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「日本は民主主義社会ではない」 大塚英志×宮台真司 対談全文(前)

 石原慎太郎さん(東京都知事)が亀井静香(国民新党代表)と一緒にくっついてどうのこうのって言うと、今度は国政レベルの問題になってきてしまうんだろうけども。どさくさに紛れて議員になれるような環境が多分、今回の新党騒ぎでできるわけだから、そのどさくさみたいなものを自覚して、宮台さん的に言えば「民度の低い人間」や自分の頭だけで「自分は賢い」「唯一(正しい人間)だ」「国を変える」とかを思っているトンチンカンな人間ではなく、もう少しまともな人間がどさくさで当選してしまったら、また変わっていくのかもしれないけど。そういうことはないだろうなとか思うんですよね。

宮台: いや、そういうことはないと思うんですよ(笑)。

大塚: ないですよ(笑)。

宮台: 維新の会等々でどさくさで議員が当選する前から、例えば小泉チルドレンとか小沢チルドレン、本当のチルドレンが議員になったりとか、単に親が議員やってるから(自分も)議員をやるというような頭の悪い世襲議員も山ほどいたわけでしょ。これって、ほかの先進国どころか中国でもありえませんよね。例えば、マスメディアの世界でも早稲田や慶應や東大を出たようなジャリンコが、名刺一つで仕事できちゃうわけですよ。(例えば)『朝日新聞』という(社名が書かれた名刺一つで)ね。

大塚: (故)金正日(総書記)の長男(金正男氏)のほうが、ずっとまともだもんねぇ。

■「”べき論”では変わらない」

「この番組も『ニコ論壇』と呼ばれているの、大丈夫なの?」

宮台: そういうことができる(ジャリンコの新聞記者が、名刺一つで仕事できる)国っていうのは、実は日本以外にはまったく存在しないに近いんですよ。(アメリカでは)基本的には、地方からだんだんと中央に出てきて、最後にワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙に行く。それは中国もまったく同じシステムですよね。(アメリカでは)政治家もそうで、村長や町長から始まって、あるいは市議会議員になったところから始まって、州知事を経て、あるいは上院議員になり下院議員になり、そして大統領になる。こういうルートがまず基本的なんですよね。実際、中央政府の議員になるとか、議長になるということは、それだけである種の実績を積んできたことの証であるし。実績を積んできたことを前提とした議論がなされる期待が人々にあるわけだけれども。

 日本の場合、政治家にそういう実績による信頼醸成なるものは、実はまったくないので。単に「今まで通りやってくれりゃいいんだ」みたいな。政策的な頭・能力を、まったく期待をしないような、簡単に言えば、政治家に対して「既得権益を温存してくれりゃいいんだ」というだけの期待だけで政治をやってきているから、世襲議員も放置されてきていたし、選挙区の不平等問題もずっと放置されてきていたし、あるいはなんとかチルドレンという本当のチルドレンが議員になる愚昧な事態も完全に放置されてきているわけで。党を問わず、日本の中央の議会は、本当に人材乏しいんですよね。烏合の衆の集まりとしか言いようが無い状況で。それ自体は別に問題じゃない。彼らが悪いわけじゃなくてね。このようなシステムが、「なぜ放置されてきたか」というところに、やはり問題があるわけで。僕はよく思うんだけど、そうした議論は僕が初めて言ったわけではなく、戦後60年ずっと言ってきているわけですけれど。それを言ってきたのが一部の論壇手なわけだけど。日本は「べき論」では絶対変わらないんですよ。「何とかするべきだ」って、まだ言ってる人たちはいるし。最近では『WEDGE』(ウェッジ)っていう雑誌が大笑い状況で(笑)。

大塚: 新幹線のグリーン席においてあるやつですね(笑)。

宮台: そう(笑)。僕もグリーン車に乗ったときに、本当に爆笑させていただくので。本当に愉快な娯楽誌になったと思いますけれども。つまり、ああいうレベルのものが論壇と呼ばれていて。このニコ生も『ニコ論壇』と呼ばれているの、どうなのこれ? 大丈夫なのか?一体。こんなところで「べき論」なんか話したって変わりゃしないから。もう、さっき大塚さんと3分ぐらい話したたけで「もういいんじゃないかな」っていう気になっちゃったんですけどね(笑)。

■橋下現象に期待する人々

大塚: うーん、まぁ、なんだ(苦笑)。疲れたな・・・(笑)。

藤岡: では、大阪の話はひとまずということで・・・。

宮台: あー、じゃあ、大坂の話続けると・・・。

藤岡: はい。

宮台: 僕、この間ちょっと関西学院大で仕事があったので、西宮市とか芦屋市とか、あの辺の人たちの話を聞くチャンスがあったんだけど。やっぱり、兵庫県の人たちも、かなりの人たちが橋下現象に期待をしてるのね。それはどういう事かと言うと、橋下さんがポジティブな存在だということよりも、橋下を批判している人たち、あるいは「従来橋下的ではなかった議会や地域の首長たちは一体何をやってきたんだ」と深い失望があって。簡単に言えば、「こちらはクソだ」って分かっている。でも、橋下は未規定だと。もしかしたら、大クソかもしれないけど、クソだって分かっているものを選ぶよりは未規定のものを選んだ方が良いと思っているわけですよ。

大塚: そのギャンブルは怖いですねぇ。

宮台: はい(笑)。

藤岡: 大塚さんは橋下さんのことを、あまりお好きではないという趣旨のことを仰っていたんですが。

大塚: 僕は左翼だから、君が代とか日の丸を強制するっていう段階で、もう嫌だもの(笑)。ただ、宮台さんの話にくっつけていけば、ずっと神戸にいるでしょう?例えば、神戸震災(阪神・淡路大震災)のときにニュースで観た長田区とか、今ああいうところに行くとコンクリートの高層マンションがズラーッと並んでて。でも、かつてそこに居た人たちはそこにいないわけですよ。あの時の復興資金がいくらだったかは全然覚えていないけど、めちゃくちゃ集まったでしょ。それを全部、ああいうもの(高層マンションなど)に突っ込んで、挙句の果てに、くっだらない「鉄人(28号)」とかを最後に残っていた金で建ててね。ルミナリエもやったのか。

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