汁無し台湾ラーメン「皿台湾」こそ男の中の男メシだ! 名古屋「人生餃子」

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パンケーキやローストビーフ丼などのブームはInstagramやTwitter、FacebookなどSNSでの拡散がその一翼を担ったと言っても過言ではない。

今や飲食店は女性がスマホで写真を撮りたくなる、フォトジェニックなメニューが求められているのだ。

名古屋で生まれて全国に広がった「台湾まぜそば」もその一つだろう。真ん中に卵の黄身が鎮座し、ネギやニラ、のりなどが美しく盛り付けられた様はたしかに絵になる。

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※ 写真はあくまでイメージです

私も食べに行ったときに写真をFacebookにアップすると、ものすごい勢いで「いいね!」が付くもんな。「台湾まぜそば」を出すお店に女性客が多いのはSNSの影響もあると思う。

批判を恐れずに言わせてもらうが、人は、とくに男性の場合は食欲へダイレクトに訴えかけるものを目の当たりにしたとき、スマホを向けるよりも先に箸を動かしてしまうのではないだろうか。

それゆえに一部マニアには絶大に支持されてはいるものの、未だ全国区になっていない隠れた名古屋めしがある。しかも、それは「台湾まぜそば」と同じく、汁無しの台湾ラーメンで、その名も「皿台湾」

この「皿台湾」こそ、名古屋めしの秘密兵器といってもいいかもしれない。

5分足らずで一丁上がり

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「皿台湾」を出しているのは、中川区八剱町にある中華料理店「人生餃子」

お店の周辺には多くの工場が建ち並ぶ準工業地域だ。

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店内はいかにも町の中華料理店という庶民的な雰囲気。

とりあえず、「皿台湾」(650円)を作っていただくことに。

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油通ししたモヤシにニラとミンチと合わせて強火で炒める。これに、ニンニクや鷹の爪をくわえてピリ辛でパンチのある味わいに。

ちなみにモヤシは1人前当たり、ちまたのスーパーで売られている一袋分よりも多い約280グラムも使用しているとか。

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同時進行でゆでていた麺の上に具材をのせたら出来上がり。調理時間は5分足らず。お昼時や週末ともなると、ほとんどのお客さんが注文するためフライパンを振りっぱなしになるという。

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これが「皿台湾」。盛り付けは無骨そのもの。

だが、見るからにうまそうなこのビジュアルでヤラレてしまう。

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写真を撮るよりも一刻も早く胃袋に沈めたい……。

そんな衝動に駆られたものの、何とか堪えた。そして、実食。ニンニクと唐辛子がガツンときいていて、味は台湾ラーメンそのものだ。モヤシのシャキシャキ感とやや固めにゆで上げた麺の食感が面白い。

白メシの上にのせてかっ食らいたい!

いや、キンキンに冷えたビールもテッパンの組み合わせだ。

スープ売切れが生んだ一品

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「もともと『皿台湾』は修業先での賄いで作ったのがはじまりです。若いスタッフにも好評で、いつか自分のお店を持ったら、これを出そうと思っていました」

そう話すのは店主の水谷伸二さん。

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水谷さんの修業先が台湾ラーメンの有名店だったことから、このお店は台湾ラーメン(写真上、650円)と担々麺、餃子を三本柱にして10年前に開店させた。

ところが、 早い時間にスープがなくなってしまうことが多々あり、営業時間内であってもお店を閉めざるを得なくなった。

そこで「皿台湾」の出番となったわけである。「台湾まぜそば」が世に出る1年前のことだった。

「汁無し台湾ではストレートすぎますから、皿にのせた台湾ラーメンということで『皿台湾』としました。何それ? と興味を持ってもらおうと。おかげですぐに看板メニューとなりました。毎日のように通ってくれるお客さんもいるので、辛さを選べるほか、いろんな味の『皿台湾』も用意しました」(水谷さん)

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こちらはミンチやモヤシにカレースパイスをくわえた「皿かれー台湾」(720円)。

いかにもパンチの効いたルックスだ。

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カレーの味はそれほど強くはないものの、ニンニクや唐辛子と見事に調和している。これも白メシに合いそうだ。

「皿たんたん麺」も大人気!

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台湾ラーメンと人気を二分する担担麺の皿バージョン、「皿たんたん麺」(740円)もある。

これからのシーズン、暑い日にこそ存在感を発揮しそうなルックスだ。

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濃厚な自家製の芝麻醤が麺に絡みまくり。麺を食べ終わった後に白メシを投入して食べるお客さんも多い。

ほかにも酸っぱ辛い「酸辣湯麺」をアレンジした「皿さんらー台湾」(720円)や、たっぷりのコーンをトッピングした「皿コーン台湾」(660円)もある。

女性も好んで食べる「台湾まぜそば」と違い、「皿台湾」はタオルを頭に巻いた肉体労働者の方が似合うと思うのは私だけではあるまい。また、他店がまねたりして名古屋から全国へと広がっていかないのも男性客らがSNSにアップする前にペロっと食べてしまうからだろうか。

「たしかに、昼は9:1で圧倒的に男性のお客さんが多いですね(笑)。しかし、他店がまねしないのは、モヤシやニラなどを炒める際の火加減や麺のゆで加減など一朝一夕ではできないからだと思うんです。ウチのような町の中華料理店の、唯一無二のメニューとして輝く存在でありたいと思っています」(水谷さん)

モヤシの油通しからはじまり、強火で具材を炒めたり、麺をゆでたりと「皿台湾」には中華としての調理技術が凝縮されている。それゆえにここでしか味わえないのである。それが唯一無二の魅力なのだろう。

お店情報

人生餃子

住所:愛知県名古屋市中川区八剱町3-61

電話番号:052-352-6118営業時間:11:

00~15:00(LO 14:30)、17:00~21:30(LO 21:00)

定休日:月曜日

※この記事は2017年3月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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