砂漠の国で個展開催の村上隆、海外での「異文化交流の意義」語る
アーティストの村上隆氏は2012年2月9日(日本時間)から、カタールのドーハで個展「Murakami – Ego」を開催する。開催直前の7日、村上氏はニコニコ生放送の番組に出演し、世界で展覧会を開催することの重要性について熱弁。「ゼロから砂漠に文化を創りあげる」カタールという国を、日本で現代美術を学ぶ美大生たちにとっての「本拠地」だと表現する村上氏は、異文化交流で「日本の文化背景を伝えつつ、自分たちの主張を伝えなければならない」とし、海外での個展開催の意義を語った。
今回の個展「Murakami – Ego」では、入り口近くで村上氏自身を模した巨大バルーンが睨みをきかせているほか、全長100mの新作『五百羅漢図』といった作品が、まるで展覧会そのものがひとつの作品であるかのように配置されている。
カタールでの個展開催は、村上氏がフランスのベルサイユ宮殿で2010年に展覧会を開催したことに端を発する。村上氏によれば、会場となったベルサイユ宮殿では冬の寒い時期に観光客を呼ぶための試みのひとつとして展覧会が行われているという。「どんなに小さい展覧会を作っても数千万円かかるし、僕のような作家になると数億円かかる」というが、このときその資金を出したのがカタール文化庁だった。カタールは立国のために芸術、特に現代美術に特化した事業を行っており、そのときに「カタールでも展覧会をやると約束した」と明かした。
村上氏はカタールを「(自国の)文化を底上げしたいということで、何から何までゼロから砂漠に作っている」と説明。自分のやりたいことをやるにはあらゆる面で苦労があるというが、一方で日本には「これに意義を感じる人もいる」という。村上氏はそれが「現代美術の勉強をしている美大生たち」であるとし、ニコニコ生放送のカメラに向かって
「あなたたち(美大生は)はここ(カタールのような国)が本拠地。異文化交流をやっていくことで自分たちの文化背景を持ってきつつ、自分たちの主張を伝えなければならない」
と主張。村上氏のあとに続くアーティストの卵たちに向けて、海外で個展を開催することの意義を力強く訴えた。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]村上氏語る「異文化交流の意義」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv79992502?po=news&ref=news#23:03
(ニコニコニュース編集チーム)
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ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
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