集部作成)
「なかでも浴槽のエプロン内部は、一度も掃除をしたことがない人もいるのでは。浴槽の側面にエプロンと呼ばれるパネルがついたタイプは、内部に汚れがたまりやすく取り外して掃除する必要があります。普段は見えないので汚れに気づかず、開けてビックリ!ということが少なくありません。ただ、エプロンの取り外しはけっこう大変なので、プロに任せたほうがいいでしょう」
――私も初めてエプロンを外したときは愕然としました。ほかにも見過ごしがちな場所はありますか?
「窓や網戸は、排気ガスや花粉、土砂ホコリなどがついて、思った以上に汚れています。窓まわりのブラインドやカーテンは、外部から侵入した汚れと室内で発生したホコリの両方をため込みやすい場所。常に雨や風にさらされているバルコニーやベランダは、さらに汚れがひどいですが、普段の掃除では室内が優先され、どうしても見過ごされがちです」
汚れは軽いうちに取る。ちょっとした工夫と意識で効率的に掃除する
――今までに一度も掃除したことがない場所は、もはや手遅れでしょうか?
「汚れは時間とともに変化します。ホコリは最初、いろんな場所にフワフワと軽く乗っている状態で、モップで簡単に取れます。しかし時間がたって水分や油分を含んでくると、軽い汚れから、ベタベタした汚れに変わり、最終的には材質の表面に染み込んでシミになってしまうことも。当然、掃除のタイミングは軽い段階のほうがラクです」【画像3】ホコリは、放っておくと拭いても取れないシミへと変化してしまう(イラスト/SUUMOジャーナル編集部作成)
「カビも同じで、早い段階なら中性洗剤で取れたものが、ガンコな汚れになると取れなくなってしまいます。パッキンやタイル目地に入り込んだカビ汚れは、時間をおいてカビ取り剤を浸透させる必要があり、素材を傷めることに。そこまでいくともう完全に取るのは難しく、場合によっては削る、パッキンを張り替えるなど、リフォームが必要になってしまうケースもあります」
――そんな事態を避けるには、やっぱりこまめに掃除をするしかない?
「汚れが軽いうちにこまめに掃除が基本ですが、仕事や育児に追われている人も多いでしょう。簡単に使える掃除道具を用意して、“ついで掃除”を心がけるなど、限られた時間のなかでいかに効率化を図るかが大事です。
例えば、浴室に水切りワイパーや吸水クロスを置いておき、お風呂から上がったら、(1)浴室内に冷水をかけて温度を下げる (2)ワイパーで水を切る、またはクロスで水気を拭く (3)換気をする。これさえやっておけば手に負えない状況にはなりません。家族の誰がやるかを決めて、ルーティンにするといいでしょう」
ため込んでしまった汚れは一度リセット。それから予防策を実践
――ほかに予防策はありますか?
「レンジフードは市販されている交換用フィルターを使うことで、内部へ油汚れが侵入するのを防げます。浴室にはカビ予防のコーティング剤を使う手も。壁などに塗布すると被膜がカビの発生しにくい状態にしてくれます。
でもその前に、まずはたまった汚れをリセットすることが先決。一度リセットして完全にきれいな状態にしてから予防策を講じないと効果を発揮できず、なかなかきれいな状態を維持することはできません」
――たまってしまった汚れ、自力でリセットできるでしょうか?
「そういうときこそハウスクリーニングを活用してください。掃除のプロは用途に合わせた専用洗剤や資器材を使い、すみずみまでスッキリきれいにしてくれます。リセット後の予防策や、きれいな状態を日常生活のなかで無理なく維持できる掃除法も喜んで教えてくれますよ」【画像4】(写真/PIXTA)
一度きれいな状態に戻すことができれば、気分もスッキリ。次は心を入れ替えて、しっかり対策できそうな気がします。「年末の大掃除でもいいですが、冬は寒いので掃除をするのも大変です。年末に限らず、やりやすい時期にやるのがおすすめです」と古屋さん。過ごしやすい今のうちに、さっぱりリセットを目指しましょう。●取材協力
・株式会社ダスキン
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