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話題のシェアリングシティ。住みよい街を目指す「シェアエコ」とは?

5つの都市がシェアリングシティ宣言

千葉市、浜松市(静岡県)、島原市(長崎県)、多久市(佐賀県)、湯沢市(秋田県)の5つの都市がそろって発表した「シェアリングシティ宣言」が話題だ。しかも、今後、さらに多くの自治体が「シェアリングシティ宣言」を行うらしい。

シェアリングシティとは「シェアエコ」、つまりシェアリングエコノミーを街づくりのために積極活用しようという考えであり、それを実行する都市のことをいう。しかし、いった、シェアエコとはなんだろう?

スマホの普及が後押ししたシェア文化

シェア(共有)という考え方は、SNSで瞬く間に一般的になった。旅先の美しい風景、偶然出合った街角グルメ、キュン死しそうなくらい愛くるしいワンコ・・・・・・。自分が覚えた体験や感動を多くの人とシェアする文化は、デジタルネイティブ世代にとって当たり前の感覚だ。シェアエコとは、この「シェアする」という行為を取り入れて、便利で快適に、お得に暮らそうというライフスタイル。そして、それを支えるITを中心とした産業のことだ。

このシェアエコの代表的なサービスには、たとえば、自宅を宿泊施設として貸し出すプラットフォーム「Airbnb(エアビーアンドビー)」がある。長期出張で家を空けたり、自宅の空き部屋がある人をAirbnbがマッチング。利用者は一般的な宿泊施設よりも割安に宿泊できるのが魅力だ。

従来のタクシーに代わるクルマのシェアサービスとして欧米で大人気の「Uber(ウーバー)」もまた、成功したシェアエコのひとつだ。ドライバーはあらかじめUberに登録しておき、利用者は自分の近くを走っている乗車可能なクルマをスマートフォンアプリで探して呼び出す。決済はすべてネット上で完結するので、ボッタクリなどの心配がない。

AirbnbもUberも、基本的にスマホアプリを使う。サービス提供者である登録宿泊部屋や、乗りたいクルマの一覧にはそれぞれ過去の実績が掲載されていて、評判の良し悪しが一目瞭然だ。しかも、AirbnbやUberでは、利用者側の評価もわかる。シェアエコでは、そんなふうにレーティングという情報の「シェア」も重要な側面となる。

世界で進むシェアエコサービス

このシェアエコは、すでに日本においてもさまざまな分野に広がりを見せている。たとえば、「AsMama(アズママ)」は、スマホの専用アプリを利用して子どもの一時預かりや送り迎えを助け合うサービス。同様に助け合いを高齢者介護で行おうという試みも、各地で進行中だ。また、Uberのアプリを利用した、過疎地での住民タクシー的なシェアサービスも各所でスタートしている。

冒頭で紹介した5都市の「シェアリングシティ宣言」をサポートした日本シェアリングエコノミー協会では、海外の事例も紹介しているが、それによれば、お隣の韓国ソウルでは、政府主導で市内527カ所972台のカーシェアリングサービスを導入済み。そのほかにも、服や本、道具などの「モノのシェア」、古民家をシェアハウスとして利用する「空間のシェア」など、さまざまな分野でのシェアエコが進んでいるという。

オランダのアムステルダムもシェアエコ先進都市として知られ、企業や政府と連携して多くのシェアリングビジネスを生み出している。たとえば、「Peerby(ピアビー)」というサービスは、ネットを介して近所の人とモノをシェアするというもので、今や世界中に急速に広まりつつある。下の動画はこの「Peerby」の使い方を説明したもの。言語は英語だが、見るだけでサービスの中身がよくわかる。

こういったシェアエコの全世界における市場規模は、総務省によれば2013年の150億ドルから2025年には3,350億ドルにまで飛躍的に成長するとされている。もはや一大巨大産業である。

“シェアする街”が目指す新しい行政のカタチ

こういったシェアエコの考え方を、積極的に街や行政の取り組みで活用していこうというシェアリングシティ。それは宿泊や交通手段だけでなく、あらゆる課題をシェアすることで、提供者/利用者の垣根を越えてサービスの改善を実現させる。また、新しい建物や設備をつくるのではなく、今あるものを効率よく活用し、シェアすれば、資源の抑制、ゴミの削減、交通渋滞の減少だって見えてくる。しかも、シェアエコは雇用の創出にもつながるだろう。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、宿泊施設不足が懸念されているし、高騰する開催費用の抑制にも関係者は頭を悩ませている。もしかしたら課題解決のヒントはシェアエコに秘められているのかもしれない。


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関連リンク

日本シェアリングエコノミー協会 
Airbnb
Peerby
AsMama
Uber

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