「保育園落ちた…その後」の体験談。都内の保活激戦区に住む、あるママの場合

保育園に落ちた話は数多くありますが、その後、ママはどのように仕事や子育てをしているのでしょうか。保活激戦区の認可保育園に落ちた経験がある筆者が、ひとつの体験談として「保育園落ちた、その後」についてお届けします。

「保育園落ちた」その後は?

2016年に「保育園落ちた日本死ね」という言葉が話題を呼びました。多くのママが「子どもを保育園に預けられない」という同じ悩みを持っているのが、この言葉が話題になった理由だと思います。

実際に筆者も保活に励みましたが、認可保育園に落選しました。その時に「保育園に落ちた後、ほかのママはどうしているんだろう?」という素朴な疑問が湧きました。どう動けばいいのか、他にどういう選択肢があるかについて知りたい方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、筆者の体験談を中心に「保育園落ちた…その後」について書いてみたいと思います。

保育園落ちた、筆者の体験談

落選理由

筆者の住まいは保活激戦区で有名なエリア。妊娠中に「点数」を数えてみましたが、実家暮らし・両親が65歳以下・フルタイムではないなどの理由で満点からは程遠く、申込み前から「たぶん受からないだろうな」と感じていました。

結果はやはり落選。そもそも家の近くの認可保育園は1つしかなく、もし第2、第3希望に受かっても子どもを保育園に送ってから通勤するにはあまり現実的ではない距離でした。

会社への交渉、そして転職

保育園に落ちても会社復帰はもう目前だったため、復帰する方法を思案しました。産前は週5日のフルタイム勤務。妊娠中は週4日時短パートでした。

同居している母が週4日パート勤務しているため、それ以外の曜日に母に預かってもらうことを視野に入れ「産後は週2、3日の時短で出勤したい」と会社に希望を出しました。しかし、会社側はさらなる短時間勤務に好意的ではなく、部署移動と職種の変更も必須だと告げられたので退職を決意しました。

ちょうど同タイミングで、起業した知人から「短時間勤務でよいからぜひ」とお誘いを受けたため、転職という形で働き口を確保しました。

預け先が見つかるまで

安心して預けられる認可外託児所を探す

産後は実家で暮らしていたので両親のサポートを受けることができました。しかし母も仕事をしているので「休みの日は全て子どもを預かって」というわけにはいかず、民間の託児施設を探しました。

いくつかの認可外の託児施設を見学しながら「ここなら安心して預けられる、という場所にわが子を預けたい」と感じるようになりました。そして「ここなら」と思える託児施設候補を見つけました。

私が選んだのは、室内に清潔な砂場があり、ウェブカメラで託児中の子どもの様子を仕事中に確認することができる託児所。管理栄養士が調理してくれた給食が出るなど託児料にサービスが見合っていると感じたので「安いから託児環境に妥協する」ことなく、安心して預けることができました。

認可と比べると、高い託児料

認可保育園の場合は勤務状況に合わせて預ける日数と時間が決定しますが、私が決めた託児施設は希望の曜日と時間で預けることが可能でした。なので、母に預けられない日だけ利用することでコストダウンできたこと、仕事と育児のバランスを取りながら預けることができた点は、結果的にメリットだと感じられました。

認可外なので、託児料は1時間800円(年会費別)でした。たとえば時給1,000円の仕事をするには「割りに合わない」という考え方もありますが、

・夫と自分の給与から託児料を捻出する
・自分のキャリア継続を保つための予算
・安心・快適に託児するための予算

と捉え、自分にとっては前向きな必要経費だと考えることにしました。

預け始めてから

認可合格=ゴールではない?

話には聞いていましたが、やはり子どもの発熱や病気は避けられないものでした。さらに自分自身も完治するまで1週間近くかかる風邪を月1ペースでひいてしまい、やむなく勤務ペースをさらに減らしました。減らしてからは風邪をひく頻度も減ったので、疲労がたまっていたのも原因だったのかもしれません。

周囲の友人たちの話をきいていると、保活を経て幸運にも認可保育園に合格したとしても、同じように仕事を減らしたり休むことは当然あるようです。特に保育園生活の初期にママにとって壁がたくさんあるということは、認可保育園でも認可外託児施設でも同じなんだなと感じました。

この先にも壁はある

無事、保育園生活を乗り切っても次は小1の壁、小4の壁、親の介護の壁など、ママを待ち受けている「壁」はさまざまです。そういう意味では、働く女性にとって「出産」そして「保活」は、自分のキャリアプランを見つめ直す良い機会なのかもしれないと思います。

「認可保育園落選」という結果を受け取ることは、とてもショックです。「落選」という言葉があたかも自分や子どもの存在を否定されたような気がしてしまうから、余計にショックなのではないでしょうか。

なんとか点数を稼ぐために「ペーパー離婚」などいろんな加点裏技の噂もありますが、付け焼刃で入園できても「その先」があります。子どもが保育園に馴染めないかもしれないし、仕事との両立が難しい状況に追い込まれるかもしれません。そういう長期的な視点で考えてみると、もしかしたら「認可に落ちた」という現実の見え方も変わってくるのかもしれません。

母子にとって、いちばん大切なことは

「保育園落ちた…その後」の体験談。都内の保活激戦区に住む、あるママの場合

保育園に落ちて「死ね」という言葉を使うほど、やるせない気持ちを共感できる方は多いのではないでしょうか。もちろん「どうしても認可に受からないといけない」という切迫感を持っている方がいるのも現実です。でも、すべてのママの希望が通ることが最善ですが、いちばん大切なことは母子にとって最適な保育環境を見つけることだと思います。

保活に一生懸命取り組んで認可保育園に落ちたら、やっぱりショックは大きいと思います。でも、数年後に振り返った時に「あのときのベストを尽くした」と概ね満足している筆者のようなママもいます。「保育園落ちた」の後には「日本死ね」という言葉だけではなく、ママの数だけさまざまな言葉があるのではないでしょうか。

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