白麺士とはナニモノなのか?【UDON is Rock】


うどんと言えば、関西風ダシ派。メシ通編集部のYです!
さて、突如きら星のごとく現れたうどん界の超新生、
うどんアーティスト白麺士こと
小野ウどん氏をご存じでしょうか!?
ウワサでは、手打ちうどんを刻むリズムと、
ロックミュージックを融合させたパフォーマンスを
行なううどん打ち師なのだとか。
彼はいったい、なぜそんなことを始めたのだろう……。
彼はいったい、どこへ向かっているのだろう……。
某高級マンションの貸しスペースで、限定イベントが行われるというので、
さっそく突撃してみました!
会場はセレブが住むタワマン
4月の週末、午後6時半。都内某マンション前。
待ち合わせ場所に現れた、白麺士こと小野ウどん氏は「きっと尖った奴に違いない」と、内心ビビっていたんですが、会ってみると気のいい普通のあんちゃんでした。
「どうも、小野ウどんです」と挨拶もそぞろに、重そうなうどん打ち台などの機材を運びつつ、マンションのエントランス内へ。
毎回いろんな場所で活動しているそうなのですが、本日の会場は某高級タワーマンション内の住人限定キッチンスペース。お台場や東京タワーの見える、セレブなロケーションです。
しかしどうして彼は、このパフォーマンスを始めたのか……?
いろいろと聞いてみたいことは山ほどあるのですが、そのインタビューはのちほど。
百聞は一見にしかず、うどんとロックの融合までを、まずはご覧ください。
強いコシを生み出す足踏み
さて、この方が白麺士こと「小野ウどん」氏です。

きっちり染まった金髪に、白いフレームのメガネをしていて、キャラ作りはバッチリのようです。
会場のキッチンスペースへは、1人2人と徐々にお客さんが入ってきます。本日は総勢20名の前でのパフォーマンスの予定だとか。
早速、小野ウどん氏は準備に取り掛かり始めました。
と言っても、まずは「足踏み」の作業から。

これはうどん玉。大きさは、ガチョウの卵くらい(?)。ひと玉約10人前です。
この玉は、事前に何度も何度もこねて、下準備をしてきているそうです。
これを、

足踏み!
踏み踏みして、うどん玉を、平らにしていきます。
※画像は当然、小野ウどん氏の足。

かなりのパワーがいるようです。全体重をうどん玉に乗せています。
この作業のあるなしで、うどんのコシや弾力が、全く変わってくるのだとか。
これでうどん玉の準備は完了です。
リズムに乗って打つ! 打つ!
さあいよいよ、ロックと融合されたうどん打ちのパフォーマンスが始まります。

東京の夜景のバックがきれいです。
写真ではわかりませんが、彼の周りを20人ほどの観客が囲んで、ヒューヒューと盛り上がっています。
小野ウどん氏の前口上が始まりました。
「曲の途中『うどん is ロック!』のところで一緒にシャウトしてください!」
彼がそう叫ぶやいなや、ポータブルステレオからロックがかかりました。
三味線の音なども混ざっていて、さながら和風ロックのような趣き。
「これがロックかよ、ってよく突っ込まれます(笑)」と自虐ネタ。
でもかっこいい!

※実際には、ロックが流れています。動画はのちほど!
麺棒で、さらにうどんを平らに延ばしていきます。

ロックのリズムに合わせて荒ぶる白麺士。
うどん is ロック!!
うどん is ロック!!
うどん is ロック!!
お客さんも盛り上がっていきます。

ロックのリズムに合わせ、ッカッカッカッカ……!
とこの大ナタのような器具を上下させて音を小気味よく鳴らし、微妙に器具を左へずらしながら、うどんを同じ細さに切っていってます。指を挟みそうで見ていて怖い。
※実際の動作は、めっちゃ速いです!
そして……

麺完成!
どや〜!! 拍手!!
これぞ謹製「うどん刺し」
ここからは後半戦。
うどんの鮮度が落ちないうちに、間髪入れず湯の沸く鍋の方へ。

うどんの束を、グツグツと沸き立つ湯の中へ、

わしゃああ!!!

