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アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

私が最初に出会った「アタシ社」の本は、『髪とアタシ』でした。

美容雑誌なのに、なぜ渋谷・青山エリアではなく離島の美容室!?
美容雑誌なのに、リーゼントに角刈り!?

と疑問がわき、思わず『髪とアタシ』を手にレジへと向かっていました。アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

髪とアタシ』第四刊の特集「BAD HAIR」より(画像提供:アタシ社)

『髪とアタシ』は、ミネシンゴさんと奥さんの三根かよこさんの二人による夫婦出版社「アタシ社」から出版されています。

流行の髪型だけを取り上げる美容雑誌ではありません。髪に関するあらゆる事柄をカルチャーとして切り取っていく美容文藝誌です。

編集長のミネシンゴさんは、美容業界で美容師・編集者・Hot Pepper Beautyの広告営業を経験されたという、ちょっと変わった経歴の持ち主。

そんなミネさんに、これまでの仕事について、雑誌について、お話を伺ってきました。

知られざる「美容師たち」

アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

東京・神奈川で計4年間美容師をしてきたミネシンゴさんですが、椎間板ヘルニアをきっかけに辞めることになります。

同じ美容業界で、美容専門出版社「髪書房」で編集職を勤めた後、リクルートでHot Pepper Beautyの営業職へと転職。営業でたくさんの美容師と出会うなかで、ミネさんはあるジレンマを抱えるようになります。

「美容業界誌で取り上げられるのは、東京の美容室ばかり。もちろん業界誌は美容師向けの雑誌ではあるんですが、そこに在る美容師像だけが、美容師の世界ではない。そのイメージを壊したかった」

そのジレンマから生まれた雑誌が、『髪とアタシ』の創刊号

「まだ世の中の人には知られていないけど、生き方がかっこよかったり、面白いことをしている美容師さんは大勢いる。そういう美容師の働き方や生き方を、ちゃんと読み物にした雑誌を作りたいと思ったんです」

アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

髪とアタシ』の創刊号

美容業界において「現場」「編集」「営業」の3つを経験してきたミネさん。

だからこそマスコミが取り上げる”カリスマ美容師”以外にも、オリジナルの道を築くことができるということを知っています。

「業界誌を見て、”売れたい”とか”デザインを作りたい”というわかりやすい方向を目指している美容師さんがたくさんいる。でももっとそれぞれの道があっていいのになって思うんです。茨城で美容室やりながら駐車場でベンツを売っている方とか、人口350人の沖縄渡名喜島に美容室を作った方とか、面白い方たちがたくさんいます。そういうローカルスターの美容師さんって、売り上げというより街への影響力があるんですよね。『自分が表現したいこと×美容師』は、一体なにが生まれるんだろうと、いつも興味津々です。自由な発想で美容師ができたら、最高におもしろい職業だと思うんですけどね」

アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

髪とアタシ』第三刊の特集「考える髪」より(画像提供:アタシ社)

「拡張する美容師」
として

第二刊の「拡張する美容師」には、新しい美容師の生き方が提示されていますが、ミネさん自身もまた「拡張する美容師」のひとり。アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

五刊目の特集「音楽と髪」でクリープハイプの尾崎世界観さんにインタビューしたことをきっかけに、「もうすぐ着くから待っててね」のCDビジュアル制作の依頼を受けます。ジャケットのイラストは毎号『髪とアタシ』の表紙を描いているイラストレーター・一桝香欧さん、デザインは奥さんの三根かよこさん、そしてアー写の撮影をミネシンゴさんが担当。

ポスターや歌詞カードのデザインを手がけるのはこれが初めての経験だったそうですが、「結局紙媒体を作るのと同じといえば同じ」とミネさん。一度限りではなく、映画『帝一の國』主題歌になったシングル「イト」のクリエイティブも担当しました。

そして2017年3月には「アタシ社」発の単行本を出版。伝説の美容師といわれるMINXの鈴木三枝子さんの生き様に迫りました。アタシが、雑誌『髪とアタシ』をレジに持っていった理由

美容師の数だけ道がある。

ミネさんは、ハサミを置いた後も、ラジオのMCとして、カメラマンとして、美容師の道を拡張しています。

アタシ社の本の購入は、こちらから。Photo by 金田 裕平

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