男くさい「野郎メシ」でもインスタジェニックな料理写真に見せてしまう撮影法
こんにちは。メシ通レポーター、カメラマンの工藤です。
日頃、数々のグルメ撮影をしている私ですが、普段の一人メシってすごくシンプルなんですよ。女性で「シンプル」っていったら、グリーンスムージーとかアサイーボウルって思われるかもしれないんですが、
私の場合はほとんどおっさんです。
特に時間がない時は、カレーとか麺類が中心っすね。カップラーメンって時もあるんですよ。そんな地味な一人メシの時って普段は写真撮ったりしないで、友達と一緒のキラキラメシの時だけインスタにアップしたりしてるんですけど。
でも、もしかして私のカメラマンとしての腕をもってしたら、そんな「おっさんメシ」も素敵なインスタ風写真にできるかも? 「インスタに載せるメシなんて食ってね〜よ!」なんて方の参考にもなるんじゃないかしら? と思った次第でして。
そんなわけで、「普段食べているような男くさーい野郎メシでも、無理なくインスタデビューできてしまう写真術」を伝授してみようと思います!
ちなみに、今回の写真はいつもの仕事用の一眼レフカメラではなく、すべてiPhoneで撮影したものです。
その1。とりあえず、おいしそうなところをアップ!
普段、地味メシに甘んじている私でも、時々ちょっと豪華なご飯を食べることもあります。そんな時は、そのご飯の、一番おいしそうなところをアップで撮ります!
うな重!
余計なサイドメニューは写さなくていいので、ひたすらおいしそうなうなぎの蒲焼のボディを「どアップ」で撮りましょう。
牛鍋!
横浜の老舗の牛鍋ランチです。一般的にはすき焼きですね。普段食べられない柔らかな霜降り和牛をアップにします。
まあ、これらはごちそうで、普段はもっと地味メシですよね。
焼肉弁当!
おいしいんですが、控えめに焼肉が入ったごく普通のお弁当です。
でも、肉部分だけをクローズアップすれば、「うまそ〜!」と言われること間違いなしです。
その2。青味を入れよう。パクチーならなお良し
青ネギなどで、料理にアクセントをつけるとグッと画面が華やかになります。
外食のとき、トッピングできる場合はぜひ!
例えば……
某チェーン店のかけうどん+野菜かきあげ。
ここは、青ネギが盛り放題なのです。ぜひ、真ん中にこんもりと乗せましょう。
また、この写真は、この次の章で書く「見せたいところにだけピントを合わせてまわりはぼかす」というテクニックも使ってあります。
納豆ごはん。
地味極まりない納豆ごはんも、青ネギを乗せて渋めの付け合わせを入れ込んでぼかせば、あわよくば「意識高い系男子の健康的な朝食」に見えるかもしれません。
さて、世間はパクチーブーム。特に女子人気が高いのです。
なので、パクチーがある場合はぜひ乗せましょう。
鶏団子スープ。
パクチーの緑と唐辛子の赤が鮮やかです!
ビリヤニ。
とりあえず、これでもか! とパクチーを盛り、#パクチーのタグをつければ、「いいね!」をたくさんもらえます。
その3。見せたいところにだけピントを合わせ、周りはぼかす
普段のメシはフランス料理のコースのように、皿の隅々にまで気が配られているわけではありません。真ん中はおいしそうでも、周りはちょっと乱雑だったり。
そんな時は、おいしそうなところだけピントを合わせて、周りはぼかしてしまいましょう。撮影アプリで「フォーカス」の「f2.8」か「f4」辺りを選ぶとちょうど良いことが多いです。
某庶民派天丼店のランチ天丼。
600円の天丼なので、具に華やかさはありませんが、パリッサクッとした天ぷらとさっぱり目のタレが絶妙なのです。
これは真ん中の天ぷらにくっきりピントを合わせて周りをふんわりぼかすとパリッと感が強調され、よりおいしそうになります。
その4。卵黄は無敵
お皿の真ん中に、鮮やかな黄色い卵黄が鎮座していると、おいしそう度が50%はアップします。
実際、おいしさも増すので、卵黄はぜひトッピングしましょう!
