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【OLDCODEX】 積み重ねてきたものが見事に表れたアルバム

制作チームが新たなかたちになり、完成した5thアルバム『they go, Where?』。“未来を見据えて作ることができた”と語る本作は、よりOLDCODEXらしさを増しながら、ライヴでの盛り上がりが想像できる作品に仕上がった。
L→R YORKE.(Painter)、Ta_2(Vo) (okmusic UP's)
ただ過去をなぞるだけではなく、 自分たちをアップデートできた

──今回はだいぶ難航したようですが。
Ta_2
「このアルバムの制作途中でディレクターがチームから外れることになったので、それは大きかったですね。それまで、ディレクターがやっていた仕事も、俺が直接関わる場面があったり、チームとして、スケジュールや予算管理を再度見直したりなどして。インディーズで初めてのアルバムを作った時に戻ったみたいな感覚でしたね。まぁ、そもそも今作や今後のライヴに対する考え方にずれが生じてきてて、よくある方向性の違いでメンバーが脱退したみたいな、そんな感じですよ。ただそれがディレクターという重要な立場だったので、だいぶ大変だったわけだけど(笑)。」
YORKE.
「でも、俺らとしてはディレクターがいなくなろうが、どんな状況でも、そこで歯を食いしばって作ったモノ…スタッフや参加ミュージシャンのみんなも。その人たちと共有したモノを“肌で感じてくれ!”と伝えたいです。それで作り切れたことが、俺の中ではすごく大きい。」
──結果として、さまざまなことがあった中での感情から生まれた曲たちであるという。
Ta_2
「そうですね。制作期間中の瞬間的な感情とか、それ以前に積み重ねてきたものが、見事に表れたアルバムになったと思います。そういう意味では、OLDCODEXという箱をひっくり返して、1度中身を広げてみた感じかな。」
──地力が必要だったということなのでしょうね。しかし、OLDCODEXは順風満帆にはいかないバンドですね。
YORKE.
「それだけ人と一緒に作ってるということ。それに、作りたいものに対してわがままなんだろうね。」
Ta_2
「大変だったけど、決して言い訳はせずに、未来を見据えて作ることができたのは良かったよね。積み上げてきた7〜8年がしっかり背中にあるんだなと思った制作だったし、背中を押してくれるみんなの想いも感じたし。だから、すごくライヴのことを考えながら作りました。“ライヴハウスでこれをやったら”とか、“フェスでこういう曲をやったら”とか。なおかつ、ただ過去をなぞるだけではなく、自分たちをしっかりアップデートすることもできたと思うし。」
──アルバムタイトルの“they go, Where?”にはどういうイメージが?
YORKE.
「ツアーを見越して、“これからどこに行こうか? ツアーでその答えを見つけよう”みたいな感じです。タイトルを付けた時はディレクターがまだいたので、当時と今では“they”の意味が変わってるんだけど、それでも真ん中にいる俺たちふたりは変わっていないというメッセージも感じてほしいです。リード曲の「Where’d They Go?」の曲名もアルバムタイトルに関連付けてるんだけど、“あの頃の俺たちはどこへ行ったの?”みたいな感じかな。」
──「Where’d They Go?」はすごくシンプルな音数だけど、お客さんと一緒に楽しめるサビがあって。
Ta_2
「シンプルというのはその通り。凝ったことはいっぱいやってきたから、より自分たちの良さを伝えるために削ぎ落として、手数を減らしたみたいな。細かいギミックは他の曲でいくらでもやっているし。イントロのシンセ、ギターリフ、ブレイク後の間奏などは、アレンジャーと一緒に“シンプルでカッコ良いフレーズ”を目指して考えました。アレンジャーとしてeba,、小山寿、大村真司という3人がクレジットされているんだけど、3人それぞれの良いところを抽出して、俺がまとめていくみたいなかたちでしたね。」
──その「Where’d They Go?」は日本語がメインの歌詞で、他に「Julio」や「smiling」とかもそうですけど、曲調も分かりやすいものになっていますね。
Ta_2
「確かにそうだね。特にその2曲に関しては、今までのライヴでオーディエンスと一緒に積み上げてきたものが曲になって表れていると思う。そういう意味では、ファンのみんなから引き出してもらった感じです。」
──「smiling」はストレートな青春パンクで、ここまでファンに寄り添った歌詞は今までなかったですね。
YORKE.
「前回のツアーでもさまざまな経験をして、歌詞を書いてて、ライヴの時に目の前にいたファンの顔がパッと浮かんだんだよね。なので、歌詞はライヴのMCで言ってきたようなこと…“ライヴが終わって、帰りに笑っててくれたらいいな”というメッセージをそのまま書いています。」
Ta_2
「こういうアプローチって意外とやってこなかったと思って。ここ数年はワンマンでライヴを重ねることが増えて、そこにおける気持ちを消化して、曲として結実させたいと思っていたんです。今の自分たちはこういうものを積み重ねてきたんだよと。ライヴを重ねるごとにどんどん新しく上書きされていることも知ってほしいと思ったし。」
──今までもそういう曲はあったと思いますが。
YORKE.
「よりストレートに歌詞を書いた曲も入れたいと思っていた…特に「smiling」は楽曲もストレートだったから、比喩的な表現を使わずに気持ちを素直に歌ったほうがOLDCODEXっぽいだろうと思って。逆に「Julio」は7月に降った雨が乾くという内容で、6月の未練みたいなものを感じさせながら、自分の中の世界観へ真っ直ぐイメージして書いているかな。」
──ある意味、素直になったというか。今までは重い鎧で固めていたようなところがあったので。
YORKE.
「それもスタッフが外れたことが大きいかな。イメージの部分であるとか、統制していた人がいなくなったから。今回はそれを自分たちでやることになって、自由になったところはあったと思います。」
──「smiling」はファンが聴いたら嬉しいでしょうね。
YORKE.
「感じるものはあると思うし、感じてほしいね。ラジオで「Julio」と「smiling」を初オンエアの収録をした時は、すごくエモい気持ちになりましたよ。「Julio」は最後の《There we go》からの畳み掛けが本当に気持ち良くて。ここはアルバムタイトルの“they go, Where?”とも通じている部分だし、一番言いたいメッセージが詰め込まれていますね。“自分の個性を捨てるなよ”みたいな。」
──正直言って、こういう真っ直ぐにぶつかってくる曲をもっと聴きたかったからすごく嬉しいです。
YORKE.
「今回のアー写も象徴的だよね。青空バックに撮られた写真。映ってる俺らもどこか抜けた表情で(笑)。他にカッコ良いシチュエーションとか候補はたくさんあったけど、俺もTa_2もこれがいいってなった。」
Ta_2
「でも、今までもこういう曲はなかったわけではなくて。「WALK」とか「Landscape」とかはライヴでは必ず盛り上がって、それこそイントロのギターリフ一発で“おお〜!”と歓声が上がってたし。でも、OLDCODEX全体の印象としては、もっとヘヴィでラウドな方向だったと思うんだよね。だから、アルバムで「WALK」に通じるような曲を毎回入れることで、こういう面もあるんだと認識してほしかった。」
YORKE.
「ライヴで使える武器が増えたって感じかな。」
悩みとか打ちひしがれたものを 払拭したいと思いながら作った

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