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ESP8266と超音波距離センサーで、猫のバイオロギングに挑戦!―にゃんてっく☆やせないアイツとESP8266【vol3】

Lチカの次は?

こんにちは、猫を愛するエンジニア夫婦、はとね(@hatone)ときょろ(@kyoro353)です。

前回はESP-WROOM-02を使った回路をブレットボード上に組み、Arduinoで簡単なスケッチを作成して実際に流し込んで、無事にLチカするところまでを確認できました。

いままで慣れ親しんだArduinoとほとんど同様に、Arduino IDEで他のマイコンボードの開発が簡単にできることにテンションが上がった方もいるのではないでしょうか? 

前回作った内容へ機能を足したり改良しながら、「猫用IoT体重計トイレ」の開発へ向かっていきたいと思います。

きょろ
「Lチカの通過儀礼も無事に終わったことだし、次はテストを兼ねて、何かセンサーから情報を取得してみよう!」

前回のLチカはマイコンからの出力だったので、今回はマイコンへの入力の検証です。センサーをブレッドボードへ追加して、マイコンから値を取れる状態にしていきます。

さて、何からはじめようかな?

きょろ
「IoT的な電子工作を作るときは、まずは勉強がてら、ボタンを押すとネットと連携して何かが起こるAmazon Dash Button的なデバイスを作ってみるのが鉄板なんだよね」

そうそう。猫がポチッとボタンを押すと、ログが出たりしたら楽しそうだよね。

けれど、あの猫の手だと大きいボタンを用意しないと難しそう。あと、なかなか押してくれない気がする……。

押せないにゃ?

そうだ。こういうときは、どーじん先生に相談してみよう!

センサーの入力とバイオロギングの世界

どーじん先生、体重計開発に向けて何か簡単なセンサーからデータ取得を試してみたいのですが、猫にまつわる何か面白い話はありませんか?

どーじん先生
「直接猫にまつわる話じゃないけど、センサーからデータ取得するって観点だと生物のログを取る『バイオロギング』って研究ジャンルがあるんですよ。

アザラシに記録計を付けて潜水能力を計測
(A Southern Indian Ocean database of hydrographic profiles obtained with instrumented elephant seals, Scientific Data,02 September 2014より)

その草分けがジェラルド・クーイマンで、彼は1960年代にアザラシの潜水能力を測るために、キッチンタイマーを改造した記録計をアザラシに直接装着し、自由に泳がせたんです。

強制的に潜水させるのでは本当の能力を正確に把握できない、自然の状態における潜水を測るためには自由行動が必要だと考えたんですね。

このジャンルは主に生物自体に記録計を装着するので、ちょっと大掛かりなことになりますが、ポイントは人間不在の状態でこそ、真の行動観察ができるということ。

”ネコロギング”みたいな感じで、猫の何かの行動を、人間の見ていないところでログを取るって試みはおもしろいと思いますよ」

なーるほど。”動物のログを取る”なんて単純そうなネタでも、研究ジャンルとして確立されてるんですね。飼い主不在の状態でこそ猫の真の行動観察ができる、と。

どーじん先生
「動物の行動をその動物にとって自然な生育環境の中で記録するっていうのは、猫ではそんなに難しくないはずです。家猫はそもそも野生にいるわけじゃないから、いろいろな飼育者の家の中こそが普段の生活空間になる。屋内にロガーを設置するだけで、ログが効率よく取れる。

人間の生活空間へのロガー設置は、他の研究でも流行ってきてるんです。最近ではデブ・ロイって研究者が、家中にカメラをつけて生活環境の全記録を撮って、自分の子供が三歳になるまでの成長を通して言語発達過程の研究をしたんですよ」

うちのデブ猫のバイオロギング、研究レベルまでいかずとも趣味として実施してもすごくおもしろそう!

いろいろなデータを扱ってみたいなあ。
データをどう取得しようかなー、どう保存しようかなー、どう解析していこうかなー……考え始めると、いろいろ作り込まなきゃいけないことが多そうですね。

どーじん先生
「そんなに大規模に話を広げなくても、単に通知されるだけでもけっこう有益ですよ。象印の『みまもりホットライン』というサービスとか近いかな。ほら『京都の母がポットを押したら電波がピピピ』とかCMやってましたよね。

あと最近では、高齢者施設や病院で、高齢者がベッドから離れたことを通知するための、圧力を感じるパッドや赤外線・超音波を用いた『離床センサー』があります。生活環境内で必要不可欠な行動に反応して通知が送られるというのがミソかと。

外出先で、ウチの猫は元気かなぁとか、少し心配になるときあるじゃないですか。そういうとき、とりあえずご飯を食べたときに通知が来たら、それだけで安心。だって、猫に電話かけさせるのはちょっと無理がありますからね(笑)」

ジンジャー「もぐもぐ」
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