新社会人に贈る言葉
今回は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。
新社会人に贈る言葉
みなさん、こんにちは。藤沢数希です。来週からいよいよ新社会人になる『金融日記』*1 の読者の方も多いと思います。そこで、僕から新社会人のみなさんに、いくつかアドバイスしたいと思います。がっかりするような話かもしれません。耳が痛い話かもしれません。でも、みなさんにいくつか気をつけてほしいことがあります。それを今日はお話ししたいと思います。
*1:『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/
まず、一流企業に就職が決まった男子のみなさん。おめでとうございます。しかし、大変きびしいことをひとつ言わないといけません。みなさんは一流企業の名刺を持ち、幾ばくかの金を稼ぐようになり、さぞかしモテるようになると期待していることでしょう。しかし、はっきりと言っておきます。あなたたちは全くモテなくなります。信じれないぐらいに。これは生物学的に明らかなことなのです。
あなたたちは、企業というサル山*2 の最下層に組み入れられます。人間というのは、無意識の内にヒエラルキーを作り、その力はどんな論理よりも強いものです。本能に根ざしたものだからです。企業というサル山の中で、最下層に組み入れられる君たちが、学生のころのように肩で風を切りながら、廊下の真ん中を歩いていたら、上位のサルから次々に攻撃されます。だから、最初はいきがっている新人も、すぐにシュンとおとなしくなります。本能的に命が危ないと察知するからです。最近の学生は賢いので、入社する前から組織の最下層の人間としての振る舞い方を身につけている人も多いようです。いずれにしても、入社後数か月もすると、全ての新入社員が最下層の人間としての自覚を持ちます。少なくとも、そう自覚しているというフリをするようになります。それができない人間は、自ら会社を辞めていくか、辞めさせられるだけです。幸いなことに、君たちは自由が保証された日本という資本主義の国*3 に住んでいます。君たちは自由です。ただし、大変言いにくいことですが、君たちが持っている自由というのは、会社を辞めてもっと貧乏な暮らしをする自由だけです。もちろん、あなたがロックスターになるというなら話は別ですが。余談ですが、僕自身はロックスターにはなれそうもありませんでしたから、会社を辞めてもっと貧乏になるという自由は行使しませんでした。
*2:「自分のアタマで考えよう、ちきりん」2012年02月06日『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51886778.html
*3:「日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません、藤沢数希」2011年10月15日『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51863655.html
たとえ最下層のサルであったとしても、子どものころから勉強して、いい大学に入り、いい会社に入った君たちは、世間の中ではモテるほうではないかと思うかもしれませんが、決してそうではありません。なぜならば、最下層の男子からは、テストステロンというホルモンが急速になくなっていくからです。女子は、このホルモン物質の分泌に極めて敏感で、これがない男にはなかなか股を開かない*4 のです。だから、この男の闘争本能を司るホルモンが抜けた君たちは、本当にモテなくなります。学生の頃はイケメンで意気揚々としていた男も、入社後数か月もすると見事に色気がなくなり、カサカサした魅力のない男になっていきます。会社組織とはそういうところです。そして、居酒屋の店長だとか、引越屋さんのリーダーみたいなテストステロンがもりもり出ている、低学歴で、おそらく君たちより低収入な男のほうが、はるかにたくさんの女とセックスをしています。残念ながらそれが現実というものです。でも、現実に耐えてください。なぜならば、耐えることしか君たちには選択肢がないからです。
*4:「なぜ、若い男は深刻なセックス不足に陥っているのか?」2005年07月02日『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/26941044.html
