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「au Design project」はレゴから始まった!? プロダクトデザイナー深澤直人に迫る

オーガニックなものを、あえて機械に取り入れる

2003年10月に発売され、初日完売という大ヒットになった「INFOBAR」に続く深澤氏が手がけたデザインケータイ第2弾は、「W11K」(03年)というaDpの歴史のなかでも異色の端末だ。唯一名前が付けられず、型番でのリリース。


「W11K」(写真左)と「W11H」

砂原「当時、auが開始した高速通信のCDMA 1X WINの最初の端末のひとつとして、『WIN』というサービス名を際立たせるために、『INFOBAR』のような強い名前を付けないことにしたんです。『W11H』の兄弟機としての位置づけで京セラさんが生産を担当したんですが、丸っこい形の『W11H』とデザインで差を付けようと。そこで深澤さんが取ったアプローチが、丸を面取りしたような角張ったデザインです。皮むきしたジャガイモのように、触ったときに気持ちがいいような」

その角張った形状から、当時は“ガンダムケータイ”と呼ばれた本機のモチーフは、なんと食べ物だったのだ。

2007年に発売した「INFOBAR 2」は、電子機器といえば、四角い形に対して、身体に優しい角のとれた形をしている。溶けた飴のような有機的なデザインを採用しているのだ。


「INFOBAR 2」

こうしたケータイデザインへの新しい挑戦は、ハードとソフトウエアの融合にも見て取れる。たとえば「INFOBAR 2」の前年に発売された「neon」(06年)。

「もなか」ではなく「ようかん」。UIへの新たな挑戦

砂原「よく深澤さんは『もなかではなくようかんであるべき』と言っていました。ハードとソフトが別々のものではなく、地続きが望ましいということなんです。そこで『neon』は、外装に赤いLED表示が浮かび上がるちょっとマジックのようなインターフェースを採用しました」


「neon」

このアプローチがもっとも顕著に表れたのが、aDpが「iida」と名を変えた後に発表されたAndroidスマホ「INFOBAR A01」そして「INFOBAR A02」だ。本機では、プロダクトとインターフェースのシームレスな融合を体現した。


「INFOBAR A01」

砂原「スマホ版の『INFOBAR』を考えたときに、当然UIだよねと。自由にカスタマイズできるからこそ、散らかった印象にならないフォーマットをつくってあげようと。そこでウェブデザインに精通した中村勇吾さんと深澤さんのタッグで、カスタマイズできるタイル状のインターフェースをつくりました。アイコンとウィジェットを同じ表層に配置して、なにが乗ってもデザインが破綻しない。下スクロールだったのも、勇吾さんの先見の明でしたね」


UIにもaDpのデザインコンセプトが盛り込まれた「INFOBAR A02」

“ようかん”という思想は、「『INFOBAR A02』で完成形を見ました」という。原点回帰のバータイプのデザインに、Androidをベースとした先進のUIが乗ったのだ。


「INFOBAR A03」

さらに、「INFOBAR」シリーズは「INFOBAR A03」(2015年)へと系譜を継ぎ発展させていった。

初代「INFOBAR」以来、深澤氏はそのときどきで斬新なデザインアプローチによって、ユーザーを驚かせてきた。“ガラケー”時代からスマホ全盛の現在に至るまで、「INFOBAR」のように長く続いてきたシリーズはほかに類を見ない。そのことからも、その仕事がいかに優れ、ユーザーの支持を集めてきたかがよくわかるはずだ。

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