台湾まぜそば。
緑のニラ、白のネギ、赤い唐辛子が混ざった肉味噌に絶妙なアクセントを与える卵黄。
想像してみてください、ここに卵黄がないことを……。
漬け丼。
漬けの刺身はおいしそうですが、ここに卵黄がなかったら寂しいでしょ?
これも、周りはぼかして、卵黄と刺身だけを強調しています。
さて、お次は究極のシンプルメシ。
卵かけごはん!
本当に、白いごはんに生卵を乗せて醤油を垂らしただけなんですが、卵黄にピントを合わせて周りをぼかすとおいしそうじゃないですか?
これをさらにカスタマイズしてみましょう!
青ネギと鬼辛(赤)をトッピングしてみました。
グッと華やかさが増しましたよね!
これを、さらに!
#卵黄決壊 させてみれば、さらに「いいね!」が増えるはず……。
その5。うず高いものは横から撮る
うず高い食べ物ってありますよね? iPhoneの写真フォルダをあさっていたら、たくさん出てきたんですけど。
例えば……
豚ラーメン、野菜マシ、辛しょう。
こういううず高い食べ物は、高さを強調するように、山を撮る気持ちで! 横から撮ってみましょう。余裕があれば、下から見上げるようにあおって撮っても良いですね。
豚ラーメン、脂、野菜マシ、辛しょう。
関係ないですけど、こんなの食べてる時期はまったく痩せられませんでした。
その6。見えない麺は持ち上げよう
ラーメンとかパスタは、そのまま撮ると麺が下に沈んでしまっていて、見えないことがあります。
そんな時は、箸やフォークで持ち上げて撮りましょう。
左手で撮るのがやや難しかったりしますが。
某ものすごく辛いカップラーメン。
某有名店プロデュースのカップラーメンなのですが、本当にものすごく辛いのです。そのまま撮ると単なる赤い沼って感じなので、麺を持ち上げてみます。持ち上げた時点でむせます……。
ボンゴレビアンコ。
具だくさんでおいしいパスタです! でも、麺が完全に具に隠れてしまっていたので、持ち上げました。
その7。地味メシは周りを飾ろう
さてさて、毎日のメシの中には、もっと地味なものもあります。食べ物自体がとても地味な場合は、周りを飾ることでなんとかしましょう。
カレー弁当。
職場の近所のカレー弁当。忙しい時のお供です。でもまあ、愛想のない姿なので、クマさんに食べさせてみました。ついでにパソコンの前に置いて、多忙なビジネスマンっぽさも強調してみましょう。
某ものすごく辛いカップラーメン。
さっきの辛いカップラーメンもパソコンの前で食べてみました。忙しい中、ものすごく辛いものを食べる、というM気質を強調してみたんですが、汁が飛び散るのであまりおすすめできません……。
さらに、もっと地味なメシ。
某やさしい味のカップラーメン。
なんか、見た目は地味だし、味も地味だし、何を強調していいのかわかりません!
なので、周りをかわいい動物たちときのこで囲って、森の中のようなさわやかさを演出してみました!
唐揚げノリ弁。
ごく普通の弁当。どこを強調したらいいのか、まったくわからない!
そんな時は、アプリでなんとなくそれっぽいデザインにして、「唐揚げノリ弁」とわかりきったタイトルを入れてみました。
これであなたもおしゃれインスタグラマー!
さて、ここで7つのポイントをまとめてみましょう。 その1 とりあえず、おいしそうなところをアップ! その2 青味を入れよう。パクチーならなお良し その3 見せたいところにだけピントを合わせ、周りはぼかす その4 卵黄は無敵 その5 うず高いものは横から撮る その6 見えない麺は持ち上げよう その7 地味メシは周りを飾ろう
これさえ守れば、普段のメシのままおしゃれインスタグラマーになれるかも!?
ぜひ、お試しください!
※この記事は2017年7月の情報です。
書いた人:工藤真衣子
カメラマン。美しい女性、音楽、映画やドラマ、美味しい食べ物など、素敵なものを愛を込めて撮るお仕事をしています。趣味は美味しい料理を作って食べること。
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