麺をバラすように、ハラハラとうどんをお湯の中へ落としていきます。

うどんが湯の中でひゅるひゅると踊っています。
……待つこと20分後。

仕上げに、じゃぶじゃぶと冷水で締めます。

っじゃっじゃと洗うように粗熱を取り除き、

龍の如く!

完成!!!

小野ウどん謹製うどん刺し!!
ネギとごま、そして醤油を入れただけのシンプルな醤油うどん。彼はこれを、麺のうまさを最も味わえるうどんの刺身、名付けて「うどん刺し」と呼んでいます。
さっそくいただきました。

どうですか、この艶とシズル感!

う〜ん、コシがあってうまい!
本場の讃岐うどんを堪能できます。
※動画でパフォーマンスを見てみたい方へ。PV動画はこちら
白麺士 小野ウどん【最新PV】
UDON is Rockへの軌跡
さて、うどんパフォーマンスとお食事が一旦落ち着いたところで、なぜこうしたパフォーマンス活動を行なっているのか、ご本人にお話をうかがいました。

── もともとそばの方がお好きだそうですが、なぜうどんをやり始めたのか教えてください。
「以前は営業職をやっていたんですが、何をやっても続かない性格で……それで、職人への憧れや、麺類が好きだったこととか、日本が好きだったり、作ることが好きだったことなど、いろいろ考えて会社を辞めて、うどん屋さんで修行してみようと。そこで東京の名店の門をたたきました」
── どれくらい修行したんですか?
「新宿の『慎』で1年、水天宮の『谷や』で2年修行して、2016年4月に店舗を構える形で独立しました。うどん職人にすっかりハマってしまって、キツかったですけど、飽き性の僕がまったく飽きませんでした。うどんは生き物だとよく言われますが、食べることより、作ることの難しさ、面白さにすっかりハマりました」

── そこからどうして、うどんとロックのパフォーマンスへ?
「最初は、独立してからお店を持とうと考えていたんです。でもいきなりお店を構えても、自分にはブランドも資金もないし勝算がない、と考えて、出張うどん打ちを始めました。そのうち、元々、学生時代にバンドをやっていたので、音楽と組み合わせたら面白いかなとひらめき、うどん打ちと音楽とを合わせてYoutubeに上げ始めました」
── 今のスタイルを確立するには、かなりの試行錯誤があったと察しますが。
「修行中、見せながら魅せて作るうどんに魅了されたこともあり、そこから、何かしらパフォーマンスにできるんじゃないかと工夫を重ねましたね。そしたらだんだん面白いと声がかかるようになっていき、オリジナルの楽曲を作ってもらったりして、徐々に形になって、現在に至っています」
職人の伝統技を後世に残したい
── 今後はどうしていきたいですか?
「パフォーマンスを極めるつもりはなくて、そもそも讃岐うどん職人の伝統技を残すことが本来の目的なんですね。いま、讃岐うどんの職人は、機械化によりどんどん減っています。職人を目指す人が途絶えるのはとてももったいないこと。だから、パフォーマンスをすることで、若者がうどん職人を目指したくなるかっこいい職業にしたい。また、クラウドファンディングでお金を募り、ニューヨークでのうどん打ちパフォーマンスを実現させようとしています。その活動で、パフォーマンスにシビアかつ公正なニューヨークの人々を湧かせる事で、讃岐うどんの職人技が世界に通じるいう事を証明したい」

── ある種、伝統保存会的な役割を担っておられるのですね。
「そうだといいなと思っています。今は、イベントやパーティー会場に招かれたり、御茶ノ水の渡部商店というショットバーで火曜日だけうどんバーをやらせてもらっています。とにかく誰もやったことのないことなので、この活動を通じて職人の存在価値や技を伝えていきたいです」

ポップなパフォーマンスの裏には、熱い思いと志を秘めていた白麺士。
気になった方は、彼のFacebookページに上がっているイベント欄をチェックしてみてください。クラウドファンディングの情報も載っています。
※この記事は2017年5月の情報です。
書いた人:メシ通編集部

メシ通編集部です。 Twitter:@mesitsu
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