新型シビック タイプR、その真実に迫る
▲ジュネーブモーターショーで公開されたシビック タイプRの量産仕様。大きな開口部が設けられたバンパーと、エアインテークを有するアルミフードは、いずれもタイプR専用だ
ホンダがジュネーブモーターショーで隠し通した秘密とは
ホンダ シビック タイプRの量産モデルが、2017年のジュネーブモーターショーで発表された。精悍なルックスからも高いポテンシャルが予想できるが、まだ公表されていない事実は多い。
すでに詳細は決まっているはずなのだが、価格とともに発売時まではマル秘事項として伏せられるのかも知れない。ホンダが隠しておきたい新型タイプRの詳しいデータをお伝えしよう。
手始めに3サイズからお伝えしよう。勇ましい姿からも想像できるが、新型タイプRはワイドフェンダー化によって、全幅がベース車より80mm広い、1880mmに拡幅されている。
専用バンパーの採用によって、前後オーバーハングも30mmずつ伸びていて、全長はベース車より60mm長い4555mmに定められる。全高は意外にもベース車と変わらず、1430mmのまま据え置かれる見込みだ。
▲ヘッドカバーが設計し直され、EARTH DREAMS TECHNOLOGYのロゴが移設された2Lターボエンジン。先代より10psアップの最高出力320psを発生する
▲まだ未発表のエンジン性能曲線を入手した。青い線は先代タイプRで、高回転域での性能が向上していることが読み取れる
2L VTECターボは強化されて踏襲
パワートレインには、2L VTECターボが踏襲されるが、最高出力は10psアップの320psに増強される。最大トルクは400N・mを維持する模様。
スクープ班がいち早く独占入手した性能曲線を見ると、5000rpm以上でパワーの出力が向上していることがわかるはずだ。同時に高回転域でトルクの落ち方が弱まっているのも見逃せない。
エンジン性能の向上にあわせて、6速MTにも手が加えられる。ローレシオ化によって加速性能が改善される。軽量フライホイールの採用も要チェックだ。足回りには、軽量高剛性の専用アルミパーツが採用される。
ブレーキは、以前のタイプRから引き続きブレンボ製が用いられる。フロントには4ポッドキャリパー、ディスクはフェード性に優れたドリルドディスクが踏襲される。さらに、十分な冷却性能を得るために、バンパー下部にエアガイドが設けられて、前方からの風がブレーキにうまく導き入れられるという。
ボディ剛性の向上も見どころだ。これは、ベース車の基本骨格の進化によるところが大きいが、タイプR専用にドアおよびハッチゲート開口部に、接着剤が使われるおかげでもある。ボンネットはアルミで製作され、ベース車より5.3kgの軽量化を実現。
▲アクセントカラーの赤が随所に用いられたコックピット。インパネにはカーボン調パネルが装着され、足元のメタルペダルとともにスポーティな印象を演出
シリアルナンバーが刻まれ、オーナーの満足度も高い
コックピットには、フラットボトムのD型ステアリングやバケットシート、チタニウム製シフトレバー、ステンレス製ペダルが用いられてスパルタンな印象がかもし出される。
また、シフトレバー手前には、シリアルナンバーの刻まれたプレートが配され、オーナーに自分だけのMyタイプRであることがアピールされる。
シフトチェンジの際に、エンジン回転数が制御されてスムーズに変速できる、レブマッチコントロールが採用される点も見逃せない。シフトダウン時には、車の方でプリッピングが行われるからヒール&トゥを行うことなく、ブレーキ操作に専念できる。このレブコントロールは、任意でオフにすることも可能だ。
▲タイプRの前に立ちはだかる厚い壁となるのが、フォルクスワーゲン ゴルフのGTIクラブスポーツSだ。ニュルのラップタイムで、7分47秒19を記録している
ニュルのラップタイムでゴルフを負かしたい
新型タイプRのニュルでのラップタイムは、先代の7分50秒63から3秒ほど短縮される見込みだった。しかし、すでにフォルクスワーゲン ゴルフのGTIクラブスポーツSが、7分47秒19というタイムを叩き出しており、たとえタイプRが先代よりきっちり3秒短縮できても、ゴルフには勝てない。
いわば後出しジャンケンで負けるようなもので、ホンダはなんとか宿敵のタイムを破るために、いまなお最終調整に取り組んでいるのかも知れない。タイプRの詳細がまだ発表されないのは、こうした事情が影響している可能性も否定できない
※2017年4月3日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
【SPECIFICATIONS】
■予想発表日:2017年7月27日
■全長×全幅×全高:4555×1880×1430(mm)
■搭載エンジン:2L 直4ターボtext/マガジンX編集部
photo/フォルクスワーゲン、マガジンX編集部
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