お家で勉強できる子

teruyastar

今回はteruyastarさんのブログ『teruyastarはかく語りき』からご寄稿いただきました。

お家で勉強できる子

人は毎日忙しい。
いや、暇といったら暇なんだけど、忙しいといったら忙しい。
勉強しようと思うほど身が入らず漫画やテレビやインターネットやゲームに逃げたりする。
ちょっとだけ学生をみる機会があって、過去の経験含め、勉強できる子、できない子で興味深い話が聞けたのでメモしておく。

パターン1・勉強したくないけど、しないといけない

勉強はしたくないけどお金は欲しい。
努力はしたくないけど名声を得たい。
こういう動機の子はいつまでもスタートしない。

だってしたくないんだから。

よくよく聞くと「この勉強に意味はあるのか?」という将来に迷ってたり、「この勉強法は正しいのか?」と“勉強法の勉強”でずっと迷ってたり、結果の失敗だけでなく、準備段階の失敗すら心配している。

そういう子には、
「これまで迷ってた時間があれば全部試せたろ? 迷路脱出は片っ端から壁にぶつかるほうがずっと速いぞ」
と厳しい言葉をかけてあげる(あまり人のこと言えんけどw)。
偏見かもしれんが男子に多いパターン。

パターン2・生きていくために、勉強しなければいけない

受験戦争の弊害?
勉強をつらいものと捉えすぎて、余裕ない感じ。
何か被害者意識、ヒロイック的な受難の空気を醸し出す。

残念ながらこちらからの言葉は届かない。
やらなきゃいけないことを一生懸命やってるだけ、パターン1よりましなのか辛いのかよくわからない。

パターン3・合格ライン最低限だけ勉強する

これも偏見だろうけど女子に多い。
とりあえず選択問題でも合格さえすれば、中身の理解はどうでもよく、予習復習とかあまりしない。なるべく最低限の労力で最大の効果を狙う。
飛び抜けすぎず、落ちこぼれもせず、勉強以外に大事な思い出がある。
余力がないのでケアレスミスや、トラブルに弱い。

「最低限の労力のほうが勉強キツイぞ。試験だろうが資格だろうが試験外の関連項目まとめて覚えるほうが実際は楽。記憶の定着率も理解度も上がるし、それだけ他分野への応用も効くようになって、全体的な勉強時間の節約にもつながる」
と言っても、全く聞く耳持たずワロタw

いくら体裁整えてても仕事だったらメインでは任せられんw
(任せられたくもないだろうけど)
いや、要領よく最低限のことをこなすしたたかさは、パターン1・2よりずっと評価すべきか(^_^;)

パターン4・上昇志向が強く、将来や名声のために勉強する

地位のためなら、いくら睡眠削っても勉強してやる。
名声のためなら、いくら苦しくても努力する。
貪欲でちょい傲慢。ほっといてもやる。

こういう動機は体力が持つ限り続く。
忙しくてもその隙間に勉強する。

ガムシャラが必ずしも効率良いわけではないが、睡眠、食事、運動などのライフバランスを第一に守らせるよう、近い成績の人をペースメーカーとして組ませるといい感じ。

パターン5・天賦の才

特定の科目が大好きで高得点な人。
それを学んだり、知ることが楽しいようだ。そりゃよかったなw

環境要因や、最初に尊敬する良い先生か、良い指導をする親がそれを引き伸ばした形跡も見かける。
誰か俺の才能も引き出してほしい。

で、、興味深いのは次のやつなんだが……

パターン6・上昇志向なし、勉強への興味なし、けどほとんどの科目高得点

この中で一番上昇志向がない。
勉強に意義や意味があるとも思ってない(と言ってる)。
結果をあまり意識してないのに総合点が一番高い。

特別勉強が好きというわけではないらしい。
かといって学歴や、大企業への就職、名声や金、異性にもてるためにやってるんでもないという。
もちろんそういう欲が全くないわけじゃないけど、ただその結果を目指すとだめで、自然と学歴や名声や金や異性やチャンスの選択肢が増えるから意識する必要がないと。
一見社交性は高くみえるけど、どこか壁があるように感じる。

