年末年始は特に注意。子どもの「誤飲・誤食」を防ぐには?

年末年始は特に注意。子どもの「誤飲・誤食」を防ぐには?

もうすぐ年末年始。自宅にて家族で過ごす時間が増えるだけでなく、親戚や友人・知人の住まいを訪れて、食事などをする機会も増えることだろう。楽しい時間だからこそ、気をくばりたいのが子どもの誤飲・誤食といったトラブルだ。年齢別の対策や知識、家庭での工夫を紹介しよう。

東京では1日に約2.7人が、誤飲・窒息で救急搬送されている

赤ちゃんが成長し、ハイハイやつかまり立ちなどをするようになると、「赤ちゃんは、なんでも口にいれるから、よく見ていないとね」という注意を耳にするようになるはず。実際、東京消防庁の調査によると、毎年1000人を超える乳幼児が誤飲や窒息などで、救急搬送されるという。1日で計算すると約2.7人ものペースとなるから、家庭でよく起きている事故のひとつといえそうだ。【画像1】年間1000人超える子どもたちが、誤飲・窒息で救急搬送されている(出典元:東京消防庁)

【画像1】年間1000人超える子どもたちが、誤飲・窒息で救急搬送されている(出典元:東京消防庁)

誤飲・窒息を起こす子どもの年齢は0歳代がもっとも多く、生後6カ月以降から発生して、生後9カ月がピークになるそう。その後、成長とともに減っていくが、それでも注意が必要だ。【画像2】救急搬送された子どもの年齢の内訳。0歳代が多いものの、1歳〜3歳でも多発。「目が離せない年代」だということがよく分かる(出典元:東京消防庁)

【画像2】救急搬送された子どもの年齢の内訳。0歳代が多いものの、1歳〜3歳でも多発。「目が離せない年代」だということがよく分かる(出典元:東京消防庁)

「赤ちゃんのうちは、身近にあるものを手にとり、口に運ぶもの。洗剤や薬剤、ボタン電池、おもちゃ、キャンディ、ビー玉など、どこの家庭にもあるものが、一瞬にして“凶器“になってしまうんです」と話すのは、Safe Kids Japanの太田由紀枝さん。近年は喫煙者が減ったため、タバコの誤飲事故は減少傾向にあるものの、一方でなかなか減らないのが、おもちゃや食品、医薬品などの誤飲・窒息だという。

「子どもたちは、なんでも口の中に入れてしまい飲み込む危険性があります。めやすは直径4cm(正確には39㎜)以下。こうしたものであれば、飲み込むキケンがあると思ってください」と太田さん。

また、大人は手の届かない場所に置いたと思っていても、子どもは手を伸ばしてとろうとするし、2〜3歳と成長するにしたがって、足場を持ってきてとることもある。薬などは子どもが開けられない容器にしまう、薬剤や洗剤などは扉のついた棚にしまってk鍵をかける、を面倒でも徹底したい。

一方で、自宅はベビーゲートや収納などで対策をしていても、実家や親戚の住まいはそうとも限らない。訪問先などでは、子どもの目線にたって、おもちゃや文房具、薬剤などを、あらかじめ手の届かない場所に置いてもらうようお願いするのがよさそうだ。

米国は子どものいる家庭にピーナッツ持ち込み禁止!? そのワケは?

薬剤や洗剤などは、物理的に手の届かない場所に置くという、対策が打てるものの、一方でなかなか難しいのが食品と、成長した兄妹やいとこなどが持っている「おもちゃの部品」だ。

「毎年、お餅やミニトマト、ぶどうといった食品での窒息事故も報告されています。あまり知られていませんが、ピーナッツも危ないんですよ。丸飲みして窒息したり、かけらが気管支に入り、肺炎になったりする症例もあります。アメリカでは、小さな子どものいる家庭に持ち込み禁止が呼びかけられているほどなんですよ」と話す太田さん。ピーナッツの家庭持ち込み禁止とは極端な気もするが、それだけアメリカでは事故が多発しているということの裏返しなのかもしれない。

ちなみに、太田さんたち、Safe Kids Japanでは、子どもに出す食品加工のめやすとして、「4歳までは、4cm以上のものは、4分割」を推奨しているという。特にお餅を食べることが増えるこの時期、子どもの食べやすい小さいサイズにして、飲み込みやすいように加工するよう注意したい。イラスト/tokico

イラスト/tokico

もう一つ、対策が難しいのは、おもちゃだという。

「年齢の離れたいとこなどが持っているおもちゃは、全体で見れば安全でも、とれるパーツなどがあると、小さな子どもが飲み込んでしまうことも。異年齢の子どもが集まって遊ぶところでは、おもちゃは最も小さい子どもに合わせるのが原則です。それが難しい場合は、遊ぶ空間をしっかり分けたり、小さい子はおもちゃに手が届かないよう保護者の膝の上に乗せておく、などの対策が必要です」と話す。

年末年始は医療機関も休みとなり、受診可能な医療機関も限られている。適切な処置に迷ったら、小児救急電話相談(#8000)に電話を(住んでいる都道府県の窓口に自動転送される。通話料は利用者負担)。誤飲をしてしまったものの、本人の様子が落ち着いているようであれば、中毒110番に連絡するといい(通話料は利用者負担。番号は、下記の日本中毒情報センターHPに記載)。子どもたちの安全に留意しつつ、楽しい家族の時間を過ごしてほしい。●取材協力

NPO法人Safe Kids Japan●参考

・NPO法人Safe Kids Japan事故事例 ボタン電池 ミニトマト

・こどもの救急

・日本中毒情報センター
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