笑う門には麺類アリ! 「麺屋寄席」で味わう古典落語とアツアツ味噌煮込みうどん【名古屋】

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気取らずに普段着のまま楽しめるきしめんや味噌煮込み。それらを出す「麺類食堂」は、名古屋のいたるところに点在し、また歴史のあるお店が多い。にもかかわらず、老舗であることを鼻に掛けることはない。どの時代も大衆とともに歩み、歴史を刻んできたのだ。

名古屋市内を中心とした麺類食堂で2月末まで「麺屋寄席」が開催される。企画したのは名古屋市東区にある「森田屋」の四代目店主で愛知県麺業青年会副会長を務める玉津亮さん。

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同業の仲間が落語家の雷門福三さんの知り合いで、何度か寄席を開いたと聞きました。せっかくなら組合のイベントとして取り組めないかと思ったんです。(玉津さん)

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▲雷門福三さんは名古屋で活躍する落語家。また、役者としてドラマやCMなどに出演しているほか、大須で駄菓子バー「チャーリーズ」も営む。

お客さんにわざわざ演芸場に来てもらうよりも、こっちから行こうと。で、これまでは銭湯で寄席を開いていたんですよ。常々、垣根の低いことをやりたいと思っていたので、麺類組合からのオファーを快諾しました。(雷門福三さん)

銭湯での寄席は名古屋に限らず、全国各地で開催しているだろう。福三さんによると、関東ではそば店でも開いているらしい。名古屋の片田舎で暮らす私としては、どうしても関東のそば店、と聞いただけで身構えてしまう。私が勝手にイメージしているだけかもしれないが、どうしてもハードルの高さを感じてしまうのだ。

しかし、名古屋エリアの麺類食堂であれば、リラックスして楽しめそうだ。そんなわけで、「森田屋」で開催された「麺屋寄席」へ行ってきた。

「時そば」を名古屋風にアレンジ

こちらが「森田屋」。店構えからして、独特の風情がある。

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「森田屋」は11:00~15:00の昼のみの営業だが、「麺屋寄席」は18時開演。入り口で木戸銭2,000円を支払い、テーブルと布、座布団でこしらえた高座の前に並べた椅子に座った。

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18時。おはやしとともに雷門福三さんが登場!

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軽く自己紹介をした後、ウィットに富んだ小話でお客さんを盛り上げる。

「これまで銭湯で寄席を開いていましてね。終わった後に風呂に入れるのがいいですね。で、いかにしてタダメシにありつくことができるかと考えたのが、この『麺屋寄席』なんですね」と、福三さん。

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場が温まったところで、古典落語『時そば』を名古屋風にアレンジした『時きしめん福三バージョン』のはじまり、はじまり~。

『時そば』は、屋台のそば店で一人のお客さんが勘定をごまかした。その一部始終を見ていた男が自分もそれをまねてみたものの、何とも間抜けな結果に終わるという話だ。

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『時そば』の見せ場は、扇子を箸に見立てて、そばを勢いよくすする場面。福三さんもきしめんの美味しさを名古屋弁でまくし立てながら、ズルズルッと麺をすすった。福三さんの手に、まるできしめんがあるかのようなリアルさに客席からはツバを飲み込む音が聞こえてきそうだった。

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もちろん、落語は全部、名古屋弁。生まれも育ちも地元である私にとっては実に心地良い。それどころか美しく聞こえてしまう。

『時きしめん』後は小話を挟んで古典落語『鷺とり』の名古屋バージョンを披露。こちらも大爆笑で幕を閉じた。

落語の後は味噌煮込みうどん!

「麺屋寄席」のお楽しみはまだまだこれから。落語で大笑いした後は、麺料理が楽しめるのだ(一部の参加店は1,000円分の金券を進呈)。

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メニューはお店ごとに異なり、「森田屋」では看板メニューの「味噌煮込みうどん」(通常価格 980円)が食べられる。

土鍋でグツグツと音を立てながら運ばれてきた。ハフハフしながらひと口……。

うっ、うまい!

「味噌煮込みうどん」は一般的につゆにとろみがあるが、ココのはさらっとした口あたり。でも、味噌のコクはしっかり。麺も適度なコシがあり、かむごとにうま味が広がる。具材は鶏肉と卵、ネギのほか、ホタテ貝柱や銀杏も入ってゴージャス。うん、寒い日は「味噌煮込みうどん」に限るねぇ。

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お客さんたちも大喜び!

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味噌は豆味噌2種類と白味噌、麹味噌の4種類をブレンドしています。また、麺は国産小麦を使用した自家製麺です。ウチは看板メニューを出しましたが、この「麺屋寄席」のためにメニューを考えている参加店もありますから、きしめんやうどんが好きな方にとってもたまらないイベントだと思います。(玉津さん)

では最期に高座の情報を。

【1月スケジュール】

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【2月スケジュール】

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「麺屋寄席」は、チラシ(写真上)を参照の上、店頭または電話で要予約。お店によって定員数が異なるのでご注意を。

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お店情報

森田屋

住所:愛知県名古屋市東区赤塚町15

電話番号:052-931-6848

営業時間:11:00~15:00

定休日:日曜日、祝日

※この記事は2016年12月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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