興味も欲もなくてもなんでもこなすとか、だったら彼のモチベーションは何なのだ?
彼の独特の思考が面白い。

学歴、金、名声などの“欲や結果”をモチベーションに“勉強”するのはものすごく“矛盾”するという

つまり、金や名声や安定を得るための“勉強”は遠回りで不確かなものだと。
その勉強が何の仕事の技術につながって、どうやって金になるのか?
理屈として見えなくはないが、自分との必然性は感じられず、全然無駄なことをやってるかもしれないという焦りばかり感じる。

でも欲しいのはなるべく早い“結果”であって、“勉強”そのものではないので、“結果”がモチベーションだとそうやって焦ってショートカットし、自滅しやすい。

彼も昔はダメ人間だった

いわく、昔はもろパターン1の考え方で、自分の望みと実力の大きなギャップにただ焦るだけで動かない。
そのまま無為にTVゲームで時間を浪費するだけだったとか。

あるときホントに勉強は意味ないんじゃないかと仮定した

変に意味や結果を求めるから、勉強の矛盾や、苦手科目ができるわけで、無意味で非生産的ということなら勉強はTVゲームと同じだと。

TVゲームなら一応エンディングがある。
エンディング後も極めるならまだずっと奥は深いけど、一度クリアすれば全体のシステムが把握できる。
“強くてニューゲーム”ならチートしてるも同然。
だからこの程度のゲームはさっさとクリアしてみることにしたという。

効率のよいゲーム攻略法

楽しいかどうか抜きにしたら、ゲームのもっとも良い攻略方法は、いきなり解答である攻略本を見るか、まずEasyモードでクリアしてそのゲーム全体のシステム把握と敵のパターンを一度覚えることである。

敵が何処から出てくるか、どういう謎解きがあるか。
勉強なら単語の語源まわりや、公式の使い方を、ただ答えを見ながら何度も繰り返して覚えるだけ。

ほとんどの科目はただの“覚えゲー”(敵の出現パターンを覚えるゲーム)だそうだ。
それがいやらいしい敵配置だったり、見えないところからレーザーを打つ初見殺しだったりするけど、パターンや型を覚えたらだいたい応用できるという。

クリアまでの全体の行程を把握すると、どのステージもそう大きくは見えない。
後はその道のりをひとつひとつ答え見ながらパターン覚えるだけ。
悩む時間は無駄で、答えがあるならさっさと答えを見るのがポイントだという。

家で勉強するようになった

「勉強なんてくだらない。テストの結果に意味なんてない」
「意味はないけど、ただの覚えゲーなら把握は簡単だからクリアしておくか」

そう考えるようになってから、今まで一度も家の机で勉強したことない彼が、家で時間かけて勉強(覚えゲー)するようになったらしい。
この変化には彼自身が一番驚いたそうだ。
もともと興味があるわけじゃないので苦手科目という概念もなく、もちろん結果はすぐ付いてくるようになったとか。

普通は勉強の先の“進学”“資格”“就職”“金銭”“名声”“生活”などを見据えるところ、それらの結果とは頭から切り離し、ただ意味もなく必要以上に型を覚え、
“クリア”のみを目的とする。
そんな結果を気にしない彼が一番結果を手にしている。

しかもドラクエ3の“あそびにん”並に役に立ちそうにないゲーマーが、一番役に立つ「賢者」ぐらいクラスチェンジしてるのも面白い。
パターン1の「勉強って意味ないよね」も突き詰めるとそこまで昇華するものなのか。

もちろん彼に欲がないわけでも、そこまで結果を気にしないわけでもないだろうし、そういう哲学を演じて出てくる言葉でもあるんだろう。
こういうのもゲーム脳というのか、勉強の考え方としてとても参考になる話でした。

執筆: この記事はteruyastarさんのブログ『teruyastarはかく語りき』からご寄稿いただきました。

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