カルボナーラのパスタは本当にスパゲティがベストなのか? 検証してみた

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以前カルボナーラの記事を書いて知りました。人の数だけカルボナーラがあると。カルボナーラを愛する人々の誰もが「マイベストカルボナーラレシピ」を持っていると。カルボナーラってこれほど愛されているパスタだったのですね。学ばせていただきました。

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私の中のマイベストカルボナーラは今のところご紹介したレシピですが、今回はパスタのほうに着目したいと思います。

冷製パスタにはカッペリーニ、明太子パスタには太めのスパゲティなど、パスタにはその形状や太さに適していると言われるレシピがあります。

(生クリームを使うレシピの)カルボナーラはクリームソース系のこってり味なので、もっとも一般的な1.7mmのスパゲティかやや太めの1.9mm、お好みによっては平麺のフィットチーネなどもありかと思います。

でも、実際に食べ比べたことはありません。ショートパスタとの相性は? 細いスパゲティだったら?

というわけで、今回6種類のパスタでカルボナーラを食べ比べ、カルボナーラと各種パスタの相性を検証してみることにしました。

用意したのはこれ。

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ショートパスタは上から一般的なペンネ、ファルファレ、フジリ。ロングパスタは左から1.4mmスパゲティ、フィットチーネ、1.9mmスパゲティです。

生クリームも卵白も使う「マイベストカルボナーラレシピ」でソース部分を作ったら、早速食べ比べ開始です。

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まずはロングパスタ、王道の1.9mmから。日本でもっとも一般的な太さはおそらく1.7mmなので、やや太めです。

うん、食感にもなじみがあるし、いつも食べる味、万全のカルボナーラです。これが基準になりますね。

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では細めの1.4mmではどうでしょう?

カルボナーラの写真だとスパゲティの太さの違いが分かりにくいのですが、乾麺状態だと1.9mmと太さがはっきり違います。

火が通りやすいこともあり、細いパスタは冷製パスタ向きと言われます。そうめんだって温かいにゅうめんよりそうめんのほうが人気あるし。カルボナーラのようなこってりしたソースに細いパスタでは、パスタそのもの味がソースに負けてしまう印象があります。

で、食べてみました。

おや? おいしいよ? ……もしかして1.9mmよりおいしい?

いや、びっくりしました。もちろん個人の好みの差はありますが、そして食べる前の評価が悪かったせいもありますが、びっくりするほどおいしいではないですか。

細いパスタはソースに負けてしまうどころか、パスタの表面積が多い分ソースとよく絡み、普段スプーンがないと上手にスパゲッティを巻けない人でも、これならフォーク1本でくるくるできてしまいますよ。これは思いがけない結果でした。

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続いてフィットチーネです。

クリームソースやミートソースとの相性抜群の平たい麺ですね。ビジュアル的にも違和感なし。

食べてみました。

……え? あれ? もしかして、今ひとつ?

びっくりです。1.4mmのカルボナーラのほうがずっとおいしく感じます。どういうわけでしょう。個人的にもフィットチーネは好きなのに、フィットチーネのカルボナーラはあまりおいしいと思えません。ミートソースだとおいしいのに…….。

太麺だけにパスタそのものの味が強いので、もしかしたら同じこってりソースでも、ミートソースのような「肉まみれソース」のほうが、相性がいいのかもしれません。

カルボナーラのようにベーコンが独立した状態で存在し、自分からはソースにもパスタにも絡もうとしない具だと、パスタとうまくコラボできないのではないでしょうか。いや、それもこじつけかもしれません。

今回6種類食べ比べた中で、もっとも事前の期待と反する結果となったのがフィットチーネでした。あくまでも個人的な感想ではありますが、結構ショックでしたこれ。

さて、続いてショートパスタです。

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まずは一般的なペンネから。

はい、なんの違和感もありません

ソースとパスタがしっかりタッグを組んでそれぞれの仕事をしています。「想像以上においしい!」ということはありませんが(もともとおいしくないはずがないという高めのハードル設定なので)、フィットチーネのような動揺を与えられることもありません。

ペンネってトマト系のソースにも合うし、シーフードとの相性もいいし冷製でもいけるし、相当な優等生ですね。

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続いて蝶々のような形のファルファレ

一般的にはクリームソースに合うと言われていますが、それ以上にこの形状をいかし、緑黄色野菜と組み合わせるなどして華やかな一品にするという、視覚的にもいい仕事をします。食感は中心のぎゅっと縮まっている分は固め、両端は柔らかめ。厚みが違うのでおのずとそうなります。

で、食べてみました。

大変抽象的な感想で恐縮ですが、最初に感じたのは「うるさい」でした。

ファルファレがうるさい。カルボナーラと協力しようとせず、我ばかりを主張する「自分は自分は」タイプ。センターが凝縮されてなまじしっかりした味がわかる分、カルボナーラのソースとケンカするんですね。

ファルファレはソースなしのレシピがいいんじゃないでしょうか。きっとミートソースともうまくやれないと思います。このわがまま娘め。

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最後はフジリです。

正直、パスタというよりスナック菓子の形状でなじみがあります、このねじれ。

フジリはオリーブオイルとの相性がことさらいいといわれています。てことは、クリームソースはNG?

そんなことありませんでした! 意外にいけますよフジリ

食べ慣れていないせいと「オリーブオイルとの相性よし」というデータにより、食べる前はネガティブ気味だった評価が逆転しました。パスタの味とカルボナーラのソースの味がちゃんと力を合わせています。

あえて言うなら、このパスタの食感は好みがわかれるところかもしれません。ねじれているパスタの食べ心地が「あり」な人は、この組み合わせはいけると思います。「ペンネはいいけどフジリは無理」という人は、カルボナーラに限らず、どんなソースでもフジリはNGだと思いました。

以上、6種類を食べ比べてみました。

1.9mmが盤石な味わいだと思っていたらむしろ1.4mmのほうがおいしく感じたこと、フィットチーネが動揺するほどいけてなかったこと、ファルファレがわがまますぎること、フジリはパスタ自体の好みに左右されることなど、いろいろ発見がありました。

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しかしカルボナーラとのベストな相性のパスタは人それぞれ異なるはず。

カルボナーラの数だけ好みのパスタがあるはずなので、今回のレポートに「お前はカルボナーラをなにもわかっちゃいない!」と嘆息される方もいることでしょう。

あくまでも椿あきらの感想です、間違ってもグローバルスタンダードだなんて思っていません。「自分だったら何ミリのスパゲティで食べるのが一番好みだろう、ショートパスタもありだろうか」など、マイベストカルボナーラに磨きをかける一助となれば幸いです!

書いた人:椿あきら

椿あきら

猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。著書に『オリンピックと自衛隊 1964-2020』(並木書房)。 Twitter:@nananatsubaki

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