ドローンと一緒にハネムーンへ! BBCで世界的に話題になったカップルの壮大な400日間
日常生活や旅先など、あらゆるシーンで私たちの生活にすっかり溶け込んだ”セルフィー(自撮り)”という文化。自撮りした写真はカメラロールの中に収めておくのでなく、SNSでシェアするスタイルもお馴染みのものとなりましたが、ドローンで撮影したセルフィーを見たことがある人はどれほどいるでしょうか?
昨年末に出版された『ドローン片手に世界一周 空飛ぶ絶景400日』(朝日新聞出版)という一冊の本は、とあるひと組のカップルがなんとドローンを片手に世界一周の新婚旅行に旅立った記録をまとめた一冊。実際に撮影した動画もDVDとして収録しており、”世界でいちばん壮大なセルフィー”を堪能することができます。今回は同著の著者であるHoneymoon Travelerの山口千貴(KAZ)さんへのインタビューが実現。400日間の舞台裏に迫りました。
■世界に一枚しかない、自分と妻の写真が撮りたい
—-まずはドローンを携えて新婚旅行に旅立とうと思ったきっかけから教えていただけますか?
KAZさん(以下、KAZ):新婚旅行で世界一周したいね、という話は結婚する前からよくしていたんです。でも、妻はほとんど海外渡航経験がありませんでした。お付き合いをしている時に一緒にインドに一度行ったことがあるのですが、それが妻にとって初めての海外旅行。彼女はそのあと、仕事でもう一度アジアに行っているのですが、結局3度目の海外がこの新婚旅行になったんです。
—-そう考えると、奥様もパワフルな方ですね。
KAZ:そう思います。僕は学生時代に一度休学して世界半周ほどをバックパックした経験があって、その頃の思い出を妻に話しているとすごく興味を持ってくれて「行こう!」と乗ってきてくれました。当時はお金もなかったので、世界一周の新婚旅行に旅立つ代わりに結婚式は挙げられなかったのですが(笑)。
—-旅の記録にドローンを使おうと考えたきっかけはあったのですか?
KAZ:大したきっかけではありません。ただ、出発する前にYouTubeでドローンで撮影した空撮動画を見たことがあって、いいなぁと。僕はもともと写真を撮るのが好きで、旅行には必ずカメラを携えて行っていたのですが、自分が撮影すると絶対に自分自身の姿って残らないですよね。綺麗な風景だけの写真ならインターネット上にいくらでも散らばっているのに、自分や自分の大切な人と一緒に写っている写真ってどこにもない。だから新婚旅行ではできるだけ妻とのセルフィーをたくさん撮影しようとは思っていたんです。
—-動画を拝見しますと、単なるセルフィーでは伝わらない現地の臨場感がひしひしと感じられます。出発前に操縦の練習など、かなり準備をされたのでは?
KAZ:実は意外とそんなこともないんです。都内はドローンの操作にも規制がかかっているエリアも多いですし、僕自身もかなりビビっていたので、ほとんど練習できませんでした(笑)。
■二人のハネムーンは、BBCから世界中へ拡散
—-400日間の旅では、様々な場所でドローンによる撮影をしていますよね。旅行中、何かトラブルなどはありませんでしたか?
KAZ:2度、ドローンを買い換えねばならないことになったのが一番のトラブルだったでしょうか。一度目は112日目に訪れたノルウェーのトロムソという場所でのこと。オーロラを見るため雪山に登ったのですが、頂上でドローンを飛ばした時に機体が行方不明になってしまったんです。結局探しても見つからず……山頂までの道のりで撮影した動画は残っているのですが、山頂からの風景は僕と妻の頭の中にだけ、残っています(苦笑)。二度目は南アフリカのナミビアで、思い切り壁面にぶつけてクラッシュ。あれもショックでしたね……。
—-そうした”困難”も乗り越えながら、各地の映像を収めてこられたKAZさんですが、お二人のドローンによるセルフィー動画が話題となったきっかけがあるんですよね。
KAZ:はい。旅の途中で撮影した動画をフェイスブックやツイッターといったSNSで常に公開していたのですが、ある時イギリスの動画制作会社の目に止まって、それまでの作品をひとつのまとめ動画に編集してくれたんです。それがかなり拡散されたのですが視聴者の中にBBCの記者がいて、僕らのことを取材したいと。直接会って話すことはできなかったのですが、旅の途中にスカイプを通して取材を受けてBBCで報道され、結果各所のSNSで話題になってくれました。結果、帰国後に書籍にまでしていただけて、ビックリしています。
—-ここまでの反響は予想していましたか?
KAZ:もちろん、まったくの予想外です。もともとデジタルマーケティングの会社にいたのでネット上で話題にするためのノウハウは心得ていたつもりでしたし、せっかくならたくさんの人にドローンの動画を見てもらいたいとネット上にシェアしていましたが、まさかこんなに話題になるなんて。今でもビックリしていますよ。
—-ここまで世界中で話題になったハネムーンは、未だかつてなかったかもしれませんね。
KAZ:「一生分の夫婦の会話づくりをしよう」と始まった新婚旅行でしたが、このドローンでのセルフィー動画を撮影することでふたりのなかでもこの400日間が特別なものになったと思います。ウユニ塩湖では現地のツアー会社からボロボロのウエディングドレスとスーツを2000円くらいでレンタルして撮影したのですが、こうした体験も夫婦の大きな思い出になったと思います。
—-今後もドローンを使っての動画撮影など続けられる予定ですか?
KAZ:昨年末にはドローン撮影の仕事で、南極まで行ってきました。これからも撮影できるチャンスがあればぜひチャレンジしたいですね。
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遊び心とチャレンジ精神で、世界でいちばん壮大なセルフィーの撮影に成功したKAZさんご夫婦。そんなお二人の動画は下記から視聴することができます。息を呑むような光景と愛らしいお二人の姿をぜひご覧ください。
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