それでは次は女子のみなさんにお話ししましょう。まずは新社会人になられたことを心から祝福したいと思います。そして、君たちはこれからこの世の春と呼ぶにふさわしい人生の絶頂期を経験するでしょう。一言でいえば、君たちはこれからモテにモテてモテまくります。ロックスターになれない新入社員の男子が、会社という巨大なサル山で奴隷としての人生をスタートさせなければいけないのとは全く対照的です。あなたたちは、ちょっとしたプリンセスだと思ってもいいでしょう。AKB48でもスターになれるのですから、あなたの顔面偏差値でも十分プリンセスになれます。そこは自信を持っていい。なぜならば、男の人というのは、若くて、ちょっぴり可愛くて、あまりものを知らない、おっぱいのプリプリした女子が好きで好きでたまらないからです*5。一言でいえば、若い女子は、よっぽどのデブとかでなければモテます。まるで、巨大なアリ塚のそばに落とされたクッキーの欠片にたくさんのアリたちが群がるように、あなたの股の間の秘密の蜜ツボにありつこうと、たくさんの、本当にたくさんの男どもがあなたに言い寄ってくることでしょう。めんどくさい仕事はゴミのような同期の男子にやらせて、毎晩毎晩、違う男と高級レストランで食事をすることだって、簡単にできるでしょう。なんせあなたはプリンセスで、同期の男子は奴隷だからです。
*5:「高学歴トラップ -なぜ高学歴女は売れ残るのか?-」2005年06月18日『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/25610490.html
ほとんどの企業は株式を発行したり社債を発行して市場から資金を調達することができません。ほとんどの企業は、地方銀行の若造に頼み込んで、ようやくお金を貸してもらえるのです。あなたが勤める会社のほとんどの男もやはり外部から女を調達する能力に欠けています。だから、社内の人間関係を使って、なんとか女にありつくしかないのです。彼らも必死なのです。新入社員の君たちをめぐって、社内のあらゆる階層からアプローチがあるはずです。
しかしここで気を付けないといけないことがあります。あなたたちのような若くてものを知らない女がモテることに非常に苛立っているグループが、あなたの会社にいるということです。先輩女子社員たちのグループです。彼女たちにはとにかく気をつけてください。目を付けられと、給湯室などでしばきあげられます。時には先輩女子社員たちのイジメで命を落とす新入社員だっているのです。だから、先輩の女子社員のグループの中で、誰がボス猿なのかいちはやく見極めてください。そして必死にコビを売ってください。ボス猿的な女子社員が複数いる場合は、大変やっかいな状況です。往々にしてボス猿同士はいがみ合っているからです。片方のボス猿にコビを売っているのを、もう片方のボス猿が快く思わない可能性が非常に高いのです。こういう場合、どっちのボス猿につくか思い切って決めてしまうか、もしくは両方に器用にコビを売り続けるしかありません。片方のボス猿に賭けて、あなたがついたほうが権力闘争で敗れると、あなたには悲惨な運命が待っています。かといって両方のボス猿に同時にこびるのは相当な技術が要求されます。あなたの健闘を祈ります。ところで当たり前ですが、力を持っている女子社員のお気に入りの男の気を引くなどということは絶対にやめてください。それは自殺行為というものです。人間死んだらおしまいです。
また、社内の男性と肉体関係を持つのは、本当に最後の最後にしてください。できることならば絶対に避けてください。あなたが社内の誰かとセックスしたことが、他の女子社員にバレたらあなたはまず間違いなく「ヤリマン」と呼ばれるようになります。今度は、先輩社員だけではなく、同期の女子からも総スカンを食らうでしょう。なぜならば、女性はヤリマンが大嫌いだからです。これは日本の製鉄メーカーが、アメリカに安くて品質のいい鉄鋼を輸出しようとしたときに、競争できなかったアメリカの製鉄メーカーが国を挙げて激怒したことといっしょです。彼らはダンピングだと主張し、政治家を使って、日本のメーカーを追いだそうとしました。なぜヤリマンが同性から嫌われるのか? それはヤリマンはダンピングだからです。女性はみんな自分の秘密の蜜ツボをなるべく高く売りたい、売り抜けたいと思っています。そのとなりであなたがひとり蜜ツボの安売りバーゲンをしていたらどうなるでしょうか? 間違いなく、業界全体があなたを潰しにかかります。
それでも、女子も“たまる”ということを僕も理解しているつもりです。その場合は、なるべく社外で、それもぜんぜん違う業界でやった方がいいでしょう。もし学生のころから付き合っていた彼が、いっしょに社会人になり、サル山の最下層に組み入れられて、ぜんぜん魅力的に見えなくなったのならば、ポイと捨ててしまってもいいでしょう。なんせ、あなたはプリンセスです。プリンセスが奴隷とセックスする必要はありません。実際に、毎年毎年、僕は多くのカップルが就職と同時に破綻するのを見てきました。モテにモテてモテまくる女子が、テストステロンが干上がった同い年の彼にまったく魅力を感じなくなるからです。
そろそろ時間なので、今回はここまでです。次回は、新入社員の10年後、という題でまたお話したいと思います。心からみなさんの健闘とご健勝を祈ってます。
執筆: この記事は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。
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