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「日本は民主主義社会ではない」 大塚英志×宮台真司 対談全文(前)

 アジアを含めて、日本以外の国々の多くは、別に皆が、キリスト教あるいはユダヤ・キリスト教文化圏のような個人性を獲得しているわけではないし、自己決定性を獲得しているわけでもないわけですよね。血縁の縛りが強かったりとか、独裁国家だったりとかするわけですけども。その場合でも今度はその近代の資本主義的、あるいは合理主義的な原則を知らない人間たちが大勢いるとしても、その人間たちをインターフェイス役、あるいはメディエーター役、あるいはリーダー役、別として、近代資本主義の中で生き残らせるような、括弧付きかもしれませんけれども、エリートが存在したとすると。日本にそれがいないんですよね。

 そのことが要するに、日本人だけではなくて、諸外国の人たちにも急速に分かってきているということですよね。だから、経済の大きさ云々かんぬんということはそれはそれとして、残念ながら日本は民全体もさることながら、それを導いたり、簡単に言えば、それが有害な働きをしないように機能する存在が企業経営者とか政治的なリーダー含めて、非常に少ないということですよね。だからそれは「1億・総田吾作状態」ということをもって「民度が低い」と言っていたわけでございますね。

■近代をやり損なった”日本”

「『土人なんだな』という言葉がふっと頭に浮かんだ」

大塚英志氏(以下、大塚): はい。宮台さんと何度か話す機会があって、一貫して宮台さんはそういうふうに仰っていたわけだよね。以前だったらば「まぁまぁ宮台さん。それはもう身も蓋もないですから、もう少し日本人の可能性というか、民度みたいなものに期待はしていきましょう」というふうに諌めてきたわけですよね。「まぁまぁまぁ」と。ただもう前回の対談で、もうなんかすっかり嫌になっちゃってて、もうなんか「田吾作」だったら優しすぎると。「土人じゃないか」といきなりプチンと放言して、そのまま止まらなくなったような気がするんですよね。

 宮台さんが仰ったようなものとは、また違う視点なのかもしれないけど「この国は、結局近代をずっとやり損ねてきたんだよ」っていうのが、ずっとこの10年くらい僕が小声で言ってきたことなわけです。その「近代を損ねる」っていうのはつまり、すごく評判が悪い民主主義システムみたいなものを、最低限機能させていかなかったら、やってけないのと違うのかと。その前提となっていくような人の在り方みたいなことは、まだ創っていけるのではないのかというふうに、多少の希望と責任みたいなことを思っていたんだけれども。

 去年の(東日本大)地震を見たあとくらいから、なんだかすっかり「ああ、土人なんだな」という言葉がふっと頭に浮かんだわけです。「土人」という言葉の中にいろんな意味を込めたんだけれども。だいたいは僕ってもともと左翼ですから、「土人」なんて差別用語は使わない方の人なんですけれども。なんかもう、ふと使ったら面白くなっちゃって、使ってるんですけれども。今日も不穏当だな。

 えっと、どうせ顰蹙(ひんしゅく)買うんだから言うけれども、本の中でも喋ったけども、3.11の後、例えば寄付合戦が始まったでしょう。あれを見てポトラッチとかねカーゴ・カルトとかを思い出したんですよ。僕もともと民俗学ですから、ナマズ絵っていうのが安政の地震のあとにたくさん出てきて、その中でもね、お金持ちが寄付しろみたいにナマズ絵をいっぱい売ってるわけですよ。まるでなんか江戸時代に返って、ポトラッチっていうのはそれ以前の前近代社会かなにかの、要するに蕩尽合戦みたいな無駄遣い合戦ですよね。なんかそんなことが始まったように思えたりして、どこかで「あ、日本人の中にもう少し近代っていうのがあるな」って思ってたらば、それが意外と脆くて、その下にあるのがヒョロッと出てきちゃったのかなって思うと、なんだかすごく脱力しちゃって。

 そう言えば、柳田國男って普通選挙の導入に必死になって、昭和の初頭に普通選挙が行われた後で、「日本人なんて所詮、魚の群れじゃねぇか」と。なんも考えないで、皆のあとを付いていって、しかも中心的人物がいないよね。魚の群れってリーダーがいるわけじゃないですから、「皆で一つの方向に泳いでいくだけじゃないか」っていうふうに憤って。それでも柳田はまだ、選挙システムや民主主義っていうものが日本に可能じゃないのか、可能になっていくような枠組みみたいなものを作るべきなんじゃないかと言っていて。そういう柳田を僕は未だに好きだけれども。その時の柳田國男の「魚の群れじゃないか」って言った感覚が、すごくしっくりきて、多分あの時ずっと、「土人、土人、土人」、と言っていたわけですよね。

 責任転嫁しますけども、「土人」て最初に言ったのは浅田彰ですね。昭和天皇が崩御した時に、皇居の前に集まった日本人の姿を見て、彼はそういうふうに言ったわけですね。で、その時は僕はさすがに「浅田さん言いすぎじゃないか」と思ったんですけどね。なんか、その言葉を自分の方が繰り返しているのも不思議なんだけれども。土人と言ってみてしっくりきたみたいな。やっぱ近代という枠組みの中で、僕がなんとなく期待していたものが、やっぱり不成立だったんだなっていうのを実感した言うか。「ああ、こういうものなんだな」って。あと、「皆これでいいと思ってるんだったら、もういいじゃんそれで」みたいな気がしてきてね。「好きにすれば」っていうね。

■3.11以降、「終わりなき日常」は終わったのか

大塚「(震災後も)ハレとケとケガレを繰り返してるだけ」

宮台: 僕は「”終わりなき日常”は終わった」という議論が(作家の)猪瀬直樹さんとかから出てきた時に「もうだめだ」と思ったんですね、はっきり言って。『読書人』のインタビューの時に、僕は爆笑したんです。総力戦研究所のシミュレーションの話とかしているあの猪瀬さんが、戦後と戦前の継続性について知らないはずはないわけですよね。

 例えば日本には「ロジスティクス」という概念は存在しないので、レイテ島戦では90%以上が餓死している。インパール作戦でも同様ですよね。実は誰もが武器弾薬どころか水も食糧も補給もないところで戦えば作戦失敗することは知っているわけで。陸軍参謀本部の連中だって分かっているわけですけれども、極東国際軍事裁判等でそういうことは問われると、「自分には権限はなかった」とか、「今さら止められないと思った」とか、「空気に抗えなかった」とかって話になるんですよね。

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