カレー番長が到達した「究極の家カレー」の作り方
日本人なら誰もが大好き、もはや国民食ともいえる「カレー」。とはいえ、「究極においしい家カレーをつくってください」と言われたら、自信を持って「はい」と答えられる人のほうが少ないのではないでしょうか。
でも、つくりたい。普通の材料でつくる最高の家カレー。そのレシピがあるならば、喉から手が出るほど欲しいと思いませんか?
それにバッチリこたえてくれるのが、カレー研究家・水野仁輔さんによる『いちばんおいしい家カレーをつくる』です。出張料理ユニット「東京カリ〜番長」で調理主任をつとめ、普段から常にカレーのことばかり考えているという生粋のカレー好きとして知られる水野さん。そんな彼が「日本人の好きの最大公約数になるカレー」「家で普通につくれる、最高においしいカレーのレシピ」を教えてくれるというのだから、これは読まずにはいられません。
本書に登場するカレーレシピは3つ。一つ目は私たちになじみの深い、牛肉とカレールウを使った「欧風カレー」。二つ目は、鶏肉とスパイスを使った「インドカレー」。そして三つ目は欧風カレーとインドカレーのいいとこどりをした「ファイナルカレー」で、これを水野さんは「究極のカレー」と呼んでいます。それぞれ、どのようなつくり方でどんな特徴や魅力があるのでしょうか?
まずは「欧風カレー」。特徴は「うま味やコクが効いていることと、ほどよくとろみがあってのど越しが重たいこと」(本書より)だそう。いわゆる市販のカレールウを使ってつくる家庭のカレーも欧風カレーの要素を兼ね備えているそうですが、さらにリッチな味わいのカレーを目指すことができるといいます。それは香味野菜、特に玉ねぎをどう加熱するかと、隠し味をいかに上手に使うかにかかっているのだとか。そのヒミツについても本書では詳しく書かれています。
続いて「インドカレー」。「スパイスをいちから使ってつくる」と聞くと難しそうに感じますが、本書のレシピで使うスパイスは普通のスーパーでも手に入る4種類だけ! 肉や野菜など他の材料も、どれも簡単にそろえられるものばかりです。このレシピで大切なのは、スパイスをどの段階で差し込むかと、スパイスを炒めるプロセス。これもまた、写真とともに丁寧に作り方が紹介されています。
そして、究極のカレー、こと「ファイナルカレー」。欧風カレーからは「肉に下味をつける処理」を採用しているのですが、梅酒で下味をつけた豚肉を使うというのには驚きです。そしてインドカレーからは、ベースとなる玉ねぎの炒め方やスパイスの使い方が採用されています。欧風カレーとインドカレーのいいところをミックスした「ファイナルカレー」は、水野さんによると「この味はカレー界における優等生」とのこと。「普通の材料をつかってこれ以上おいしくつくれない」と太鼓判を押すほどなだけに、とにかく一度はつくってみる価値がありそうです。
3つのカレーレシピの他にも、「ご飯の炊き方は好き好きで」「煮込めば煮込むほどおいしくなるという誤解」といったコラムや、スーパーでの材料の選び方など、本書にはカレーにまつわるあれやこれやが盛りだくさん。読めば今日にでもつくってみたくなる、なんなら今すぐスーパーに材料を買いに走りたくなること間違いなしな一冊となっています。皆さんもぜひ本書で、いちばんおいしい家カレーをつくってみてください。
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