“テニミュの産みの親”片岡義朗にロングインタビュー 『カンタレラ2012~裏切りの毒薬~』ボカロミュージカルへの想い

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-:今回もPさんの協力の下、また曲のアレンジメントを?
片:今回、アレンジは別の人に頼むつもりでいて。前回はアレンジを全部をPさんがやった訳じゃないんだけど、Pさんにもアレンジをお願いした曲もあります。今回はでも、それを全部、アレンジも、Pさんがつくった原曲もある一人の編曲も出来る作曲家にお願いして今書いています。

-:それはPさん的にはOKということで。
片:OK。はい。

-:今回のカンタレラの見どころといったらなんですか。前回からのクオリティアップっていうのもあると思うんですが、話も変わるんですか。
片:一番の見どころは3曲が持っている物語性が歌の中で歌われている状況がその通り物語の中に組み込まれたんですよ。前回はそれをやろうとして作りきれなかったんですね。なのでカンタレラの原曲の歌詞に出てくるシチュエーションは丁寧にその通りに作ろうと思っています。それはサンドリヨンも同じで。パラジクロロの場合はある一つの状況をイメージという種よりもパラジクロロベンゼンっていうのは殺虫剤の成分だそうですよね、オワタPさんに聞いたらそうで。でもそんなに強い殺虫剤じゃないからみたいなことをいわれて。でも僕としてはある種の毒薬、人に害のあるものだと思っているので。パラジクロロベンゼンという歌詞にあまり意味がないそうなので、パラジクロロベンゼンが言葉の持つ語感を大事にした上歌う場所の設定とそこにいく流れをつくっていく事に対して、つまり3曲をどれだけ僕は尊敬しているかっていうことを是非見てもらいたい。そういう意味で3曲をずっときいて歌って動画でもアップした人達が「これならいいよ」「カンタレラをちゃんと物語にしてくれてたね」って言ってくれると思う。前回は本当にそのことをやろうと思っていたんだけど、時間切れでその時まではこれで出来たと思ってたことなんだけど、やってみたらちゃんと出来なかったなっていうのがそこが最大の悔みなんで、今回はそこはちゃんと出来た。そのために勿論本を変えたし、登場人物のキャラクターも変えたし。性格付けも変えたし、その物語性を際立たせるために、登場人物を逆に絞り込んで。

-:前は17人……。
片:今回は12人で、5人減ったんですね。そういう事をしたんです。作曲家も前回はボカロPさんの中の一人の方に編曲をお願いしたりして、そうじゃない人は別の作曲家に音楽作ってもらったりで結構まちまちだったんだけど、もう完全に前回じゃない新しい作曲家に原曲の編曲も含めて新曲の作曲とアレンジも全部一人の人にお願いして音楽イメージも相当な打ち合わせを重ねて統一されたイメージを出るような作り方にして、その分野にしても見てもらいたい。ボカロ曲に対して上手くストーリーの中にボカロ曲を生かしきれたっていうのが僕の感覚ですよね、それを是非見てもらいたい。

あともう一つはチェーザレ・ボルジアとルクレツィア・ボルジアという兄妹の愛の物語なんですね。前回の公演でいうとチェーザレの物語の性格がすごく強かったんだけど、今度は二人の愛の問題っていうことに重点をそっち側にうつしています。チェーザレの心理だけじゃなくルクレツィアの心理も追いかけて、2人の間の物語にしようという大きな流れですね。それにジョバンニ・メディチという渡辺大輔くんという役者さんがやる人間が二人の愛により前回よりも濃く絡んでくるという、三人の愛の物語。と、どうしてもそこにサヴォナローラという怪僧ですよね。この怪しげな僧侶を性格をもっと色濃くしたので、このチェーザレ・ボルジア、ルクレツィア・ボルジア、ジョンバンニ・メディチ、サヴォナローラという4人の関係で物語が大きく動いていく。そこにクラウディアという高級娼婦の女性とホアンという弟が絡んできて、この6人が織りなす物語。登場人物を少し減らして物語の主体をはっきりしたので、物語としてはわかりやすくなったと思います。

今回は時代考証をきちっとしました。時代考証って、それをやったとしてその通り実現できるかというのもあってかなり難しいんですよ。イタリアって全部石造りの建物なのでセットを全て石造りにするってかなり難しい。法王家の話なので超豪華なタペストリーとか大きな天井の高い部屋にシャンデリアがあるとか。そういう実際のイタリアの中世の権力者の家の中とか通りを再現するって無理じゃないですか。前回は時代考証をどうしようかってなって、時代は無視してある種「ある時」っていう風な時代にしようかっていう発想があってやってみたんだけど、やってみると時代考証は物理的な障害の限度の中で、ここまでだったら出来るっていう出来る限りのことをやろうっていう風に思っていて、衣裳が一番良い例なんだけど、衣裳に関してはかなりその時代に近づけた衣裳にしよう。ただヘアメイクとかって事になると時代考証通りにやるとやっぱり作りきれないっていうのがあって、セットもそうですよね。全部を完璧に時代通りにやるっていうのは相変わらず出来ないので、でも出来る事の中で一番近いところでやろうということに変えたので、より中世イタリアに近づいたと思います。その辺も見どころの一つですね。

片岡義朗

-:今年のニコミュの抱負とか今後ニコミュはどうしていこうかなとかあれば。
片:ニコミュは相変わらず企画の狙いとしては、なんでこんなものが関係があるんだよみたいなのを、色んな事をやるという意味では企画は色んな事をやりたいなって思ってます。もうひとつはニコファーレという非常にニコ動にとって大事な設備があるので、ニコファーレの中でミュージカルをしたいなっていうのがあって、これが準備中です。

-:オーディションをやると小耳に挟んだんですが……。
片:ニコミュのオーディションはカンタレラではやったんですが、オーディションを番組にして見せるかというのは、やりたいと思いつつもなかなか難しいんですね。やれる企画をある絞られた企画の中でやるかもしれない、やりたいと思ってますね。あ、さっき言ったけどボカロ曲って別にカンタレラ、パラジクロロ、サンドリヨン、トラボルタさんのココロ、その前の東方見聞録では色々な音楽を使わせて頂いたけれども、それらだけじゃなくてもっと沢山のヒット曲があるんですね。その中に歌詞の中にドラマ性があるものがあるので、そういうものを取り上げてやらせて頂きたいとボカロPさんにしたいなと思っています。それがひとつ大きな方向としてはこれからもずっとやり続けたいと思う方向ですね。

-:わかりました。ありがとうございました。

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