SNS×プロレスの可能性も? 新日本プロレスの株式を100%取得したブシロード木谷社長に今後のコンテンツ展開と戦略を聞く

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木谷:それは簡単じゃないですよ。お金をつければちょっとは早い時間になるかもしれないですけど。今ゴールデンタイムに流れている放送でも、もともと23時台にやっていて、その前は1時台にやっていたものがだんだん昇格してくる。そういった厳しい予選がありますよね。

ガジェ通:ではまずイベントとしての面白さをアピールして、露出を増やしていく。

木谷:そうですね。

ガジェ通:1月31日の発表会見では、30代から50代の、かつてプロレスを観ていた人たちにもアプローチしたいというお話でしたね。

木谷:いろんな層に、形を変えてアプローチしなければいけないとは思っています。35歳から55歳の男性は、ホントに好きな人が多いですよね。でも最近は見ていない、という人が多いと思うんです。そういう人たちにいろんな形でちゃんと見せて、会場にもう1回足を運んでもらいたいです。それと同時並行で、若い層にも来てもらう努力をしなければいけないでしょう。

カードゲームと自社SNSにプロレスを展開

ガジェ通:詳しくは2月29日に発表になると思うのですが、カードゲームなどのコンテンツをプロレスでどう展開されていくのか、お話いただける範囲で教えてください。

木谷:まずはオンライン型のパソコンやケータイを使ったカードゲームを10月に出します。あと当社はスマートフォンのプラットフォームを立ち上げますので、ケータイの方ではそこともうまくリンクするように。

ガジェ通:発表会見では「我々はカードゲームというアナログなSNSを提供している企業だ」とおっしゃっていて、コンテンツではなくコミュニティなんだというのが面白いなと思ったのですが、そのプラットフォームは『mobage』とか『GREE』のような既存のプラットフォームに乗っていくのか、それとも自社で立ち上げられるのか……。

木谷:自社で立ち上げます。今年の年末まではいろんなところが立ち上げるんじゃないですかね。プロレス団体みたいに乱立状態……2団体時代から他団体時代になる。

ガジェ通:カードゲームへ展開する場合、これまでのカードゲームファンとプロレスファンは層が重なる部分はあるのでしょうか。

木谷:意外に重なるかなと感じています。当社は「コンテンツからコミュニティに」、という流れでビジネス展開をしようとしていますが、新日本プロレス自体は非常に濃いユニークユーザーを抱えていますよね。そこが実は魅力です。あとブランド力があります。ブランド価値の資産はなかなか表に出ないものですが、それも魅力でしたね。

ガジェ通:『アメーバピグ』(サイバーエージェント)で新日本プロレス選手のキャラクターが非常に人気を集めて、売り上げも上げているそうですね。思わぬところでファン層がつながっていく可能性があるということでしょうか。

木谷:そうですね。また、選手の商標権を会社が管理していますので、ほかのスポーツと比べて展開しやすいんですよ。権利が分散していないですからね。

ガジェ通:カードゲームを遊んでいる皆さん、プロレスを見ている皆さんが、今回の株式取得でどんなメリットがある、あるいはファンにどんなものを還元できると思いますか。

木谷:プロレスファンの方の中には「このまま放っておいたらもっとプロレスは衰退しちゃうんじゃないか」と危機感をお持ちの方がたくさんいらっしゃった。そういう方の中には喜んでいらっしゃる方もいます。そうした方の中にはこの流れをきっかけに当社のカードゲームを始めた方も既にいると思います。そうなるとお父さん層にはアピールできたかな、と思いますね。

当社のカードゲームは今年の1月、過去最高の売り上げを達成したのですが、2月に入っても好調なんです。カードゲーム業界の中でもどんどんシェアが上がっていて、1月にはメディアクリエイト様の調べではとうとう25%を超えました。当社の去年の売り上げは64億9000万円ですが、今年は130億円ぐらい行くと思います。2倍、60億円以上増える見込みなんです。ですので、2年かけて11億円の新日本プロレスの売り上げを30億円に持っていくのは、そんな難しいことではないと考えています。ビジネスの構造上に違いはもちろんあるのですが。1年で達成は無理かもしれませんが、3年あれば夢ではありませんね。

きっかけは『ブシロードレスリング』

ガジェ通:昨年、格闘家の長島☆自演乙☆雄一郎選手をエースに立ててプロレスの大会『ブシロードレスリング』を開催しましたよね。そちらはどのように評価されていて、今回の動きにどうつながっているのでしょうか。

木谷:評判はすごくよかったです。なぜ『ブシロードレスリング』を開催したかというと、半分は趣味ですが、もう半分は自演乙選手の活躍の場を与えてあげたいなというのがあります。

一昨年、年末の『Dynamite!』に『ミルキィホームズ』の曲で入場してもらって、キャラクターも一緒に花道を歩きました。そこで自演乙選手が青木真也選手に衝撃的な勝利を収めたあと、『ミルキィホームズ』の評判も上がったんです。アニメブルーレイなんかも非常に動いたんですよ。

そういう経緯もあって、1回ご恩を返したいというのがありました。「プロレスをやってみたい」と言うので「1回やってみるか」とやってみたのが『ブシロードレスリング』。あれによっていろいろ分かりましたね。また、僕自身に対して「この人、プロレスのことを分かってるな」という認識も広がりました。あれがあったから今回、それほどザワザワしなくて済んだのではないかと思います。「まったくのド素人じゃないぞ」という。

ガジェ通:『ブシロードレスリング』の当時、新日本プロレスとはつながりはあったのでしょうか。

木谷:新日本の選手も、中西学選手とキング・ファレ選手に出ていただきました。あと、ちょこっとスポンサーしてたんですよ、夏の『G1クライマックス』とか。去年の『G1』は冠スポンサーをやりましたけどね。

ガジェ通:当時、実際に大会を開催してみて分かったことなどありますか。

木谷:単発で自社開催するとすごくお金がかかってしまいます。自社でやると難しいです。単発でやると当然、大赤字になってしまう。

ガジェ通:でもそれがあって業界内に認知されて、今回の足がかりになったと。

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shnsk

宮原俊介(編集主幹) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長を務める。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

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