【テレビ全録派鼎談】その3:ネットとソーシャルメディアが変えるテレビ

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竹中:それは作用の話であって目的ではないということですよね。だから、それは自然にどんどん溶けていくからほっとけばもっと進むと。溶けた結果は勝手に色んな人が色んなことを、悪いことを含めて起こって、それにどう対応していくかというのを各媒体で考えればいいという話ですかね。なんか結論めいたものが出てしまいました。

テレビ局の意識が変わった

宮原:テレビ側の意識がちょっと変わってきてるんじゃないか。MIROさんに『ニコファーレ』の話なんかも聞かせていただけるといいかなと。

竹中:MIROさんは『ニコファーレ』で何をやってる人なんですか?

MIRO:LEDにコメントを出力するシステムなどを作ってる人、ですね。ビデオにコメントを重ねるときのフェードイン、フェードアウトをコントロールしたり。コメントをどう演出して表示するか、といったところから作っています。

『ニコファーレ』という施設に今いろいろ作ったりしてるわけですけども、その『ニコファーレ』という施設のオープニングセレモニーでは、東方神起さんとAKB48さんに出演していただきました。そしてその様子を『HEY! HEY! HEY!』(フジテレビ)で生放送したんですね。実はその時にとても象徴的なことがあって。

元々『ニコファーレ』というのは、『ニコニコ動画』の『ニコニコ生放送』の施設なので、ユーザーのリアルタイムの生のコメントが会場に表示されるんですね。そうすると中には品の良いものから悪いものまで色々あるわけです。そのユーザーの生のコメントが流れている、という非常にネット的な施設で、その施設からの生放送をそのまま地上波の人気番組にのせてしまう。このときに、どうもテレビ側のスタッフのほうがリアルタイムのユーザーのコメントを流すということに特に抵抗はなかったらしいんですね。

「ニコニコなんだからそうなんじゃない?」っていうぐらいの感じだったという風に聞いてます。逆にこっちのほうが「本当に大丈夫なんですかね?」とビクビクしていたという。その結果色々と話題になったわけですけども、これは少し前だったらきっと意識は逆だったのではないかと思います。そのへんはテレビ制作サイドもだいぶ意識が変わってきたのかな。

竹中:昔はね、僕も実際経験ありますけど。「本番で動くかどうかわからないようなものは絶対に使えない」みたいに言われて、5時間も前に入ったのに本番30分ぐらい前に「やっぱやめときます」みたいなことを言われてギャラなし、みたいなことがあったわけです、すっごい悲しいことがたくさんあったんですけど。そこは現場サイドは変わってきてるってことですよね。動かなかったらどうしようみたいなことは考えるんですよね。

MIRO:それはもちろん考えます。でもそれはどっちかというと、テレビ局側ではなくこっち側というか。

竹中:そこは柔軟になってきていて、たぶん見てる側も柔軟になりますよね。

MIRO:それはあるかもしれないですよね。

竹中:でも「こんな言葉が流れた」みたいなクレームをいれてくれるような人は今後もいるということですよね。

MIRO:まあいるでしょうけど、それはたぶんテレビじゃなくてもどこでも一定数はいて、それはテレビというマスな媒体だから数が目立つっていうだけだと思いますけどね。

竹中:そうか、わかった。楽になるんですね。テレビの制作は、公共の電波とかいうことがどんどん薄くなって『YouTube』見てるような感覚でテレビを見てもらえるようになれば、結構気軽に間違えられるし結構気軽に番組作れるし、結構番組を途中でやめるみたいなこともありになってくるかもしれないということですよね。それは本当にいいかもしれませんね。

宮原:3年前はテレビで『ニコニコ動画』どころか『YouTube』のサービス名を言わないよね。みたいな話がありましたけど、最近は『YouTube』でやってたとか平気で言うようになってますね。

竹中:NHKは言いませんけどね。動画サービスとか、日本国内有数の動画サービス。

有吉:でも震災のときは、当然サイマル放送で『ニコニコ動画』って出てましたね。

竹中:あれは特別な時間だったんでしょうね。『HEY! HEY! HEY!』は「ニコニコ動画」って出てましたね、思いっきりね。「ニコファーレ」も出てたし。

有吉:ある番組では「元ヴェルファーレ」っていう表現をしたらしいですけど。

テレビの未来と『ニコファーレ』

竹中:『HEY! HEY! HEY!』の『ニコファーレ』の映像をちらっと見たんですけど、チラ見レベルではどうなってるかわからないですね。

MIRO:あれはもう本当にどれが現実でどれがバーチャルか、さっぱり分からない映像になってましたね。

竹中:やたらピカピカキラキラしてる。あの感じはいいと思います。それが『ニコニコ動画』の次の「自分達で作る」ということを軸においた時の“チラシ”なんだというのを、あれを聞いて納得したんですよね。

ずっと『ニコニコ大会議』でも『中会議』でも『小会議』でも、言葉を選ばずに言えば“劣化民放”みたいなことをし続けてきたわけじゃないですか。でもそれは国内で育つ市場があるみたいなことを全部考えたうえで、後付けかもしれませんけどやってて。

ある程度形になったときに、『ニコファーレ』ということをやるというのは世界で初めてですよね。全然“劣化民放”じゃないわけですよね。民放の上をいくようなことをきちんとできているというのは、とても面白い試みだと思ったし、それはある意味『SPIDER』が目指しているものと補完関係にありますよね。そういう気がしたんですよね。

映像メディアというものを考えたときに、『ニコニコ動画』が考える未来と、映像メディアとしてテレビを見たときに『SPIDER』が考える未来というのは、結局同じになっていくと思うんですよ。それが今のテレビ番組のあり方みたいなことは今まで散々話してきたように、今はずっと今までのレガシーを引きずってはいるんですけど、おそらくテレビ番組がどんどん未来に向かって変わっていくときに、『ニコニコ動画』がちゃんと引っ張っていくんですよね。番組の作り方みたいなのを。

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宮原俊介(編集主幹) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長を務める。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

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