平成ノブシコブシ吉村「僕は実の父親を後輩芸人として育てようと思ってるんです」映画『ラブポリス~ニート達の挽歌~』独占インタビュー(2)
本記事は連載企画となっております。
前回:平成ノブシコブシ吉村崇氏&ダイノジ大地洋輔氏に直撃取材!映画『ラブポリス~ニート達の挽歌~』独占インタビュー(1)
https://getnews.jp/archives/169563
和やかな雰囲気で進行したインタビュー、エンジンが掛かってきた平成ノブシコブシ吉村崇とダイノジ大地洋輔の本音が飛び出してきた。
―吉村さんと大地さん。お二人はとても仲が良いですが、今回の撮影を通じて親交を深めたんですか?
吉村:ダイノジさんは僕らの先輩で、ライブでもお客さんが一杯のステージだったりで、僕ら後輩からしたら憧れの先輩でしたね。
大地:一番最初の撮影のシーンで、カメラを長回しして、長台詞を言うという予定だったんですけど、どうしても……かむんですよね。台詞を。最初の頃は吉村に「何してるんすかー!」みたいなノリで、和やかな感じでやっていたんだけど、あまりにかみすぎて、結局何回も撮り直すことになって、だんだん撮影現場が殺伐とした空気になるんですよね。そこで監督に「もう……しゃーないす……ここはカットで行きましょう……」とか言われてしまって。悔しかったですねぇ……吉村にナメられたのもその時かなあ。
吉村:いや、もっと前からですよ。出会った頃から。こいつはヤベーみたいな。
大地:随分前だな! 撮影始まる前から俺ナメられてたのかよ! せっかく映画のエピソード交えて一生懸命言ってるのにブチ壊すなよ!
吉村:なんかこの人、ダメなんですよね。年上で先輩なのに、なんか放っておけないというか。大地さんにはプライベートでもお世話になっていて、いろいろな所に連れていってもらったこともありました。いや、そうでもないかな。
大地:そうでもないとか言わなくていいよ。そういうの言わなくていいじゃん。なんとなく、よく一緒につるんでるということにしておけばいいじゃん。
※様子がおかしい吉村:え、そこはどんなお店で、ジャンルがどうとか、どんなサービスをしてくれるお店とか言わなくていいんですか。
大地:その情報でどんな所に行ってるのか特定できちゃうじゃねーか!
―ああ、奥さんに言えないようなお店に行っていたわけですね。わかります。
大地:ちょっと!
吉村:とにかく大地さんは、この映画のままですね。気になる女性がいたら、その人が悩んでることを何処からかかぎつけて、助けてあげるみたいな。その人の悩みを解決して何としてもゲットする! みたいなことをやってたんですね。どんなに深夜でも駆けつけて、原チャリに乗って、タスキをかけて、頭に大人のおもちゃを二本差して。
大地:『八つ墓村』か! いや、でもそうなんですよ。なんというか、自分のなかのパッションをぶつけたい! みたいな。
―その悩みを解決してあげた後は、実際に女性と仲良くなれたんですか?
大地:それが全くダメだったんだよねー。
吉村:おそらく、学生の頃からモテなかったワケですよ。モテなかった人が、芸人になったら、もしかしてモテるんじゃないか? という期待をしながら長年頑張ってみたけど、やっぱりダメだったと。
大地:ズバズバ言うなオイ。一応先輩だぞ。
―大地さんの一連の行動は、全てこの映画に通じているということなんですね。
吉村:でも、そんな状況のなかで、素敵な女性を出会って、それが今の奥さんですからね。何があるか分からないですよね。
―大地さんの奥さんといえば、少し前に何かの番組で、夫婦生活についての再現VTRをやってましたよね。
大地:え? 何の番組だろ、わかんない。
―僕の後輩が、その再現VTRで、大地さんの役として出演してたんですよ。えーと、なんの番組だったかなー。
大地:分かった。『行列~』でしょ。
―そうです。思い出しました。『行列のできる法律相談所』ですね。
吉村:今ので大地さん、カッコつけたのわかります?
―え?
吉村:奥さんについての再現VTRって時点で既に大地さんは分かってたんですよ。「え? 何の番組だろ、わかんない」って言いながら、その話が出た時点で大地さんはとっくに『行列~』であることが分かってるんですよ。そうやって自分について特集されている番組の多さをアピールするんですよ。イヤらしいでしょ?
