気分が落ち込む原因をチェックリストで診断! 心のお悩み解決法
友達関係や進路選択など、悩みを抱えている高校生は多いもの。
でも、「何となく気分が落ち込みがち…」というだけで、悩みの原因がはっきりわからない人も多いのでは?
そこで今回は、「ゆうメンタルクリニック」の総院長で『マンガで分かる心療内科』などの原作を担当する精神科医のゆうきゆう先生に「心のモヤモヤの原因がわかるチェックリスト」を作成してもらい、お悩み別にアドバイスをもらうことに!
あなたのストレス度はどれくらい?
まずは、今あなたがどれくらい心にストレスを抱えているかを診断!
以下の質問のうち、当てはまる項目はいくつある? 【ストレス度チェックリスト】
勉強や部活に集中できないと感じることが増えた
忘れ物をしたり、他人との約束を忘れてしまうことが多くなった
朝、なかなか起きられなくなったor遅刻や欠席をしがちだ
新しいことに興味をもてなくなってきた
教科書や本などの内容がなかなか頭に入ってこない
「どうでもいい」と投げやりな気持ちになることがある
上記の項目で、当てはまるものが多ければ多いほどストレスが溜まっているサイン。
ストレスがたまると、記憶力や集中力が低下して約束を忘れてしまったり、勉強が頭に入ってこなかったり…なんてことがあるとか。
ちなみに、当てはまる項目が少ないけれどなぜか心がモヤモヤする…という人は、「ストレスが原因というよりは、生活のリズムが崩れている可能性があるため『体調を整えること』を心がけてみてください」とゆうき先生。
バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動などを生活に取り入れると、気持ちが安定することもあるそう。
心を悩ませる原因をチェックリストで診断!
では、ストレス度が高かった人は、一体何が原因なんだろう?
より具体的な悩みの原因を探るため、以下の質問のなかで当てはまるものをチェックしてみよう!【Aグループ】【Bグループ】【Cグループ】のうち、当てはまる項目が一番多いのはどれ?
【Aグループ】
他人(家族も含めて)といるよりも一人でいるほうが気楽だ
友人はいるが、本心で話せていないと感じる
合わない人が学校・家庭内にいる
学校生活が楽しめない
他人に対して怒りを感じやすい
「自分はこの人に嫌われている」と強く感じる相手がいる
【Bグループ】
成績が落ちたorなかなか上がらないことで焦りや落ち込みがある
学部や学校が自分の適性と合っていない気がする
親や先生の意見に流されていると感じる
このまま学校に行っていてもいい未来につながるとは思えない
目標をもっている人に気後れを感じたり「現実が見えてない」と思うことがある
将来のことを決めるのに「本当にこれでいいのか?」と迷いが出てくる
【Cグループ】
他人と比べて自分をダメだと思うことがある
「こんなはずじゃなかった」と思うことが多い
他の人をうらやましく感じることが多い
もっと社交的な人、もしくは冷静な人になりたいと思う
何か自信をもてるものが欲しい
性格・外見など「あの人みたいになりたい」と思うことが多い
一番多くチェックがついたのはどのグループ?
この結果をもとに、ゆうき先生がお悩み別にアドバイス!
Aグループに最も多くチェックがついた人はこちら
Bグループに最も多くチェックがついた人はこちら
Cグループに最も多くチェックがついた人はこちら
【Aにチェックが多かった人】あなたの悩みの原因は「人間関係」
対策:「人はコントロールできない」ことを理解する!
