「ニトリ渋谷公園通り店」がオープン! ニトリの都心進出が止まらない。その狙いを聞いてみた
2015年から都心への出店を加速させてきたニトリ。そして2017年6月、渋谷に都心最大規模の店をオープンさせた。でも、郊外の大型店を中心に展開してきたニトリが、なんで都心に? 首都圏のニトリの特徴は? 編集部ではニトリ渋谷公園通り店オープン前の内覧会に参加。その様子とともに紹介していこう。
なんでニトリが都心に出店し始めたの?
2015年4月、プランタン銀座(現・マロニエゲート銀座2)に出店したのを皮切りに、都心への出店を加速させているニトリ。その後、新宿、池袋の百貨店にも出店し、注目を集めてきた。
そしてこのたび、ニトリグループ490店舗目、国内445店舗目となる、渋谷公園通り店がオープン。渋谷駅から徒歩6分、2016年8月に閉店したカラオケ店「渋谷シダックスビレッジクラブ」の跡地ビルに、全9フロア、店舗面積約1510坪という都心最大級の大型店が誕生した。
それまで郊外の大型店を中心に展開してきたニトリは、すでに47都道府県を制覇し、都心には新たな出店の余地があった。また、これらは10年前から似鳥昭雄会長兼CEOが「東京に出店するなら環七、環八、新宿、渋谷、池袋」とターゲットにしていた場所でもあったのだ。
渋谷は駅の乗降客が多く、公園通りの通行量も多い。「都心部には、ニトリの名前は知っていたけど利用したことがない、という人が大勢いる。今後はこうした新しい客層も取り込んでいきたい」と白井俊之社長。
車がないと行けない郊外の店から、家の近くにあって気軽に行ける店へ。目的をもって行かなくとも、通勤・通学やちょっとしたお買い物途中で行ける店へ。……都心にあることで、人々が店に足を運ぶきっかけそのものが変わる。さらに、次に紹介するさまざまな工夫により、新しい客層を取り込んでいく構えだ。【画像1】渋谷公園通り店には初の試みが目白押し。素材や色をセレクトして好きなソファがつくれる『NITORI STUDIO』に、新たにレザーが登場(写真撮影/前川ミチコ)
都心型ニトリの特徴は?
生活雑貨から大型家具にいたるまでを低価格で豊富に品ぞろえするのがニトリの強み。でも、郊外店に比べて賃料の高い都心店で、品ぞろえに影響が出るなど、違いはないのだろうか。
郊外店は車で来店する人が多く、車に積める商品は持ち帰る人が多いため、在庫のための広いスペースが必要。都心店は電車で来店する人が多く、大型商品は自宅配送を希望する人が多いため、物流センターから直接配送することにより、売り場の在庫を抑えることができる、というわけだ。
渋谷公園通り店では、取扱商品数はフルラインナップの約7割。1~5階がホームファッション、6~9階が大型家具の売り場というフロア構成になっている。渋谷に遊びに来る若者を意識して、従来の店舗と比べると価格帯が低めの商品や、カラフルなアイテムを集めているという。
さらに、1フロアの面積がコンパクトな多層階となっているのを活かし、壁面をディスプレイに積極的に利用しているのも特徴。壁面プロジェクターに商品動画を映すほか、プロジェクター型のデジタルカタログ、スマートフォン対応のフロアマップなど、新たな試みも満載だ。【画像2】期間限定で設置されているプロジェクター型デジタルカタログ。テーブルに映し出されたカタログをタッチパネル感覚で操作しながら商品を選べる(写真撮影/前川ミチコ)
都心にニトリができて、生活は変わった? 利用者に聞いてみた!
ここ数年で都心に続々とニトリが出店し、都心を生活圏とする人の暮らしは変わったのだろうか? 気になるコメントを集めてみた。
●「就職を機に地方から上京し、生活用品すべてをニトリでそろえた。都心に来たばかりで、どの店に何があるのか分からないなか、もともと知っているニトリを発見し、安心した」(20代・会社員)
●「会社帰りにいつでも行けるので、気に入った商品が自分の部屋に収まるのか分からないときは、家で調べて翌日また出直す、ということが簡単にできるようになった」(30代・会社員)
●「高齢の親に家具をプレゼント。自分が都心のニトリで候補を絞り、親が地元のニトリで実物を見て、引き出しの軽さなどをチェック。離れていても一緒に買い物ができるようになった」(40代・自営業)
などなど、都心のニトリは、郊外のニトリとともに多くの人の暮らしに役立っているようだ。
スペースの制約を受けやすい都心にありながらも、さまざまな工夫により、郊外店に引けを取らない品ぞろえを誇る都心店。条件が合えば、今後も都心店を増やしていくことを視野に入れているそうなので、皆さんもさっそく行ってみては。●取材協力
・ニトリ
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