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“テニミュの産みの親”片岡義朗にロングインタビュー 『カンタレラ2012~裏切りの毒薬~』ボカロミュージカルへの想い

片岡義朗

-:結構短いスパンでの再演となっていますけれども、これを再演する事に決めた理由とか。 なぜカンタレラなんでしょうか。
片:つくることが物凄く難しかったんですよ。そういうことを言うと、お金とっておいてなんだよっていう声が起こるのをわかっているんだけれどもでもやっぱりモノづくりの過程ってその時、そのベストを作るんですよね。でもその時ベストでも、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月経てば知恵が出てくるんですよ、後から。あれはこうしておけば良かったっていう、ひとつやったことの反省もあるし、そうしたらやり残したことがものすごく沢山あって、8月のカンタレラに関して。これはやり残した事をどうしてももう一回やらないと、あの3曲の音楽を作ったボカロPさん達に申し訳ないと思ったんだよね。非常に完成された音楽ですよね、3つとも。その素晴らしい音楽を3つ積み合わせて一つの物語にしてドラマにして、舞台にのせて、完成されたミュージカルとしてつくりあげる。去年の8月3日の段階で出来る限りの努力をして作り上げたものが、その時のベストだったんです。そのベストに対してお金を頂戴するということで行って。そのベストをやって、お金を頂戴して、自分も観客の一人としてずっと観ていて思った事・感じた事、演出家が感じた事、色んな人が感じた事、アンケートを書いて頂いたお客様の声で感じた事、生放送できたコメント、色んな意見を人からももらうし、自分でも感じたことの中でやっぱりこういうところが足りてないな、こうした方がもっと良かったなって思う事が沢山でてきて、それをもう一回作り上げないと、3曲をつくってくれた人に申し訳ないし、あの曲を聞いてファンになって愛でてくれている人にも申し訳ないし、自分としてもどうしてももっと良くできるはずだ、っていう思いが消えなくて、その思いが消えない内にどうしてもやりたかったって事ですね。2年経ってじっくりつくるという選択肢も勿論あるんだけれども、やっぱりそこを待てない。

-:ちょっといやらしい質問なんですが、その不満点っていうのは役者さんっていうのにもあるんですか。今回結構役者陣がガラッと変わっている印象なんですけども。
片:そうは全く思っていなくて、個々の役者さんの技術的なレベルがまちまちだっていうのは、プロデューサーとしてはやる前からわかってやっているので、プロデューサーの判断の問題なんですよね、僕が悔しいと思うのはね。自分がそういう判断をして行った事に対して、出た人たちの100の力を引き出せていないんですよ。役者のプロじゃない人が出てきて舞台を作るんだから、当然プロの役者と技術的なレベルで開きがあるのはやる前からわかってるんですね。わかっている技術的な開きをどう埋めるかっていうのはプロデューサーの仕事なんですよ。勿論、個々の役者さんがその人なりの最大の努力をすることが前提ですよ。それはもちろん皆してるんですよ。それを120引き出さすような場の設定をする、稽古運営もそうだし、前の段階の脚本を作る段階からの話になるんだけれどもそういう事の準備がきちんと出来なかったっていう恨みがものすごくあるんですよ。役者さんに関する不満じゃないんですよ。役者さんをそういう風にしか起用できなかった恨みがあるので。それってなかなか解決し辛い事なので、今回はプロの役者さんだけでやろうかなっていうのは、これが上手くいったら次に3回目やれるかもしれない、4回目をやれることになるかもしれない、そういう時にはある種、どういう舞台を作ればいいかっていうことがもう見えてきている、脚本も音楽もきちんと出来あがった思い通りにできたっていう時に歌ってみた系の人に出てきてほしいっていうのはずっとありますよ。だってボカロを育ててきたクラスタでいうと、Pさんっていうクラスタもあるし、歌ってみたの人もあるんですよ。この人たちがいなかったらこれまでの巨大な勢いの力になっていないので、カバーしてうpしてくれた人たちがいて、それを見てくれた人がいて、文化が成り立っているので、歌ってみたの人と一緒に仕事したいっていうのはすごくあります。あるけど、今回は前回の反省をして、ものすごく難しいものなんです、つくるのに。まず物語が、漫画とかアニメをのせる時は、つまり脚本があるんですよ、本来漫画原作なんだから。でキャラクターもはっきりしてるんですよ。

-:絵コンテですもんね、完全に。
片:そう。そういうきめ細かく役者さんの能力を120%引き出すような場をつくることにものすごくエネルギーを使うよりは、そのエネルギーを脚本を完成させるとか、音楽的にもっと舞台用の音楽に変換することにエネルギーをかけるとか、原曲の素晴らしいものをそのまま舞台にのせるっていうところも勿論一部分あるんだけれども、やっぱりアレンジしようとか、歌詞を変えるとか変えた歌詞と物語の整合性というか、あるいは会話から歌に入るところをどうするかとか、衣装の時代考証に時間かけてそういうことをきちんと作り上げることに費やそうと。それは稽古場で技術的なレベルがあるレベル以上の人が、集まってやる方が稽古場でトンテンカンっていう工事が出来るんですね。だからそういうことを選ぼうというのが今回の趣旨で。それで物語と音楽が出来あがって、それぞれの登場人物のキャラクターも出来あがった時に歌ってみたの人に出てきてほしいっていうのは相変わらずずっとあります。

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