「Aグループにチェックが多かった人は、主に人間関係でストレスを感じているようです。世代や性別を問わず、人間関係でストレスを抱える人のほとんどが、
①自分を相手の意向に沿って変えようとする
②他人を自分の意向に沿って変えようとする
このどちらかによって深い悩みを抱えます。
つまり、相手に合わせすぎたり、逆に相手を自分に合わせようとしすぎたりすることがストレスになってしまうのです。
どんなにあなたが相手の意向に沿ったとしても、相手から思うような評価が得られるかはわかりません。
逆に、あなたの期待を他人が100%叶えることも不可能です。
だからこそ、『相手の思いに100%応えようとなんてしなくていい』のです。
もし今、あなたが人間関係で悩んでいるのなら、あなたは『相手の意向に沿おうとして悩んでいる』のか、『相手を自分の意向に沿わせようとして悩んでいるのか』をまず区別してみましょう。
そのうえで、もう一度思い出してください。
『誰もが他人を思い通りにすることなど、不可能なんだ』ということを。
『他人はコントロールできない』
もしこのことを心から納得できれば、あなたが今抱えている悩み、そしてこれから遭遇するかもしれない悩みは、ぐっと軽くなるはずです」
「あの子に嫌われたくない」とつい顔色をうかがってしまったり、「あの子っていつも空気読めてない!」と嫌悪感を抱いたり…。
人間関係に悩みはつきものだけど、違う人間なのだから合わない部分があって当然。
「100%思いどおりになる人はいないんだ」と頭の片隅に置いておくだけで、たしかに心にゆとりがもてるかも…!
【Bにチェックが多かった人】あなたの悩みの原因は「将来について」
対策:今自分にできることをコツコツと積み上げる!
「Bグループにチェックが多かった人は、勉強や将来について不安を感じやすくなっています。
頑張っていることの成果が見えない焦りや、『本当に将来に役立つのか』といった不安、そもそも将来についてのヴィジョンをもてていない人もいるかもしれませんね。
“未来は未知であり不確定”なので、ある程度不安を感じてしまうのは仕方のないことです。「分からない」ということは、人間にとって不安を感じやすい状況だからです。
特に、まじめ現実的な人ほど『今までの自分はこのくらいのペースで進んできた』
という実績をもとにこれからの自分を想像するので、どうしても目標に届かないような気がしたり、可能性が制限されているように感じてしまいます。
しかし、人間の伸びしろというのはそれほど均一ではありませんし、未来は良くも悪くも“不確定”です。
進路を決めるうえでは、冷静で現実的にならざるを得ない部分は少なからずあると思いますが、人生では『やらずに来たことよりも、やって来たこと・やり切ったこと』の方が絶対的に後悔は少ないものです。
もしも今、あなたに何か目指しているものがあるのなら、将来を不安視したり自分の可能性を疑うよりも、『今この瞬間に、そこに向かってできることを精いっぱいやる』ことを大切にしてほしいなと思います。
不安なときほど“今できること”を積み上げて、“できたこと”をしっかりと実感してみましょう。“できたこと”をきちんと認めてみると、自分の成長が実感できるのでモチベーションを保ちやすくなります」
また、将来の夢や目標がわからず「何を目指せばいいかわからない…」と不安や焦りを感じている人には、「今は決めなくても大丈夫!」とゆうき先生から心強いお言葉が!
「一生をかけられる仕事や夢、明確な目標というものがみつかるタイミングは人それぞれ。
高校生までにそういったものに巡り合える人は、そう多くはありません。
大学生や社会人になってから突然、これまでとは違った方面に転換する人もいます。
決して『遅すぎて不利』なんてことはありません。
だから、焦って結論を出そうとしなくても大丈夫。
進路を決めるというと、しっかりとした目標や気持ちが必要だと思いがちですが、なんとなく『こういうのやってみたいな』『こういうのは得意だな』ということから始めたっていいんですよ」
どうしてもやりたいことが決められない場合は、一度「やりたくないこと」を書き出してみるのがオススメだそう。
それがわかると「やりたいこと」「できること」が見えてくるみたい!
【Cにチェックが多かった人】あなたの悩みの原因は「自分の外見や性格」
対策:「自分のことを認めてあげたい自分」の存在を受け入れる!