大地:うわ、それ今無意識でやってたわ俺! なんかすごい恥ずかしい! そうだ。俺について再現VTRなんてやる番組なんて1つしかないもん。吉村:こういうところが一緒にいて面白いんですよね。後輩に対してもすごい突っ込んでくれて。普通先輩に突っ込んでもらえることってないですからね。芸人って突っ込んでくれる人を慕って集まってくる傾向がありますから。で、プライベートでダメな部分と天然なところも相まって、大地さんを慕ってくる芸人さんは多いですよね。そこが魅力ですかね。
大地:まーそうですねー。吉村みたいな破天荒なヤツのほうが楽しいですよね。
吉村:実際のところ、集まってくる後輩たちは誰一人大地さんを尊敬してはいないというのが現実ですけどね。
大地:憧れ以前に、誰一人として俺のことを先輩だなんて思ってないですね。一応、俺こう見えても、芸歴19年なんですどね。
吉村:芸歴2~3年くらいとしか思われてないですね。何回か会社からリストラされて、脱サラしてお笑いやっているような人の感覚ですよね。
大地:どんだけバカにされてんだよ!
―吉村さんのブログを見たときに、よくお父さんが登場されるんですが、何か意図があるんですか?
吉村:そうですね。僕は親父を鍛えて、NSC(吉本興業のタレント養成所)に入れて、後輩にしようと思ってるんで。
―ほ、本気ですか!?
大地:お父さんがまた、カワイイ人なんですよ。
吉村:“父と子”という関係は絶対的で、何処の家庭でも変らないのが常識じゃないですか。僕はその常識を変えたいと思っていて、“父が子の後輩”というのを作りたいんですね。
―ちなみに、お父さんはおいくつなんですか?
吉村:67歳ですね。
大地:変わるワケねーじゃねーか。
吉村:早く親父を後輩にして、パン買いに行かせたり、ライブを手伝わせたりしたいんですよね。
―現在、実際に何か手伝ってもらったりはしているんですか?
吉村:まだですね。まだ修行期間なんで、最近“首を締めると寄り目になったり、変顔になる”という芸を身につけました。
―そこで、『Twitter』から寄せられた質問のなかに「今後、お父さんとはどういう方向に行きたいんですか?」というのがありましたね。実際どうなんですか。
吉村:いや、全く考えてないですね。
―“父と子”という概念に対してのアンチテーゼ的な哲学めいた話に発展するのかと思いきやノープランですか。
吉村:さっきも言ったんですが(前回の記事を参照)、僕の芸風はテクニカルな部分での武器が全くないので、総力戦ですよね。自分自身は尻の穴まで見せるつもりでやっているので。
大地:ああ、もう親父をも武器として使うというわけね。
吉村:見ている人からすると、テクニカルなお笑いと言われても解説できないじゃないですか。僕は先輩に対しても同期、後輩に対しても技術的にはかなわないと思っているので、僕自身の人間性とか、生活そのものを武器にしたいという思いがありますね。
大地:人間力だ。それは俺も一緒かもしれないな。
―そして、この映画の話に戻るんですが、今回の映画は女性の悩みを解決するということで進むお話なんですが、実際にお二人は女性の悩みを解決したことはありますか?
吉村:そうですね。あるにはありますけど、いざ解決という時は完璧に下心ありますね。
大地:よく女性の意見で「男女の友情はある!」なんて言う人たまに見かけますけど、男女の友情なんて、絶対にないって思ってるからね。男は絶対に下心持って接近するからね。
つづく
テレビでの破天荒キャラとは打って変わり、大地氏や父親をイジるなかに吉村氏の愛情の深さと観察眼と分析能力の高さに驚いた。実は吉村氏は、人の可能性を引き出すプロデューサーの才能があるのかもしれないと感じた。
次回、何かと話題の“吉村とファンレター”についてを徹底暴露! 芸人にファンレターを出す時のオススメ技を吉村本人がポロっと言ってしまう! 大丈夫かマジで!
(取材・文:高坂雄貴/いと、まほろば 撮影:平井永恵)
■『ラブポリス~ニート達の挽歌~』
http://lovepolice-movie.com/
2月25日(土)より、ワーナー・マイカル・シネマズ板橋他全国順次ロードショー
配給・宣伝:ジョリー・ロジャー
(c)関西テレビ放送 吉本興業株式会社
※この記事はガジェ通ウェブライターの「いと、まほろば」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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