渋谷慶一郎、自身初のパリ・オペラ座公演にスタンディングオベーションの嵐
5月13日、パリ・オペラ座バレエ団のエトワールであるジェレミー・ベランガールの引退公演が華々しく幕を下ろした。同じ舞台の上には、音楽家の渋谷慶一郎と、デジタルアートとパフォーミングアーツの分野で活動してきたアンドリアン M & クレール Bが立った。
国王ルイ14世によって1669年に創設されたパリ・オペラ座。そのバレエ団は、世界最高峰のバレエ団であり、その最高位を示すエトワールは、ごくごく一部のダンサーにのみ与えられる。
2007年にエトワールに就任して以来、多くの観客を魅了してきたジェレミーが自身の引退公演に共演を望み音楽を託したのは、音楽家の渋谷慶一郎だった。
観客が固唾を飲んで見守るなか、最終公演の幕が上がり、渋谷慶一郎のピアノの音をきっかけにジェレミーが床にプロジェクションされた舞台に飛び込むところからスタート。
引退公演の特別演目でもある『Scary Beauty』は、この最終公演で5回目ということもあり、舞台上のアーティストたちの息はピッタリと合い、会場の観客を飲み込んでいった。
渋谷はグランドピアノの上に直置きしたコンピュータ、コントローラー、モジュラーシンセサイザーを駆使しながら、時にピアノソロも織り交ぜつつ、コンピュータと映像のシンクロナイズも完璧なタイミングで進行し、圧倒的なフィナーレを迎えた。
公演後は10分間に渡る鳴り止まないスタンディングオベーションで観客から迎えられ、各界のセレブリティからバレエファン、そして稀代のスターの引退公演を一目見ようとガルニエ宮の席を埋め尽くした超満員の観衆は、惜しみない賛辞を舞台上のアーティストたちへ送った。
本公演のタイトルにもなった『Scary Beauty』は渋谷慶一郎の提唱している最新のコンセプトで、今後も様々なプロジェクトで展開していくことが決まっている。
また2015年から「The Way of the rabbit」「Parade for The End of The World」など、いくつかのパフォーマンスをパリで発表してきた渋谷とジェレミーは、2018年以降、共同で作品を発表していく予定があるとのこと。
photo by KOS-CREA

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