「Cにチェックが多かった人は、自分の外見や性格に悩みを感じやすくなっています。個人の問題だと思うかもしれませんが、実はこの悩みは、自分と他人を比較することで生まれます。
『自分をもっと認めたい!』『自分をもっと肯定したい!』という欲求や向上心の表れでもあるので、悩み自体はすばらしいことでもあるんですね。
この悩みから解放されるには、そのままの自分を認めて、愛してあげることが大切なのですが、【Cグループ】にチェックが多かった人にとって、それはすぐにはできないことかもしれません。
そんなときは、『自分を認めてあげたい自分が、ここにいるんだ』ということを、まずはしっかり受け止めてみましょう。
『自分をもっと愛してあげたい・自分の味方をしてあげたい自分が、ここにいる』…。
それはあなたにとって『すでに一番の味方がいる』ということでもあります。
人と比べて『もっとこうでなければ』『もっとああだったら』と、つい自分を責めて辛くなってしまいやすいものですが、『自分を好きになれなくて苦しんでいる自分がいるんだな』と、少し客観的に見てみることで、気持ちのバランスをとりやすくなります」
悲観的にならず、「自分の一番の味方は自分!」ととらえることで、ものの見方や行動を変えていくきっかけになるのかも!
どうしても悩みと向き合うことが辛いときは…?
悩みの原因と対処法はわかったけど、今は「何も行動したくない」「考えたくない」など、悩みと向き合うことさえも辛いときもあるはず。
そんなときはどうすれば…?
「気持ちが落ち込んでいるとき、実は一番手っ取り早いのは『体を動かす』ことです。
悩んでいる人が安静のために家の中にいても、実はちっとも気持ちは休まっていないということはよくあります。
家にいる間中、自分の悩みや気分について考え続け、『結局、何も変わっていない…』と自分を責めるループにハマりやすいんですよ。
心の中、頭の中だけで解決しようとせず、軽い運動や散歩程度でいいので無理のない範囲で外に出て刺激を受けてみましょう。
それも辛い場合は、外に出なくても『本やマンガを読む』『音楽を聴く』などでも大丈夫。
まずは、『悩みについて考えない時間』、『落ち込んでいる気持ちを忘れる時間』を作ることが大切なんです。
そういった時間を持つことで、悩みについて違った方向性が見えてくることがあります。
どうか『悩みが解決するまでは、楽しいことなんて一つもない』なんて思わないでください。
どうしても気持ちの切り替えが難しい場合は、専門機関やスクールカウンセラーに頼ってみましょう」
ゆうき先生から悩みを抱える高校生に向けてのメッセージ
「悩んでいる時というのは、寝ても覚めても悩んでしまっていて『絶対にこの悩みからは逃れられない』という気持ちになってしまうことがあります。
でも、それは間違いです。
悩んでいる時、人は狭い世界観にとらわれているためにほかのことが目に入らなくなります。
逆に考えれば『狭い世界観にとらわれているから、悩む』とも言えます。
悩むこと自体は決して悪いことではありません。それは、私たちは”より幸せになろうとするために悩む”からです。
苦痛があれば、苦痛から逃れるために。
理想があれば、理想を追うために。
人は『より良くなろうとする』ために悩んでいるのです。
それはすばらしいことだと思います。
ただ、悩むことだけにエネルギーを消費しないでほしいのです。
『悩みについて考えたら考えただけ、いい結論が出る』というわけではないんです。
それならば、友達と楽しんだり部活動に取り組んだり、目の前の宿題を終わらせたりと、日々のやるべきことや楽しみに時間やエネルギーを使ってみましょう。
『それじゃ結局、逃げているだけじゃないか?』と思われるかもしれませんが、あまりに悩みすぎているならば、『悩みについて考えない』ことも大切なことなんですよ。
そのことをどうか、覚えておいてくださいね」
確かに、悩み事があると、それにずーっととらわれて「何をしていても楽しくない…」なんて思いがちだけど、体を動かしたり、友達とおしゃべりしたりと、時には悩みを忘れることも心を元気にする大切なポイントなんだ!
ゆうき先生のアドバイスをもとに、ちょっとだけ考え方を変えてみると心のモヤモヤが軽くなるかも!?
投稿気分が落ち込む原因をチェックリストで診断! 心のお悩み解決法は【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信の最初に登場しました。
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